終了フレームを指定する
FramePackで動画を生成すると、開始フレーム(1枚目の画像)を表示した後どう動くかは完全にAIに委ねられており、「特定の動きをさせたい」という場合に制御が難しいという問題がある。
これに対処するため、多くの動画生成AIサービスでは「開始フレーム」と「終了フレーム」の2枚を指定する手法が採用されている。例えば「笑ってない人」から「笑っている人」へ、といった指定をすると、AIが自然に表情が変化するよう中間フレームを生成するという仕組みだ。
しかし現時点のFramePack公式版(イリヤスフィール版)はこの終了フレーム指定に対応していない。ここで役立つのがNirvash氏によるフォーク版だ。フォーク版とは元のプログラムのコードを複製し、機能追加や改良を加えた派生バージョンのこと。オープンソースソフトウェアの特徴的な発展形態で、誰でも元のコードを基に独自の改良版を作れる。
Nirvash版は公式GitHubリポジトリを基に「終了フレーム指定機能」を実験的に追加したもので、GitHubでは「nirvash/FramePack」として公開されている。同リポジトリからコードを入手しセットアップすれば、開始と終了の2枚の画像を指定し、その間を自然につなぐ動画生成が可能になる。
ただし、4月21日現在インストーラーは用意されていないので公式版をコピーしてgitで差し替えるなど、セットアップには少し知識が必要だ。下記を参考に、わからなければLLMにしつこく質問すればいいだろう。
UIは「Final Frame(終了フレーム)」を配置する欄が増えている以外はオリジナルとほぼ変わらない。開始・終了フレームを指定して試してみよう。プロンプトは下記だ。
プロンプト:smiling girl zoom up smooth
開始フレームと終了フレームがきれいにモーフィングする結果を期待していたがうまくいかなかった。両フレームの画像が違いすぎるのか、それともプロンプトの問題か。
Framepack pic.twitter.com/3YB8EcwqJ3
— kazuhiro taguchi (@tagkaz) April 21, 2025
そこで今度は同じモチーフを違う向きから描画した2枚の画像を使って生成させてみた。
画像の作成にはChatGPT 4oの新しい画像生成機能を利用した。
うーん、うまくいかない。変更する角度が大きすぎるのか、プロンプトにもっと詳細に動きを記述すべきなのか。
Framepack pic.twitter.com/N0JgazJ8uE
— kazuhiro taguchi (@tagkaz) April 21, 2025
そこで今度は再び人物で挑戦。
こちらはGoogle AI Studio経由で「Gemini 2.0 Flash (ImageGeneration) Experimental」を使用して作成。アスペクト比を維持するのがなかなか難しい。
おお、比較的うまくできたのではないだろうか。
Framepack pic.twitter.com/9OoAdsYbJX
— kazuhiro taguchi (@tagkaz) April 21, 2025
なお、このバージョンは開始・終了フレームの他に複数の中間キーフレームも指定できるので、ControlNetなどを使って 細かく動きを制御することも可能だろう。すでにXではかなり複雑な動きを実現した作例が多数見られる。

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