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最新のグローバルビジネス戦略とテクノロジー戦略を説明

「NaaS」「低軌道衛星通信」も Coltが“次世代の通信会社”目指す取り組みを紹介

2025年03月21日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 Coltテクノロジーサービスは2025年3月19日、グローバルなビジネス戦略とテクノロジー戦略についての記者説明会を開催した。

 ネットワーク構築/運用の自動化/オーケストレーションを実現する「NaaS(Network as a Service)」や、低軌道衛星(LEO:Low Earth Orbit サテライト)を使った低遅延アクセス回線サービスなどの取り組みを紹介し、業界の変化を牽引する“次世代の通信会社”を目指す姿勢を強調した。

Coltが目指す“次世代の通信会社”の姿

Coltテクノロジーサービス アジア太平洋地域社長の水谷安孝氏、同社 インフラストラクチャ及び接続性ソリューション担当VPのピーター・コペン(Peter Coppens)氏

顧客カテゴリを2つに分類、両方のニーズを満たすよう注力

 Coltは2023年、米国Lumen TechnologiesのEMEA(欧州/中東/アフリカ)事業を18億ドル(およそ2700億円)で買収した。これにより、欧州地域で最大規模の光ファイバーネットワークを保有する法人向けネットワークプロバイダーとなった。加えて、西日本へのネットワーク拡張を発表している日本を含む、APAC(アジア太平洋)地域での自社ネットワーク拡大も進めている。

 こうした動きに伴って、Coltのグローバルネットワークは順調に拡大している。現在、自社ネットワークによる接続国数は40カ国、接続都市数は230、接続データセンター数は1100以上、接続ビル数は3万2000以上となった。また、グローバルの顧客企業数は2万社以上、従業員数も6000名以上を数える。

Coltが現在保有するグローバルネットワーク

 Coltのアジア太平洋地域社長を務める水谷安孝氏は、「大別すると、Coltには2つのカテゴリの顧客がいる」と説明する。

 ひとつめの顧客カテゴリ(下図の左側)は、通信会社やクラウドのハイパースケーラー、SIer、ITサービス企業といった、ネットワークがビジネスの差別化要因であり、自社エンジニアによるネットワーク運用を望む企業群。もうひとつの顧客カテゴリ(下図の右側)は、ネットワークは差別化要因ではなく、“手離れの良い”“一気通貫での”統合ソリューションや運用アウトソーシングサービスなどを求める一般企業(エンタープライズ)群である。

 「左側の顧客については、インフラへの投資を軸にしたアプローチに注力する。一方、右側の顧客に対しては、たとえば自動化を進めたり、あとはSASEのようなサービスをネットワーク上で(ソリューションとして統合して)提供したり、といったかたちで力を入れていく」(水谷氏)

ニーズの異なる2種類の顧客に対して、それぞれに適したサービスを開発、提供していく

 水谷氏は、近年、ネットワークサービスに対する顧客企業のニーズが大きく変化していることを指摘する(記事冒頭のスライド)。Coltでは、グローバルで統一/標準化された仕様を持ち、オーケストレーション/自動化の機能やセキュリティのサービスも組み込んだ“デジタルインフラ”として、次世代のネットワークサービスを提供していく方針だ。

 こうしたビジネスの方向性を踏まえながら、水谷氏は今年の戦略を「統合」「簡素化と自動化」「成長」「ワンチーム」の4つのキーワードにまとめた。

 「LumenのEMEA事業買収もあって、現在はさまざまなネットワークとプラットフォームを使っているが、これを統合していく。Lumenとの人員面での統合も必要だ。また、ネットワークをシンプルなプラットフォームにすることで、簡素化と自動化を進める。成長については、先日(日本法人代表の)大江からもお話ししたとおり、日本への投資やSIerさんとの協業を進める。そして最後に、社内で“戦略の要”と位置付けているのが、グローバルのColtがワンチームとなって動くことだ」(水谷氏)

戦略的に重視するキーワード4つを挙げた

5年前からNaaSを提供してきた“NaaSのパイオニア”

 Coltの戦略において重要な要素のひとつが、ネットワークの調達や運用、オーケストレーションの「自動化」だ。

 Coltのバイスプレジデント(VP)でネットワークインフラ周辺の責任者を務めるピーター・コペン氏は、旧来の通信業界やネットワークサービスは、エンジニアが手作業で設定や調整を行う「とても“静的な”ものだった」と説明する。

 その結果、たとえば顧客企業がネットワークの増速(帯域幅の拡張)をオーダーしても「実際に利用できるのは数週間後」といったスピード感だった。現在のITシステムには、ビジネスの変化に素早く対応できるアジリティ(迅速さ)が求められているが、それにネットワークサービスが追随できていない状況が続いてきた。

 そこで期待されているのがNaaSだ。ガートナーでは、NaaSとは「自動化」「セルフサービス(ポータルやAPI)」「動的な帯域増減」「サブスクリプション型/従量制課金モデル」「NaaSプロバイダがすべて所有/運用」という、5つの特徴を持ったサービス/運用モデルだと定義している。つまり、パブリッククラウドのような使い勝手をネットワークサービスで実現するものである。

NaaSの特徴(ガートナーによる定義)

 コペン氏は、「Coltはこれらすべてを5年前から実現してきた“NaaSのパイオニア”だ」と強調する。「Colt On Demand」というサービス名のもと、クラウドのハイパースケーラー、大手通信会社、SIer、金融機関などの大手企業といった顧客に対して、すでに数千件の提供実績があるという。

 「Colt On Demandでは、セルフサービスポータルを通じて、データセンター間接続やパブリッククラウド(AWS、Azure、Google Cloud、Oracle Cloud Infrastructure、IBM Cloud)への接続を構築したり、帯域幅を増速/減速したりできる」(コペン氏)

 加えて、接続料金の見積もりや可用性の確認、発注、料金の確認、排出されるCO2量の確認といったことまで、ポータル上でほぼリアルタイムに実行できるという。

Coltが提供するNaaS機能。接続済みのデータセンターやクラウド、ビルであれば、ポータルから短時間でネットワークが構築できる(オンサイトでの物理作業が必要なビルの初期導入を除く)

 今後は、各国の通信会社との“NaaS間連携”も進めていく方針だ。すでに一部の通信会社とはNaaS間を相互連携させており、Coltのポータルから他社ネットワークを調達することも可能になっているという。コペン氏は、今後もさらに連携パートナーを拡大していく方針だと述べた。

 「Coltは、グローバルなコネクティビティ(接続性)を簡単に調達できる窓口になりたいと考えており、すでに380社以上のEthernet/IPアクセスパートナーと提携している。これまで、グローバルに多拠点展開する企業は、各国の通信会社と個別に価格交渉やオーダーを行わなければならなかった。NaaSを通じてこれを自動化し、瞬時にオーダーが終わるようにしていきたい」(コペン氏)

各国のパートナー通信会社との“NaaS間連携”も進めていく方針だ

ファイバー網を補完する低軌道衛星通信の提供も開始

 もうひとつの技術トピックとして取り上げたのが、低軌道衛星を使った低遅延のアクセス回線サービスだ。

 Coltでは、すでに日本やAPAC諸国でも、インターネットアクセス回線サービスとして提供を始めている。近い将来には、SD-WANのアンダーレイネットワークとしても利用可能になるという。このサービスは、サイト設置からサイトサーベイ、アンテナ設置、運用サービス、メンテナンスまでを含むマネージドサービスとして提供される。

 この低軌道衛星回線は、光ファイバーネットワークの補完的な役割を果たす。たとえばファイバー敷設が困難な地域での利用のほか、バックアップ回線としての利用、さらには時間のかかるファイバー敷設までの“つなぎ”としての利用などが想定されているという。

 コペン氏によると、現在このサービスでは、通信インフラとしてSpaceXの「Starlink」衛星を利用している。ただし、そのほかの低軌道衛星通信プロバイダー(たとえばAmazonやEutelsatなど)の整備が進めば、それらを利用することもできるとした。

低軌道衛星(LEOサテライト)アクセス回線サービスの概要

 そのほかにもコペン氏は、今後注力するポイントとして「日本のキャリアとの相互接続拡大」「クラウドのハイパースケーラーとの進化」といったキーワードも挙げた。ハイパースケーラーとの接続ポイントはグローバルで275カ所を数えるようになっており、今後も接続を強化していくとした。

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集計期間:
2026年08月19日~2026年08月25日
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