GeForce RTX 50シリーズまとめ 第19回

もうAFMF 2の好きにはさせない

Smooth MotionでGeForce RTX 5070 TiはRTX 4080を完全撃破!?

「Marvel Rivals」

　Marvel Rivalsでは画質を「最高」、DLSSとFSR 3は「クオリティー」に設定し、フレーム生成も有効化。RTX 5080とRTX 5070 Tiは、NVIDIA AppでDLSS MFGにオーバーライドした。訓練場で一定のコースを移動した際のフレームレートを計測。

Marvel Rivals：1920x1080ドット時のフレームレート

Marvel Rivals：2560x1440ドット時のフレームレート

Marvel Rivals：3840x2160ドット時のフレームレート

　DLSS MFGの効果はてきめんだが、4KにおけるRTX 5080とRTX 5070 Tiの差が大きい点にも注目。RTX 5080はSM数が多く、メモリークロックも高い、というGB203コアでは恵まれた仕様を備えている。そのため、高負荷な状況ではこの差が効いたということだろう。

　DLSS FGを使えば、RTX 4070 Ti SUPERでも普通に遊べるフレームレートが出ている。その事実を踏まえれば、RTX 5070 Tiを使うまでもない、という声も聞こえてきそうだ。とはいえ、DLSS MFGはかくも効果的であると理解していただきたい。

Marvel Rivals：ベンチマーク中におけるTotal Board Powerの平均値（左3つ。単位：W）、および10Wあたりのフレームレート（右3つ。単位：fps）

　TBPの傾向はこれまでの検証と同じ。Marvel RivalsではどのGPUも最大270〜290W程度のTBPでそろっており、ワットパフォーマンスの序列がわかりやすい。

「Cyberpunk 2077」

　Cyberpunk 2077では、画質を「レイトレーシング：オーバードライブ」にして、DLSSとFSR 3は「クオリティー」、フレーム生成も有効化。ゲーム内ベンチマーク再生時のフレームレートを計測した。DLSSの学習モデルはすべてTransformerに統一している。

Cyberpunk 2077：1920x1080ドット時のフレームレート

Cyberpunk 2077：2560x1440ドット時のフレームレート

Cyberpunk 2077：3840x2160ドット時のフレームレート。RTX 3070 Tiはフレームレートが低すぎて計測を断念

　フルHDであれば、RTX 5070 TiはRTX 5080の約1割落ちのポジションにいるが、解像度が上がるほど格差は拡大する。4Kでは平均フレームレートがRTX 5080の64％程度にまで落ち込んでしまう。RTX 5080のほうがSM数からメモリー帯域にいたるすべてにおいて優越しているので、RTX 5070 Tiが負けるのは当然としても、4Kで大きな差が開いたことは驚きだ。

　しかし、RTX 4080に対してはDLSS MFGのおかげで、どの解像度でもRTX 5070 Tiが2倍以上のフレームレートを出せた。DLSS MFG対応タイトルならば、SM数のハンデなど関係なく絶対的なアドバンテージを取れるといったところか。

Cyberpunk 2077：ベンチマーク中におけるTBPの平均値（単位：W）、および10Wあたりのワットパフォーマンス（単位：fps）

　TBPはこれまで見てきたゲームより高く出ているが、これはパストレーシングの処理に多くのリソースを割く必要があるためである。RTX 5080よりもRTX 5070 TiのTBPのほうがほんの少しだけ上回っているが、平均値で比較したらこうなったという話である。

「SILENT HILL 2」

　SILENT HILL 2では、画質を「最高」、レイトレーシングをオンに設定。DLSSとFSR 3は「クオリティー」、フレーム生成も有効化し、RTX 5080とRTX 5070 TiはNVIDIA AppでDLSS MFGへのオーバーライドを追加した。新ゲーム開始直後、下山〜最初のカットシーン直前までのコースを移動した際のフレームレートを計測した。

SILENT HILL 2：1920x1080ドット時のフレームレート

SILENT HILL 2：2560x1440ドット時のフレームレート

SILENT HILL 2：3840x2160ドット時のフレームレート

　RTX 5070 TiはRTX 5080に対し、4Kでも引き離されることなく食らいついている。RTX 4080を基準にすると、RTX 5070 Tiの平均フレームレートは単純に2倍。あまりフレームレートを要求するタイプのゲームではないが、4Kでも高リフレッシュレートのディスプレーの性能を使い切りたいと考えるなら、DLSS MFGが利用できるRTX 5070 Tiは良い選択となるだろう。

　WQHDまでならば、RTX 3070 TiでもFSR 3 FGを利用してゲームは楽しめる。しかし、4K＆最高画質ともなると、RTX 3070 Tiではもう厳しい。

SILENT HILL 2：ベンチマーク中におけるTBPの平均値（単位：W）、および10Wあたりのワットパフォーマンス（単位：fps）

　DLSS MFGのおかげで、RTX 5080やRTX 5070 Tiのワットパフォーマンスは従来のGPUを大きく上回った。SILENT HILL 2のレイトレーシング処理はCyberpunk 2077ほど重くはないため、TBPの出方も少しだけマイルドだ。