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“ノーコード&ローコード”がビジネスの現場をデジタルに変える 第4回

AIの導入も進み、現場部門のアプリ開発がますます加速

業務改善と自動化を推進する定番ノーコード・ローコード3選

2025年05月28日 09時00分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII

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 ITスキルに自信のないユーザーでも業務改善に役立つアプリを簡単に作れる「ノーコード・ローコード」。AIの導入も進み、データ分析や開発をますます効率的に行なえる。ここでは幅広い業務のシステム化に寄与する定番ノーコード・ローコードを3つ紹介する。

中小企業の業務改善をリードする国産クラウド「kintone」

 今やサイボウズの代名詞的な存在となった国産ノーコード・ローコード。業務アプリを手軽に作れる「ファストシステム」として2011年11月にサービスが開始され、中小企業の業務改善プラットフォームとして高い認知度を誇る。低廉な価格、豊富なサードパーティ製品、教育プログラムやユーザーコミュニティの充実なども魅力となっており、現在の契約企業数は3万8000社を超える。

 kintoneはワークフロー、コミュニケーション、データベースが統合されたクラウドサービス。Webブラウザ上からドラッグ&ドロップでパーツを配置し、ユーザーインターフェイスを設計できる。標準で提供されない機能やデータ連携などはサードパーティのプラグインを組み合わせて実現。テンプレートを用いたノーコードでの開発に加え、JavaScriptを用いたカスタマイズも可能になっている。

 従来は中小企業の非IT部門での導入がほとんどだったが、現在はエンタープライズや自治体の導入も増えている。AIに関しては、サードパーティが先行していたが、サイボウズ自身も「kintone AIラボ」を開始。データ分析やアプリ開発においてAIを活用した機能を提供し始めている。

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AI駆動型開発ツールに進化した「Microsoft Power Apps」

 Microsoft Power Appsは、Webブラウザベースのローコード開発ツール。データ分析用の「Power BI」、自動化を可能にする「Power Automate」、Webサイトの開発を行なえる「Power Pages」とともに、マイクロソフトのローコード製品群「Microsoft Power Platform」の1製品という位置づけとなる。

 2016年に登場した当初は、パーツをドラッグ&ドロップで配置してユーザーインターフェイスを設計したり、データソースを指定して表示させるといった汎用的なノーコード・ローコードツールだったが、今ではAIを大胆に取り込んだ駆動型開発ツールに生まれ変わっている。 最新のPower Appsでは自然言語を利用してテーブルを作成したり、AIの提案を利用してコントロールを選択したり、画像やFigmaファイルからアプリを生成するといったAIを利用したアプリ開発が可能になっている。

 また、Copilotを利用してデータ分析したり、入力の手間を省いたり、さまざまなAIモデルをアプリに取り込んだアプリの開発も行なえる。AIエージェントの開発を可能にする「Microsoft Copilot Studio」とともに、ノーコード・ローコードからAI駆動型開発へという流れをリードする先駆者として、今も進化を続けている。

元祖ノーコード・ローコード 今なお進化を続ける「Claris FileMaker」

 Appleの100%子会社Claris International Inc.が提供するノーコード・ローコード。初代のリリースはなんと1985年で、40年もの長い間に渡ってノーコード・ローコードの価値を追求してきた。この間、Webやモバイル、クラウドなど最新のテクノロジーを貪欲に取り込み、今なお進化を続けている。

 FileMakerは、ユーザーインターフェイス、ビジネスロジック、データベースの3つのレイヤーで、ノーコード・ローコード開発を実現する。ユーザーインターフェイスのパーツやビジネスロジックでの処理などがパーツ化されており、それらを組み合わせることでアプリを構築できる。一方で、関数を使った計算式も利用でき、通常のノーコード・ローコードでは実現できないシステムも開発できる強みがある。

 オンプレミス版が提供されているのも大きな特徴。基幹システムや自治体のネットワーク内など、クラウドに置けないシステムでの利用も可能。AI機能も強化されており、開発支援やデータ分析などに利用できる機能もリリースされている。

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