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とんでもない動画生成AI「FramePack」がMacにフォーク──叡智の彼我、マカー勢にも着弾

2025年04月29日 18時30分更新

文● ムラリン/編集 ASCII

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 動画生成AI界隈の話題泥棒「FramePack」に、ついにMac向けフォーク版が着弾。GitHubユーザー brandon929氏が公開したリポジトリはタイトル通り“for macOS and Apple Silicon”。READMEには「M1/M2は--fp32を付けろ」とだけ書かれた硬派仕様だが、これでCUDA亡者しか遊べなかった沼にM系チップ勢がダイブ可能となった。

 早速Redditの検証スレで早耳ユーザーがM3 Ultra(192GBユニファイドメモリー)で回したところ、1フレーム2.5分前後(≈0.4 fps)と二度見必至の数値。RTX4090の素生成が1.5s/フレームなのでケタ違いに遅いが、Xでも「FramePackがMacで回った瞬間、魔法少女になれた気分」とテンション高めの投稿が散見され、マカー勢が“生成系鎖国”の開国を祝う祝賀ムードも醸成。今のところ「そもそもMacBook1台でローカル生成できるだけで勝ち」という評価が優勢で、数字は地味でもCUDA縛りで門前払いだったマカー勢にとっては十分な踏み台となっているようだ。​

 さて、本派が如何にCUDAの呪縛を断ち切ったかが気になるところだが、Metal/MPSバックエンドに対応し、CUDA依存を排除して、VRAM代わりにユニファイドメモリーを叩いているのかと思いきやREADMEでは明示されず。Redditコメントに「metal PRが入った」との言及のみが確認でき、現状 “PyTorch MPS を使えば動く” レベルで、Metalへの専用最適化ではない模様。

 とはいえ動くには動く。残る課題は計算速度。RTX4090比で約×10〜×15の鈍足ゆえに長尺制作には忍耐必須。加えて、bfloat16サポートが不安定ゆえfp32強制なのでメモリー食いは覚悟する必要がある。

 ともあれ「MacBook1台でローカル動画生成」という魔法の扉が開いたインパクトは大。Mac勢は従来ComfyUI+Stable Video当たりを遠回りしていたが、FramePack Macフォークにより“単一画像→1分動画”をワンコマンドで完走することも可能になった。現実的なのは、環境を整えたら就寝前のひと時をプロンプトとキーフレームの仕込みに捧げる運用だろうか。これなら、愛機の夜間通電を代償に、目覚めと共に動く神話を目にすることができるだろう。

 余談だが筆者もにわかのマカーながらM4 Air(10コア・24GBメモリー)で参戦。前回お伝えした叡智版のレポートで、これのどこが叡智なのかとのお叱りにも似た激励を複数いただいたようなので、今回は脱衣動画にチャレンジしたところ、背景破綻なくしっかり脱帽する虎娘の生成に成功(トップ画像参照)。脱帽はまったく問題できることを確認。ちなみに所要時間は1秒動画の生成で約60分強。Windows版のようにインストーラーなどが用意されているわけではないので、導入を試みたいマカー諸兄は、ChatGPTなどを傍らに侍らせ、リポジトリURLを投げたうえで、「FramePackを導入したいのだけど」と相談しながら進めてみるとよいだろう。幸運を祈る。

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