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石川温のPCスマホニュース解説 第227回

アップル「iPhone 16e」少々高いが、AIデビューに最適

2025年02月27日 11時00分更新

文● 石川温

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MagSafe非搭載は意外と不便、UWB非対応にも注意が必要

 また、個人的にも意外と不便だと感じたのはMagSafeが搭載されていない点だ。iPhone 16eが発表されたときには「MagSafeなんて無くても困らないだろう」と思ったものだが、実際、自分の生活では就寝時、枕元に置くiPhoneはMagSafeで充電に失敗しないようにしている。また、常にMagSafe対応のウォレットをつけ、クレジットカードを持ち運んでいる。また、クルマに乗る際にはBelkinのMagSafeで貼り付く、充電台においていたりする。

iPhone 16eは「MagSafe」に対応していない

 こう考えると、意外と自分はMagSafe頼りの人生を送っていることに気がついた。

 すでにMagSafeをそれなりに使っている人は注意が必要だろう。

 また、UWB非対応なので、AirTagを使っている人は、探しものの方向がわからないので注意が必要だ。

iPhone 16eの真価は“中身”、ポンコツだったSiriが生まれ変わる

 これまでiPhone 16eの不満ばかりを述べてしまったが、iPhone 16eの真価は「中身」であることは間違いない。アップルとしてはカメラやMagSafeなど余計な部材を減らしてコスト削減する一方、肝心のチップに関してはA18という最新スペックで一切、妥協はしなかった。

アップルとしてはA18によって、Apple Intelligenceのパフォーマンスを最大限に発揮するというのが狙いなのだろう。

 残念ながらiPhone 16eにApple Intelligenceの日本語版が使えるiOS 18.4を入れることはできなかったが、代わりにiPhone 16 ProにiOS 18.4を入れたところ(開発版のため、一般のユーザーは4月の公開まで利用できない。今回、アップルの許可をもらって特別に記事化)、メールの要約や文書の作成が実にスムーズに動いた。

 特にSiriにおいては、いままでの「ポンコツ」から生まれ変わり、実に有能な秘書として動いてくれる。

 側面のボタンを長押しすると、画面の縁が虹色に輝き、Siriが起動する。あとは話しかけるだけで様々な要望に応えてくれる。

側面のボタンでSiriを呼び出せる

 基本的にApple IntelligenceはオンデバイスAIとして端末内だけで処理することを前提としているが、高度な処理やリアルタイムの情報を調べるときはChatGPTやウェブにアクセスする。

 Apple Intelligenceにより、Siriに話しかける方が調べ物もしやすく、また指で画面をタッチする回数も激減する。相変わらず、人前で話しかけるのは恥ずかしいが、それでも、Apple Intelligenceによって、iPhoneの使い方、操作体系が大きく変わる可能性がある。

 アップルとしても、iPhone 16eが登場するタイミングで、iOS 18.4の開発者版をリリースし、Apple Intelligenceの日本語対応が4月になるとアピールするのは、まさに「Apple Intelligenceを体験する上で、もっとも手軽にデビューできるiPhone」というのを訴求したいのだろう。

iPhone 16e iPhone 16 Pro
発売年 2025年 2024年
チップセット A18 A18 Pro
CPU 6コア 6コア
GPU 4コア 4コア
Neural Engine 16コア 16コア
Geekbench 6 CPU single core 3214 3471
Geekbench 6 CPU Multi core 7644 8382
Geekbench 6 GPU Metal Score 24034 33256
Geekbench AI Single Precision 4020 4553
Geekbench AI Half Precision 32621 31403
Geekbench AI Quantized Score 45765 44999

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