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専用線をオンデマンド調達/デプロイできる「Colt On Demand」、今後の進化の方向性は

「AIエージェントに寄り添うネットワーク」を目指す ColtのNaaS戦略を聞く

2025年07月08日 09時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 パブリッククラウドサービス(IaaSやSaaS)が企業に普及して、すでに10年以上が経った。「必要なときにすぐ、必要なだけ使える」「使ったぶんだけ支払えばよく、使わなければコストが下がる」という利用モデルの柔軟さと効率の良さは、現在ではもはや“当たり前”のものになっている。

 一方で、こうした“当たり前”の利用モデル(as a Serviceモデル)に乗り遅れてきた市場がある。企業やデータセンターに通信回線を提供するネットワークの市場だ。発注から開通までに数カ月もかかる、契約した帯域幅は柔軟に変更できない、使っていなくても固定費用がかかる――。パブリッククラウドの使い勝手の良さとは大きなギャップがあった。

 こうした状況を変えようと「NaaS(Network as a Service)」の開発と機能強化に注力しているネットワーク事業者が、英国に本社を置くグローバルなネットワークサービス事業者、Coltテクノロジーサービス(以下、Colt)だ。アジア太平洋地域社長の水谷安孝氏は、「ネットワークも、クラウドサービスのように“必要なときに、必要なだけ使う”という考え方になってきている」と語る。

英Coltテクノロジーサービス アジア太平洋地域社長の水谷安孝氏(中央)、アジア セールスエンジニアリング&プロダクトマネジメント 本部長のモルダー・ミッチェル氏(右)、クラウド接続サービス プロダクトマネージャーの中川雄太氏(左)

「必要なときにすぐ、必要なだけ使える」オンデマンド専用線を提供

 Coltでは、さかのぼること8年前、2017年発表の「Colt On Demand」からNaaSを提供している。

 Colt On Demandは、企業ユーザーがセルフサービスポータル(またはAPIなど)から操作することで、即時に専用線サービスをオーダー、デリバリできるサービスだ。メトロEthernet回線、インターネットアクセス回線、主要クラウドへの閉域網接続に対応しており、契約帯域幅もその時々のニーズに応じて変更できる。まさに「必要なときにすぐ、必要なだけ使える」ネットワークを実現している。

「Colt On Demand」の概要。SDNプラットフォームをベースに、拠点間の専用線接続をオンデマンドで提供する

ポータル上の簡単な操作でネットワーク接続が完了する

 実際にどんな企業にニーズがあるのか。水谷氏は、国内の採用企業のひとつとして、テレビ朝日を紹介した。

 テレビ朝日では、ある番組の収録において、本社と収録スタジオの間で映像を伝送するネットワークを必要としていた。離れた場所にある両拠点でもテンポ良く会話ができるように「低遅延で高品質なネットワーク」が必要だったが、収録は月に1回しか行わないため、従来型の固定額での契約ではコストの無駄が大きかった。そこで白羽の矢が立てられたのがColt On Demandだった。

 「放送局の場合、必要なときにはとても広帯域なネットワークが必要になる一方で、使わないときはまったく使わないということがある。テレビ朝日さんでは、どうやったらこのコストを落とせるかという課題を持たれていたので、Colt On Demandがすごくフィットした」(水谷氏)

 同様の採用事例としては、ドイツの「ベルリン国際映画祭」もある。同映画祭では、国内7都市にある会場へのライブストリーミング配信や作品データ配信、世界各国の映画スタジオからの作品アップロードなどに、Colt On Demandで用意した広帯域ネットワークを活用している。年に一度、イベント会期中のみネットワークが必要なユースケースのため、NaaSとは相性が良い。

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