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PDGの日本初進出は総容量96MWの「TY1キャンパス」、AI対応DCとして市場の牽引役を目指す

ラックあたり140kVA! AI/ハイパースケーラー向けデータセンターがさいたま市にオープン

2025年04月24日 11時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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高い給電容量/水冷対応の“AI Readyデータセンター”

 PDGでは3年ほど前から、ラックあたりの給電容量/収容密度が高い“AI Readyデータセンター”を、ムンバイ(インド)やジョホール(マレーシア)に開設してきた。今回のTY1もその流れをくみ、「1ラックあたり最大140kVA」という非常に高い給電容量を提供する。この発熱量の大きいサーバーラックでは、冷却方式として水冷(液冷)方式が採用される。

 日本法人のマネージングディレクターである髙橋善長氏は、日本では本格的に水冷方式を採用するデータセンターはまだ少なく、水冷技術を本格導入した“フロントランナー”としてアピールしたいと語る。

 なお、AI/GPUサーバー以外の汎用クラウドサーバーは空冷方式でまかなうが、そこでも「ラックあたり10~20kVA」という、従来のデータセンター(8~12kVA程度)と比べて高密度の集積を可能にする設計が行われているという。

 髙橋氏は、ハイパースケーラー顧客が抱える課題として、「都市近郊での土地の取得が困難になっていること」「ITロードが大容量化しているため、電力供給がボトルネックであること」を挙げる。埼玉県は、こうした課題を解決できる余力を持つという。

 「PDGが埼玉を選んだ一番の要因は、電力への優れたアクセスと多様性だ。われわれはマーケットの伸びをしっかりと捉えながら、このTY1キャンパスにとどまらず積極的に開発を進めていく方針だが、そのために電力の供給力、さらに東京都心とのコネクティビティ(接続性)の高さといった点は、優位性を持つと考えている」(髙橋氏)

地域コミュニティとの協調にも配慮、IT人材育成支援も検討中

 PDG TY1キャンパスは、自動車部品メーカーのマレリ(旧カルソニックカンセイ)の工場跡地に建設されており、広い敷地や特別高圧送電網は、過去からの“遺産”を引き継ぐかたちとなっている。その一方で、周辺には住宅地も広がっており、地域社会と協調していく姿勢が不可欠だ。

PDG TY1キャンパス(1号棟)の空撮写真。近隣にはマンションや住宅、公園もある

 髙橋氏は、データセンター建設への投資を行うだけにとどまらず、「周辺の経済効果、地域経済の成長にも貢献できればと考えている」と述べた。具体的には、ITスキル人材に対する雇用機会の創出、さらにはIT人材の育成といった取り組みを検討しているという。

 「実際にさいたま市さんとお話をさせていただいており、PDG JapanとしてIT人材の育成、地元の学生の皆さんに当社のエンジニアからナレッジを共有する機会を持ちたいと、検討を進めているところだ」(髙橋氏)

地域社会との交流を深める目的で、外壁へのペインティングイベントも開催

周囲を歩いてみたところ、ペインティングだけでなく地域NPOによる花壇も見られた

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