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ネットワーク分野の技術革新にも期待、「HPE Discover Las Vegas 2025」レポート

「VMwareからの脱却は少しずつ進む」 HPEのネリCEOが語る、仮想化・AIインフラ・運用自動化

2025年07月01日 08時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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「HPE Discover Las Vegas 2025」会場。なお「HPE」という新しい企業ロゴは、同イベントでお披露目となった

 Hewlett Packard Enterprise(HPE)は6月26日まで、米国ラスベガスで年次イベント「HPE Discover Las Vegas 2025」を開催した。同社CEOのアントニオ・ネリ氏は、記者向けのラウンドテーブルにおいて、質問に答えるかたちで最新のビジョンや戦略などを語った。その中から注目すべきものをピックアップしてまとめる。

Hewlett Packard Enterprise(HPE)CEOのアントニオ・ネリ(Antonio Neri)氏

AIエージェントによるITオペレーションを実現、「HPE GreenLake Intelligence」

 今年のDiscoverでは、Morpheus、OpsRamp、Zetroと、近年の買収技術を組み合わせた運用スイート「HPE CloudOps Software Suite」などの発表もあったが、ラウンドテーブルでネリ氏が取り上げたのが、AIエージェントのフレームワーク「HPE GreenLake Intelligence」だ。

 ネリ氏はまず、HPE GreenLakeを「クラウド、AIのデプロイ、セキュリティを含むモダンAIの安全な土台など、顧客が望むインフラ要素を利用できるプラットフォーム」だと説明する。このプラットフォーム上に載るAIエージェントフレームワークが、GreenLake Intelligenceである。

 GreenLake Intelligenceは、MCP(Model Context Protocol)をサポートし、エージェントメッシュ技術も導入する。これにより、「ストレージ、サーバー、ネットワーキングを含む、HPEの全ポートフォリオとプラットフォームスタック全体にAIインテリジェンスを導入」し、AIエージェントを使ったITオペレーションを実現するという。

今後の技術革新分野は「ネットワーキング」と「量子」に注力

 今後の技術革新の方向性について問われたネリ氏が、「注力している一分野」として挙げたのが「ネットワーキング」だ。「ネットワーキングは、われわれの中核という点で主要な要素の1つになる」(ネリ氏)。

 HPEは、2015年のAruba Networks買収で大きな成功を収め、2024年にはJuniper Networksとの買収合意も発表している(この買収は現在、規制当局の承認待ちであり未完了)。

 具体的な新技術については、「一部のスーパーコンピューターですでに光学技術(シリコンフォトニクス技術のこと)を使用しており、今後、ほかのポートフォリオへの展開と商用化を検討している」と述べた。「だからこそ、Juniperの買収に期待している。Juniperはサービスプロバイダやクラウドで大規模なインフラを持つ。光学技術などで、われわれが新たなAIデータセンターを支援できる大きなチャンスになる」(ネリ氏)。

 一方、量子コンピューティングについては、過度な期待を退ける見解を示した。

 ネリ氏は、現在の量子コンピューターは、一部の特定形式の問題を解くのには適しているが、汎用的なものではないと指摘する。量子コンピューターが汎用的なものになるためには、「スケーラビリティ」「コスト」「製造上の制約」の課題を解決する必要がある。また、量子ビットと量子エラー訂正にもそれぞれ、課題があると述べた。

 “現実解”として注目されているのが、量子スパコンと従来型スパコンを接続し、従来型スパコンから特定のタスクだけを量子コンピューティングにオフロードして、“適材適所”で計算処理を実行するというアプローチだ。ネリ氏は、HPEはこのアプローチで先駆けていることを強調し、量子コンピューティングが従来型に置き換わるのではなく、「3~5年後には(従来型コンピューティングの)“アクセラレーター”として使われる」という予想を述べた。

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