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エージェントへの期待が高まる一方、スキル人材/ガバナンス/LLMメスなど課題は山積

やがて来る“AIエージェントの無秩序状態” 重要なのは「コントロール」― Dataiku

2025年04月10日 09時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 ユニバーサルAIプラットフォームベンダーのDataiku(データイク)が、2025年2月に発表した企業調査レポート「2025年の生成AIトレンド TOP5」。このレポートでは、生成AI活用によるビジネス変革を目指して多くの企業が投資を加速させる一方で、これからの“AIエージェント時代”に進むためには、さまざまな課題が山積していることも指摘されている。

 同レポートが「やがては“AIエージェントの無秩序状態”が来る」とも予言する中で、どのように状況を整理し、備えればよいのか。Dataiku Japanの佐藤豊氏に、Dataikuとしての見解や同社ソリューションでの対応を聞いた。

Dataiku Japanカントリーマネージャーの佐藤豊氏

2024年は「生成AIのカオス」の年だった

 佐藤氏は、2022年末から2023年の華々しい登場と期待の高まりを経て、2024年は「生成AIのカオス(混沌)」があらわになった年だったと振り返る。

 具体的に言えば、AIのビジネス活用に対する期待が高まる一方で、いざ大規模な活用段階に踏み込もうとすると「AIスキル人材の不足」が実現をはばむ。AIベンダーからは矢継ぎ早に新しいモデル(LLM)が登場し、わずか数カ月のうちに「技術の陳腐化」が進む。経営層からはAI導入に対する定量的なROI(投資対効果)が求められるが、それを明確に出せる「AI導入のフレームワーク」が確立されていない。――AI活用の取り組みを積極的に進める企業ほど、そうした課題に直面して「カオス」に飲み込まれることになった。

ほかにも、特定ベンダーのLLMへの依存によるベンダーロックインのリスク、AIリスクを恐れすぎて進化が停滞するリスクなどが、AIによる価値創出を妨げると指摘する

 企業がこのカオスから脱却するためには、企業自身がしっかりと「コントロール」できる環境を持つことが大切だと、佐藤氏は強調する。これが、Dataikuが現在考えるソリューションの方向性だという。

 「Dataikuでは、企業におけるAIの価値創出にとってまず重要なのは『コントロール』だと考えている。具体的には、AIの導入規模をスケール(拡大)できるよう組織をコントロールする、AIのベンダーロックインを防ぎ自由度を確保できるようコントロールする、生成AIやAIエージェントのリスクをプラットフォーム側でコントロールする、そういったことだ」

Dataikuでは、企業がAI活用でビジネス価値を生むためには「コントロール」が重要だと強調している

LLMの“散らかり状態”から、AIエージェントの“無秩序状態”へ

 佐藤氏は、現状で直面しているいくつかの課題を取り上げながら、Dataikuが考える解決策と製品/ソリューションを紹介した。

 たとえば、冒頭で触れたDataikuの調査レポートでは、現在のトレンドのひとつとして「LLMメス」が挙げられている。「メス(mess)」は「乱雑に散らかった状態」を表す言葉だ。

 エンタープライズ(年商10億ドル以上)を対象とした同調査によると、すでに73%の企業が、2つ以上のLLMを活用する「ハイブリッドLLM」のアプローチをとっているという。それぞれのLLMを適材適所で使いたいという理由だけでなく、新たなモデルやLLMベンダーが次々に登場してくる中で、特定のLLMに依存する(ロックインされる)のは将来的なリスクであるという、戦略的な理由もあるようだ。

すでにマルチLLMの“散らかり状態”は始まっており、今後AIエージェントがその状況を悪化させかねないと指摘(Dataiku「2025年の生成AIトレンド TOP5」レポートより)

 この状況が、2025年には「AIエージェントの無秩序状態」へとさらに悪化する――というのがDataikuの見方だ。やがて企業が多数のAIエージェント(アプリケーション)を構築し、それぞれの目的に合ったLLMやバックエンド(ベクターストアなど)との接続、さらにはAIエージェントどうしの接続が必要になってくると、「散らかった」レベルでは済まない「無秩序状態」が生まれかねない。

企業内で多数のAIエージェントが構築されると、それぞれが個別にLLMやバックエンド、他のAIエージェントと接続して「無秩序状態」になると指摘

 この状態を整理するために、プラットフォーム型の「LLMメッシュ」を構築すべきだ、というのがDataikuの提案だ。Dataikuでは、生成AIアプリケーション構築のための“生成AIデリバリープラットフォーム”を提供しているが、その中にはLLMメッシュのコンポーネントが含まれる。セルフホスト型も含むあらゆるLLM、ベクターストアとのセキュアな接続を管理する。

 佐藤氏は「LLMメッシュだけでなく、LLMのコストや安全性(AIセーフティ)、品質をしっかりコントロールするガードサービスも提供している」と説明した。こうした仕組みを備えることで、全体のガバナンスを効かせながら、AIアプリケーションやエージェントの活発な開発を促す環境が提供できる。

DataikuのAIアプリケーション/AIエージェントプラットフォーム。LLMメッシュのモジュールも組み込まれている

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