帝国データバンクは、2025年4月23日、2024年度の「ソフトウェア業」の倒産動向を発表した。
2024年度(2024年4月から2025年3月)に発生した「ソフトウェア業」の倒産件数は220件に達し、前年度の154件から1.4倍に増加した。過去10年間で初めて200件を超え、3年連続で増加する結果になったという。特に、従業員数が「10人未満」の企業が全体の8割以上を占めており、小規模事業者の淘汰が進んでいる状況だ。
現在、ソフトウェア業では、深刻なシステムエンジニア(SE)不足に陥っている。帝国データバンクの調査では、「情報サービス業」で正社員の人手不足を感じている企業の割合は2025年3月時点で72.2%に達し、全業種でトップだったという。
さらに人手不足は人件費の高騰と人材獲得競争の激化を招き、賃上げ機運に追いつけない中小・小規模事業者に逆風が吹いている状況だ。「毎月勤労統計調査」によると、「情報サービス業」における月の所定内給与(所定外給与・特別給与は含まない)は2024年平均で37万4377円となり、全業種平均の26万2325円を大きく上回る。そして、大企業では高度なスキルを有するデジタル人材に対して、高額な報酬を提示する事例が増加している。
帝国データバンクは、「業界全体は好調であるものの、今後も深刻なSE不足や人件費高騰を背景に、人材の採用・育成が進まない企業では厳しい局面が続くとみられる」とコメントする。
