見た目が似ているウイスキー、オリーブ油、キャノーラ油をどう見分ける? AVerMediaのハイテクがすごかった
2025年05月24日 09時00分更新
AVerMediaは、台湾・台北で開催中のCOMPUTEX TAIPEI 2025に出展。AVerMediaといえば、ビデオキャプチャーボードや配信用のマイクといったコンシューマー向け製品のイメージが強いが、今年はその分野は控えめの展示。かわりに大きくアピールしていたのが、AIを使った映像認識などに活用するビジネス向けの「AWL Box」で、ブースにて活用例などのデモが行なわれていた。
クアルコムのプロセッサー「QCS6490」を搭載した「QL601」を使ったデモでは、リアルタイムのデバイス内顔認識を披露。PoEカメラからの映像をもとに、ユーザーの顔から年齢、性別、ユーザーがカメラを見ている時間を検出可能。顧客が店舗内で特定の製品の近くにどれだけ長く滞在したか、といった行動を追跡できるとのこと。
エッジ側で性別と年齢を完全に検出するため、クラウドインフラへの依存が不要となり、遅延が重要でプライバシーを重視するアプリケーションに最適といえる。
また別のデモでは、通常のカメラとは異なるLiving OpticsのHSIカメラ(ハイパースペクトルイメージングカメラ)を使用。この技術の能力を示すために、ウイスキー、オリーブオイル、そしてキャノーラ油と見た目が似ている3種類の液体を使って、識別デモが行なわれていた。
これらの液体は、一般的な画像認識ソリューションモデルでは色や形状が非常に似ているため、区別することが困難。しかし、HSIカメラに加えて、NVIDIA Jetson AGX Orinを搭載した「D315AOB」を用いることで、通常では捉えられない詳細な情報が得られることが示された。
また、別のデモンストレーションでは、AVerMediaのハードウェア上にLLM(大規模言語モデル)AIソフトウェアが実装されている様子が披露された。展示されたAWL Boxは「D115SOXB」でJetson Orin NXをスーパーモードで実行。このハードウェア上で、LLMの1つであるLlama 3.1が動作しているという。
AVerMediaがエッジAIおよび組み込みシステム分野で、幅広いハードウェア製品、パートナーとの連携によるソフトウェアソリューション、そして高い技術力とサポート体制を基盤に、さまざまな産業分野におけるイノベーションとビジネスのブレークスルーを目指していることが垣間見られた展示内容だった。

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