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コードも行動も「バイブス」の時代? 情報オーバードーズに疲れて人が行き着く先

2025年05月11日 23時00分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII

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当日、ふらっと行った千葉県の流山

 GWは流山や我孫子、古河といった今まで訪れたことのない関東近郊の街歩きを楽しんだ。ただ、なぜ流山か、なぜ我孫子か?と言われると、ちょっと困る。今回の小旅行は当日なんとなく決めたからだ。ネットですべてが分かってしまう気になるこの時代、行き当たりばったりの旅は実に楽しかった。

 そんなGW旅の余韻を受けて、先日ちょうど読んだのが万博に関する岸田奈美さんのnote(絶対損したくない万博に疲れすぎて、すべてを諦めてからが始まりだった(万博走り書き①))だった。情強として臨んだのに、万博に歯が立たなかったという秀逸すぎるこのブログを読んで、効率よく回るために緻密に下調べしようとしていた自分をちょっと恥じた。あらゆる場面で行動の理由や説明を脊髄反射的に考えてしまう習性を考え直そうと思った。そう、この情報過剰摂取の時代、旅も、イベントも、コーディングも、人間はバイブスでOKなのだ。

 GMOペパボが今年始めたのが、新入エンジニア向けのバイブコーティングの導入(関連記事:目指せ1日1万行のコード生成 GMOペパボは新卒研修から「Vibe Coding」を教える)。チルなBGMとお酒をお供に、AIと対話しながら雰囲気でコードを仕上げるのが、今後は当たり前になるのか。でも、上司、同僚、家族、SNS、AIからのあらゆる「なぜ」に対して、「いやあ、バイブスですよ」と答えられる社会は、けっこう楽しいかもしれない。

文:大谷イビサ

ASCII.jpのクラウド・IT担当で、TECH.ASCII.jpの編集長。「インターネットASCII」や「アスキーNT」「NETWORK magazine」などの編集を担当し、2011年から現職。「ITだってエンタテインメント」をキーワードに、楽しく、ユーザー目線に立った情報発信を心がけている。2017年からは「ASCII TeamLeaders」を立ち上げ、SaaSの活用と働き方の理想像を追い続けている。

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