最新パーツ性能チェック 第464回

マルチフレーム生成がなくても十分？

Radeon RX 9070シリーズの仕上がりは想像以上だったことがゲームベンチでわかった

挙動が謎な部分はあるが、完成度は非常に高い

　今回の検証を通じて謎な挙動をするゲームにいくつか遭遇した。Call of Duty (Black Ops 6)でFSR 3やフレーム生成を併用した際の息切れのような挙動については前述の通りだが、その他にも「Marvel’s Spider-Man 2」や「Horizon Zero Remastered」などもRX 9070シリーズで特異的に発生する息切れ的挙動が確認できた。よって今回掲載したゲームにおいても、今後パフォーマンスが大きく改善する可能性がある

Horizon Zero Remasteredにおけるフレームタイムの例。RX 7900 XTではこのような挙動になった。1フレームごとに激しく上下しているが、この程度の振れ幅は普通である

Horizon Zero Remastered＋RX 9070 XTにおけるフレームタイム。縦軸の数値を見れば、下の方を這っているように見える部分が1つ前の画像の部分であることに気がつくだろう。今回の検証ではRX 9070シリーズにこのような挙動が出た

　ただ全般的なパフォーマンス、特にゲームにおけるフレームレートの出方については、RX 9070が1世代前の格上であるRX 7900 XTと同等以上のパフォーマンスをみせたのは素直に驚いた。

　特にレイトレーシングを含めると途端にGeForceに優勢を明け渡してしまうのがこれまでのRadeonだったが、今回のRX 9070シリーズはレイトレーシングを積極的に使ってもヘタれることが少ない。Indiana Jones and the Great Circleのようにゲーム側のハードルが高すぎる（かつGeForceへの最適化度が高い）場合は例外としても、SILENT HILL 2やBIOHAZARD RE:4といったタイトルでレイトレーシングを普通に使っていけるのは素晴らしい。

　AI系が弱い、ゲーム中のTBPが若干高い（特にRX 9070 XT）といった問題は残されているものの、前世代のRadeonに比べより洗練されたGPUになっている。今後登場する下位モデル（RX 9060）でどのような仕上がりになるのか今から楽しみでならない。

【関連サイト】

• AMD
• Radeon RX グラフィックスカード