“事前構築済みエージェント”提供などで、AIエージェント本番適用時の課題を解消するアプローチ
IBM「企業業務の25%は“完全自動化”できる」 AIエージェント戦略と新製品を紹介
2025年05月26日 12時15分更新
「人が中心となって行う業務をAIが補助、支援する“+AI”の世界から、業務全体をエンドトゥエンドでAIに任せ、人がそれを監督する“AI+”の世界へと変わっていく。2025年は、これ(AI+)を本番適用していく年になる」「IBMとしては、企業業務全体の25%程度は“完全自動化”できるものと考えている」(日本IBM 鳥井卓氏)
日本IBMは2025年5月20日、企業のAI導入を加速するソリューション群に関する説明会を開催した。業務への“本番適用”を前提として、導入コストや開発期間、既存の業務プロセスやシステムとの統合といった課題を解消するソリューションを提供していく方針を強調した。

日本IBM IBMフェロー 執行役員 コンサルティング事業本部 CTOの二上哲也氏、同社 コンサルティング事業本部 AIエージェント事業 事業部長の鳥井卓氏、同社 テクノロジー事業本部 Data and AI エバンジェリストの田中孝氏
Think 2025:エンタープライズAIは「本番適用」段階へ
説明会ではまず、IBMフェローでコンサルティング事業本部CTOを務める二上哲也氏が、5月上旬に米国で開催された年次イベント「Think 2025」での主な発表の概要を紹介した。
二上氏によると、IBM 会長兼CEOのアービンド・クリシュナ氏による基調講演で強調されたのは、本番適用段階に入ったエンタープライズAIにおいては、「価値の最大化」や「ROI向上」を図ることで「ビジネス成長を実現すること」が重要だとするメッセージだった。
こうした考えのもと、今回のThinkでは、エンタープライズAIの本番適用を加速させる幅広いソリューションが発表されている。
中でも注目されるのが「AIエージェント」関連の発表だ。顧客企業の期待も大きく、IBMによる最新のCEO調査では、60%が「AIエージェントを積極的に採用し、大規模に導入する準備ができている」と回答している。
二上氏も、AI導入の価値最大化、ROI向上を実現するために、IBMでは「AIエージェントの導入を容易なものにしていく」方針だと説明する。Think 2025では、後述する「IBM watsonx.orchestrate」のAIエージェント向け機能拡張が発表された。
そのほかのAI関連発表としては、オープンソースLLM「Granite 4.0」のリリース、買収製品を統合したハイブリッドiPaaS「IBM webMethods Hybrid Integration」、AI機能を搭載したメインフレーム「IBM LinuxONE Emperor 5」などがある。
