およそ2兆円規模の大型買収が完了、Aruba+Juniperは「HPE Networking」として統合
HPEのJuniper買収、1年半越しで完了 「AIネイティブなネットワーキング」目指す
2025年07月03日 16時08分更新
Hewlett Packard Enterprise(HPE)は2025年7月2日、Juniper Networksの買収完了を発表した。両社は2024年1月に買収合意を発表しており、そこから1年半越しの取引完了となった。
同日に行われたオンライン記者会見で、HPEのCEO、アントニオ・ネリ氏は「ネットワーキング、ハイブリッドクラウド、AIの融合により定義される『新しいITの時代』の幕開け」になると宣言した。
HPEのネリCEO「HPEの新たな、エキサイティングな章の始まりだ」
140億ドル(およそ2兆円)の大型案件であるHPEのJuniper買収は、当初の予定では2024年末~2025年初頭の取引完了が見込まれていた。しかしこの間、Juniper株主による承認、英国規制当局の調査、そして最後には独占禁止法に関する米司法省(DoJ)との折衝と和解という動きがあり、結局は予定より7カ月遅れの、1年半越しでの買収完了となった。
完了に至る“最後の関門”となったDoJでは、(1)HPE Aruba Networkingの中小規模向けネットワーク製品ブランド「Instant On」の売却、(2)Juniperのネットワーク運用自動化/AIOps技術「Mist AI」の他社へのライセンス、という2つの条件を課し、HPEがそれを承諾するかたちで和解した。この和解は6月28日に発表された。
HPEにとっては待望の買収完了と言えるだろう。記者会見において、CEOのネリ氏は「HPEの新たな、エキサイティングなチャプター(章)の始まりだ」と、この買収を高く評価。「(HPE Networkingに)Juniperが加わることで、モダンなネットワーキングスタックを含む、安全でクラウドネイティブなAI主導のポートフォリオが完成する。これは業界をリードするものとなる」と、強い自信を見せた。なお、HPEは今年、Hewlett Packardの分社化から10周年という節目の年を迎えている。
