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管理ツール「Aruba Central」にAIエージェント基盤を組み込み、自動化は次のステップへ

“他社を10年先行するAI実績”でHPE Arubaが狙う、ネットワークの完全自動運用

2025年07月07日 07時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 Hewlett Packard Enterprise(HPE)が、ネットワーク事業の強化に力を入れている。その基盤となっているのが、同社が2015年に買収したAruba Networks(現在はHPE Aruba Networking。以下、HPE Aruba)だ。Wi-Fiアクセスポイントからキャンパススイッチ、そして管理製品の「HPE Aruba Networking Central(以下、Aruba Central)」と幅広い技術を持っており、HPEの重要な収益源のひとつとなっている。

 HPEが6月末に米国で開催した年次イベント「HPE Discover Las Vegas 2025」では、このHPE Arubaの製品群において、とりわけ「AI」に関係するいくつもの新発表があった。将来的なネットワーク運用の「完全自動化」も視野に入れた動きだ。HPEでネットワーク分野のマーケティング責任者を務めるラリー・ルネッタ氏に、HPE Arubaを中心とした戦略を聞いた ※注

※注:HPEは2025年7月2日にJuniper Networksの買収完了を発表したが、このインタビューが行われたのはそれ以前である。Juniper統合後の情報は含まれていない点にはご留意いただきたい。

Hewlett Packard Enterprise(HPE) インテリジェントエッジ部門 マーケティング担当VPのラリー・ルネッタ(Larry Lunetta)氏

「ネットワーキングのためのAI」と「AIのためのネットワーキング」

 ルネッタ氏はまず、エンタープライズネットワーキング分野のトレンドとして「AI」を取り上げた。

 「AIには2つの観点がある。『AI for networking(ネットワーキングのためのAI)』と『Networking for AI(AIのためのネットワーキング)』だ。HPEは、この両方で戦略を進めている」

 「AI for networking」、つまりネットワークの運用支援にAIを活用するという1つめの方向性は、HPE Arubaにとっては目新しいものではない。ルネッタ氏は、同社ではこれまで10年以上にわたって、ネットワーク運用の効率性と有効性をAIで向上させてきたと述べる。その適用範囲は、ネットワークの計画から展開、トラブルシューティング、最適化までと幅広い。技術的にも、初期の機械学習からAIへ、そして生成AIへと進化を遂げている。

 HPE ArubaがAIに注目してきた理由の1つが、取り組みの早期に得られた成功体験だったという。「運用にAIを導入したことで、トラブルシューティングを75%削減できた。さらに、AIが推奨する変更を行うだけで、ネットワークのパフォーマンスを最大25%改善できることも分かった」。

 こうした実績があったため、HPE Arubaではデータサイエンスチームへの投資を続けて、新技術の探究を進めることができた。「顧客にとって有用な方法でのAI展開について、探究を進めてきた」と語る。

 そうした取り組みの成果として、今年のHPE Discoverでは、Aruba Centralに組み込まれた新たなAIネットワーク運用基盤「Agentic Mesh」が発表されている。これは、異なるタスクを実行する複数のAIエージェントをメッシュ状に連携し、オーケストレーターを介して各エージェントを協調させながら、ネットワークの自律的な運用や監視、トラブルシューティングを実現するものだ。なお、これはより大きなAIエージェント基盤「HE GreenLake Intelligence」の一部に当たる(詳細は後述する)。

Aruba Centralに組み込まれた「Agentic Mesh」の概念図(HPEコミュニティブログより引用)。異なる種類のタスクを自動処理する15以上のAIエージェントが協調的に動作して、従来よりも高度なネットワークのAIOpsを実現する狙い

 ルネッタ氏は、まさにこれが「10年以上にわたる経験の集大成」だと胸を張る。「目指していたのは、最も有益な場所、最も重要な目的にAIを適用すること。そのために、AIモデルのトレーニングと運用の両方で、ネットワークインフラからどのようなデータを取得しなければならないのかの知見を積んだ」。

 HPE Arubaの強みは「業界最大の“統合ネットワーキングデータレイク”」を持つことだと、ルネッタ氏は説明する。このデータレイクは、600万台のネットワークデバイス(アクセスポイントやスイッチ)と、そこに接続する30億台のエンドポイント(PC、モバイルデバイス、センサーなど)から収集した、1兆を超えるデータポイントで構成される。

 「断片的なデータなら他社でも収集できるが、われわれはすべてを一カ所に集め、それをAruba Centralが管理、運用している。モデルの訓練と運用に必要な、適切なデータを生成するように調整されている」

 これにより、HPEは10年ぶんの先行者利益を得ることができる、とルネッタ氏は強調する。

 「(ITベンダーは)いきなりAIエージェントから(開発を)始めることはできない。エージェンティックAIはLLMだけではなく、機能に適合するようにモデルを設計しなければならない。例えば、特定のタスクを実行するよう設計された下流のエージェントは、LLMというより機械学習モデルに近い。機械学習がどのように機能するかを理解することなくして、エージェンティックAIには到達できない」

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