当初は歩留まりが平均70%程度とかなり低い数値だったが
今ではかなり歩留まりを改善できた
CSAMテストをパスしても、実際にやってみたらTSVの接合不良があった、ということは当然あり得る。特にこれが顕著なのはディジーチェーン、つまり複数のTSVにまたがるように配線がつながるケースである。
この場合、一ヵ所でもTSVの接続が不良だと全体が断線することになる。もちろん実際には接続を一ヵ所だけにするのはリスクが高いので、複数の接続箇所を利用することで、多少の接続不良があっても問題ないように配慮するのが一般的であるが、それはそれとしてテストでは実際にこうしたディジーチェーンの配線をいろいろ用意して歩留まりを確認している。
間にごみなどが入っていたりすると、Type A~Cのように見えるので問題があるとわかる。もちろんCSAMですべての欠陥が確認できるわけではないが、逆に言えばCSAMレベルでは100%の歩留まりになるくらいにしないと、量産時の歩留まりが大きく下がることになる
当初は歩留まりが平均70%程度とかなり低い数値だったが、今ではかなり歩留まりを改善できたとしている。またこの際の熱抵抗を、ほぼ半減できたとしている。
右のグラフは、ウェハー全体での歩留まりのもので、初期段階では最悪半分がアウトだったのが、今では悪くても8割は確保できているとのこと。ここまで高ければ、冗長VIAを利用することでほぼ歩留まりを100%に持っていけるだろう
耐久性としては、まずはエレクトロマイグレーション(金属中に電流が流れている時に原子が移動する現象)とストレスマイグレーション(温度を上げたときにストレスが発生し配線が断線する現象)がどちらも基準値を上回る成績を出しているとし、またパッケージの信頼性試験も問題なく通ったとしている。
エレクトロマイグレーションは連載464回などでも説明している。ストレスマイグレーションは機械的振動などによる破壊である。半導体といっても無限に使えるわけではなく次第に劣化していくのは避けられないが、少なくともこの結果を見る限り、先にトランジスタ層の方が劣化して使えなくなりそうだ
MRはMass Reflowで、3回のリフロー(半田槽の中にパッケージを突っ込んではんだ付けする作業)に耐えるというもの。TCGは温度変化、HASTは加速度試験(振動)、HTSは長期間の高温に晒した状態での信頼性をそれぞれ試験する
ただ、例えば長時間連続稼働した場合には多少電圧がずれる場合があるとしている。これはチップレット側で対応というよりもSoICプロセスの方の最適化で対応するとしている。
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

この連載の記事
-
第896回
PC
Arm自社設計「AGI CPU」の全貌、10-wideデコードと2ダイ構成で見せた優等生的な実力 -
第895回
PC
IBM ZがArmを取り込む衝撃! 次世代メインフレーム「z18(仮)」のネイティブDual-ISA戦略の狙い -
第894回
PC
AMD「Ryzen AI Embedded X100」のリアルタイムAI制御が、Jetsonの弱点であるCPU性能を突く -
第893回
PC
インテル製GPU「Crescent Island」の正体、容量480GBメモリーでエージェント型AIとKVキャッシュ問題に挑む -
第892回
PC
Hot Chipsで明かされた「Wildcat Lake」の全貌 Foverosを捨てMCPを選んだインテルの舞台裏 -
第891回
PC
謎多き次世代Xeon「Diamond Rapids」を解剖、3D Meshの進化と新命令セットAPXがもたらす変革 -
第890回
PC
Samsung「SF2P」の全貌! GAA最大の弱点であるPMOS性能低下を克服し、TSMC追撃へ準備万端 -
第889回
PC
なぜ巨大チップは歪んで壊れるのか? SK HynixのHBM4「MR-MUF」とTSMCのCoWoS-Lを襲う熱膨張の罠 -
第888回
PC
NVIDIA Rubin Ultra開発中止の真相! 180層CoWoS-Lの歪曲トラブルと、急造ラックNVL576に透ける苦肉の策 -
第887回
PC
AIなしではもはや限界 TSMCが明かすメモリー開発にAIが不可欠となった現実 -
第886回
PC
CFETの足を引っ張るPMOSを救え! imecが提案する新絶縁層と、あえて精度を緩める「Notch Alignment」の妙手 - この連載の一覧へ














