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みやさとけいすけの工具探検隊 第89回

風が服の下を抜ける感覚が気持ちいいんですが!

BEAMSプロデュースの涼しい「空調服」が欲しい

2025年06月23日 07時30分更新

文● 宮里圭介 編集●こーのス/ASCII

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●裾や袖、首に涼しくするための細かな工夫

 「空調服」が威力を発揮するには、ウェアと肌の間に隙間を作り、風を流す必要があります。この隙間を作るには、ファンの風量を空気の逃げる量より大きくし、ウェアを膨らませるのが近道です。実際、ファンをオンにすると、ウェアが膨らみます。

(写真左)ファンをオフにした状態。ウェアが大き目なのでわかりにくいですが、膨らんでいません。(写真右)こちらがファンをオンにしたとき。とくに腹から胸にかけてと、腕が膨らんでいます

 とはいえ、空気の逃げ場を塞いでしまうと、パンパンに膨らむだけ。これでは、着ぐるみと同じです。この逆に、空気を逃がし過ぎてしまうとしぼんでしまい、服と肌がくっつきます。そうなると風が通らなくなり、涼しいどころか暑く感じてしまうでしょう。

 つまり、電動ファン付きウェアは、空気の逃げ口をどう作るのかが重要になります。

 服の構造上、最も空気が逃げやすいのは裾。ここから空気が逃げ出さないよう、内側に腹巻のようなスカートが作られていました。

裾がゴムで締まり、送り込まれた空気が逃げにくくなっています

 閉じ込めた空気をどこから逃がすかというと、首元袖口です。もちろん袖にはゴムが入っていますが、手首をピッチリ締めるようなものではなく、隙間が作られていました。

 また、首元は服がくっついてしまいやすい部分ですが、ここには補助の紐を用意。ウェアではなく紐が首や肩のラインに当たり、隙間ができるよう工夫されていました。

首の後ろ側に隙間を作る紐。ここから空気が逃げてくれます

 実際に「空調服」を着てファンを動かしてみるとわかりますが、首元と袖口から逃げ出す風のおかげで、かなり涼しく感じます。脇と首には太い血管が通っているので、ここを重点的に冷やすと効果が高い、というのも、首元と袖口から空気を逃がす理由なのでしょう。

 なお、作業内容によっては袖口から出る風がジャマになることもあります。そういった用途で使う場合は、ウェアの袖を外してベストスタイルで使うのがオススメです。

袖の固定はファスナーなので、用途に合わせ着脱可能です

●作業着に見えない電動ファン付きウェアが欲しい人に

 「空調服」は、その涼しさを体験すると効果に驚き、欲しくなります。一式そろえると万単位の出費になりますが、夏場の厳しい暑さの中、屋外で活動しようと考えているなら、決して高くはありません。

 ラインアップも豊富に用意されており、今回紹介したデザイン重視のカジュアルなモデル以外にも、工作用途であれば綿生地の作業着、腕を動かすことが多いなら半袖やベストタイプといったように、イロイロと選べます。

 「空調服」というと、仕事用というイメージが強いですが、とくにオススメしたいのは、アウトドア系の趣味がある人や、行列のできるイベントへの参加を考えている人です。熱中症になる可能性が高いだけに、本気で購入を考えてみてください。

●お気に入りポイント●

・風が服の下を抜ける感覚が気持ちいい

・カジュアルシーンで着られるデザイン

・袖を外せばベストタイプに

訂正とお詫び:初出時、一部表記に誤りがございましたので、訂正いたしました。(2025年6月23日21:00)

この記事を書いた人──宮里圭介

 PC系全般を扱うフリーランスライター。リムーバブルメディアの収集に凝っている。工作が好きだが、最近あまり時間が取れないのが悩み。

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