このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

データセンターは「迷惑な施設」なのか? 日野市の反対運動が意味すること

2025年04月22日 08時00分更新

文● 貝塚/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

東京都日野市で、大規模データセンターの建設計画に対して、住民による反対運動が起きている(※写真はイメージ)

住宅地に巨大データセンター計画

 AIやクラウドがもたらす便利さ。その裏側を支える巨大データセンターが、私たちの住まいの隣に建つとしたら──。

 東京都日野市で進められている不動産会社による大規模データセンター建設計画が、地域住民の反発を招いていると、複数のメディアが報じている。

 従来は都市の外縁や郊外にひっそりと立っていたITインフラが、「住宅地の隣」に建つ時代になった。クラウドやAIを支える裏方としてのデータセンターが“表に出た”いま、その社会的な責任が改めて問われている。

 そして都市部でのITインフラ整備が加速するなか、同様の課題は、全国各地で現実味を帯びつつある。

巨大な建造物と住宅地の軋轢

 建築が計画されているデータセンターは、3棟中2棟が高さ72×幅91×奥行き150メートルという大規模なもの。日野市の新町、日野台、多摩平などにまたがる日野自動車の工場跡地に、エリアを囲い込むように設計されている。

 2025年現在、市内で最も高い建築物は高層マンション(高さ40メートル台)であり、70メートルを超える建造物の建築は、同市として初めての事例になる。それもあって、「日照や景観が損なわれる」という声が住民から上がっている模様だ。

 一方で、「地域経済の活性化につながる可能性もある」として、中立的な立場を取る声もあるという。意見が交錯するなか、事業者と地域の対話の行方が注目されている。

データセンターは「迷惑な施設」なのか?

 日本国内でデータセンターが都市部に立地するケースは増加しているが、それは、ITインフラの重要性が国家レベルで高まっている証左とも言える。

 データセンターがクラウドやAIを支えるためには、信頼性の高い通信ネットワークや電力網との接続が不可欠であり、これらが集積する都市部は、その要件を満たしやすい。

 さらに、都市部に近いことで、利用者に対して低い通信遅延(レイテンシー)でサービスを提供できるという利点もある。

(※写真はイメージ)

 こうした技術的・地理的な合理性に加え、現在はクラウド需要の高まりを受けて、データセンターは安定した長期収益が見込める投資対象としても注目されている。

 特に不動産開発の観点からは、タワーマンションや大型商業施設と比べてリスクが低く、堅実な開発案件と見なされる側面もあるようだ。

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

アクセスランキング

  1. 1位

    TECH

    フォーティネットの「SSL-VPN廃止」 IPsec移行と脱VPN、それぞれの注意点を総ざらい

  2. 2位

    ソフトウェア・仮想化

    「SaaSの死」の影響は感じない ― グローバル以上に好調な日本市場、ServiceNow鈴木社長が語る

  3. 3位

    ネットワーク

    ネットワークとセキュリティの統合に強み 通信事業者系ZTNA/SASEサービス3選

  4. 4位

    TECH

    「蟻の一穴」となるリモートアクセスVPNの脆弱性 ZTNA/SASEはなぜ必要か?

  5. 5位

    デジタル

    海外駐在員の負担を軽減し、ワンチームへ kintoneは言語と文化の壁を越える「翻訳の魔法」

  6. 6位

    ビジネス

    医療費5兆円抑制につながる“国産ヘルスケア基盤”構築へ SMBC×富士通×ソフトバンクが業務連携

  7. 7位

    エンタープライズ

    基盤も古いし、コードも酷い! そんなクエストにGitHub Copilotで試行錯誤しまくった「みんな」こそ最高

  8. 8位

    サーバー・ストレージ

    「30%ではなく“30倍”の生産性向上へ」 AIエージェント時代に求められるIT基盤、マイケル・デル氏が語る

  9. 9位

    ビジネス・開発

    いますぐ捨てたいITサービスは? AI推しにそろそろ飽きてません? 情シスさんのホンネを「ゆるっとナイト」で聞いた

  10. 10位

    ITトピック

    AIセキュリティで必要な6つの対策/20代の半数が「検索エンジンを使わない」/生成AIツールはエンジニアの「業務インフラ」へ、ほか

集計期間:
2026年05月19日~2026年05月25日
  • 角川アスキー総合研究所