レガシーシステムやブラックボックス化したシステムの再構成をAIで支援、モダナイゼーションサービス開始
株式会社Jiteraは6月11日に、同社が提供する開発AIエージェント「Jitera」を活用し、レガシーシステムをAIで再構築するモダナイゼーションサービスの提供を開始したと発表。サポートが終了したシステムやブラックボックス化したシステムなどの再設計や再構成を、AIを活用して支援するという。
同社によると、近年、企業において、運用はしているものの保守が困難になっている「レガシーシステム」が、組織の変革やDX推進の足かせになっているケースがあるという。また、設計書の未整備のために内部構造が把握できず変更や改善が難しい状態、いわゆる「ブラックボックス化」も課題になっているとのこと。加えて、古い技術で構築されたシステムに対応できる人材が減り、対応できる人が限られてしまう「知見の属人化」も進んでいるそうだ。
モダナイゼーションサービスは、こうした「使い続けるしかない」状態に陥っている老朽化・非効率化したシステムを対象に、AIによる段階的な再設計と再構築を支援するというもの。設計書の書き起こし(リバースエンジニアリング)からクラウド移行(リホスト)、新言語・フレームワークへの書き換え(リライト)までを支援し、システムへの再生を図る。これにより、長期運用に耐え得る持続可能なシステム環境の構築と、業務効率・技術的競争力の向上を実現するとしている。
同サービスでは以下の3つのステップを中心に、現状のシステムを段階的に刷新していくという。これにより、ブラックボックス化の解消、UX改善、運用コストの最適化、技術的負債の軽減を実現するとのこと。
ステップ
1.設計書の書き起こし(リバースエンジニアリング):ソースコードや操作ログなどを解析し、設計情報を再構築
2.クラウド環境への移行(リホスト):オンプレミス環境からAWSなどのクラウドへ安全に移行
3.モダン技術への書き換え(リライト):保守性と拡張性の高い最新技術スタックへ移行
見込まれる効果としては、長期運用への対応やメンテナンス性の向上、UI/UXの刷新によるユーザビリティ向上などが挙げられている。
同社の開発AIエージェント「Jitera」を用いてソースコードを分析し、API定義や画面項目定義などの設計ドキュメントを高速で自動生成。AIエージェントとの対話を通じ、システム固有の設計情報の抽出も可能とのこと。また、生成された設計書をもとに、指定したプログラミング言語・フレームワークでAIがソースコードを実装し、そのコードを開発者がレビュー・加筆することで、品質向上と開発スピード向上を図るという。また、プロジェクトには専任のPMに加え、PMOおよびテクニカルアーキテクトが伴走し、モニタリングやレポーティングなどを通じて透明性の高い進行を実行。業務効率改善やCV率の向上など、システムの目的に合わせたUI/UXを再設計し、事業成長を支援するとしている。


























