このページの本文へ

前へ 1 2 3 次へ

「Oracle Alloy」採用の3社が語る、それぞれのソブリンクラウド戦略とサービス

国産クラウド+メガクラウドの“いいとこ取り”実現 NRI/NTTデータ/富士通のソブリン戦略

2025年02月20日 08時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 2025年2月に開催された「Oracle CloudWorld Tour Tokyo(OCWT Tokyo)」では、日本の「Oracle Alloy(アロイ)」パートナーである野村総合研究所(NRI)、NTTデータ、富士通の3社がそれぞれ、Alloyを活用して展開する自社ソブリンクラウドサービスの紹介セッションを開催した。

 ターゲット顧客層や具体的なサービス内容は異なる3社だが、共通するキーワードが「いいとこ取り」だ。国産クラウドが実現するデータ主権や運用主権の保持という特徴(ソブリンティ)と、海外のメガクラウドが実現する最新テクノロジーサービスという特徴の「両方」を実現するクラウド環境を目指している。

 各社では、今年から来年にかけて、Alloyを用いた新たなクラウドサービスの提供を開始、本格化させていく計画だ。それぞれのサービスが何を実現し、日本の顧客企業にどのようなメリットをもたらすのか、3つのセッションで語られた内容をレポートする。

あらためて、「Oracle Alloy」が実現するものは何か

 各社のセッションレポートに入る前に、まずは「Oracle Alloyとは何か」をおさらいしておく。

 Alloyは、各国のパートナー(サービスプロバイダー)向けにオラクルが提供する、ソブリンクラウドサービス構築のためのソリューションである。パートナーはAlloyを活用して、多様なクラウドサービスを、自社のサービスとして顧客に提供できる。

 Alloyを構成するテクノロジーやプラットフォーム(ハードウェア/ソフトウェア)は、オラクルのパブリッククラウド「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」と同じものだ。その点は、OCIの“顧客専用リージョン”を構築できる「OCI Dedicated Region Cloud@Custome(DRCC)」とも共通している。

 それではOCI、DRCC、Alloyはどこが違うのか。その違いは「設置場所」「設計主体」「運用主体」の3点にある。オラクルでは次のように説明している。

・OCI:オラクルのデータセンターに設置、オラクルが設計、オラクルが運用
・DRCC:顧客企業のデータセンターに設置、オラクルが設計、オラクルが運用
・Alloy:パートナーのデータセンターに設置、オラクルとパートナーがカスタマイズ、パートナーが運用

OCI、DRCC、Alloyは「設置」「設計」「運用」の主体が異なる

 日本のパートナーがAlloyを国内で設置/運用することで、海外産のメガクラウドでは難しい、「データは国内にとどめたい」「パッチ適用のタイミングを個別に調整したい」「運用は国内のベンダーと人員に制限したい」といった、日本の顧客企業が求める細かな要件を満たすことができる。つまり、国産クラウドのような“強み”が実現できるわけだ。

 一方で、国産クラウドが“苦手”としてきた点も克服できる。クラウドネイティブ、AIといった、先進的なテクノロジーを取り入れたクラウドサービス、アジリティ(俊敏性)の高いクラウドサービスの提供である。

 前述したとおり、AlloyはパブリッククラウドのOCIと同じプラットフォームを採用している。そのため、OCIが提供する150種類以上のIaaS/PaaSサービスすべてを提供することができ、機能強化や新サービスの追加も、OCIと同じタイミングで行える。つまり、こちらではメガクラウドの「強み」が取り込める。

 こうした仕組みで、Alloyは国産クラウドとメガクラウドの「いいとこ取り」を実現する。海外では、ニュージーランド、タイ、イタリア、サウジアラビア、UAEなどのサービスプロバイダー(Alloyパートナー)が、各国市場で求められるソブリン要件に対応するかたちでAlloy導入を進めている。

 なお、Alloyを使って提供するクラウドサービスは、パートナー自身のサービスとして、カスタマイズしたうえで販売できる。自社ブランドでの提供だけでなく、独自の料金体系を設定したり、自社開発したクラウドサービスとの組み合わせ販売も可能だ。パートナーそれぞれが持つ「強み」を生かせる仕組みであり、以下で紹介する3社も、それぞれ独自サービスを組み合わせたソリューションを提案している。

前へ 1 2 3 次へ

カテゴリートップへ

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

アクセスランキング

  1. 1位

    ITトピック

    IT技術者の4割が「5年後のスキル陳腐化」に危機感/働くシニアは多いが「長く働きやすい」環境ではない日本/トークンコストの成果証明は難しい、ほか

  2. 2位

    データセンター

    AIデータセンターの「電力・冷却課題」打破へ シュナイダーが営業・設計・現場を直結する新組織立ち上げ

  3. 3位

    TECH

    二酸化炭素を資源に変える新触媒、新しい合金を電気で合成

  4. 4位

    デジタル

    ヤマハ、RTX1300の「ひかり電話アダプターモード」を解説する無料ウェビナーを10月15日に開催

  5. 5位

    サーバー・ストレージ

    「身代金を払えば復元できる」は過去の幻想――約束を守らない攻撃者と変容するランサムエコシステム

  6. 6位

    sponsored

    乱立する文書管理をBoxに統合へ、オークネットは基盤整備で「AIをビジネスの武器にする」

  7. 7位

    sponsored

    ルールは作ったが… 現場の「勝手にAI利用」が止まらない! どうやったら防げた?

  8. 8位

    ソフトウェア・仮想化

    Microsoft IQとは? AIエージェントが必要とする理由は? マイクロソフトの担当幹部が解説

  9. 9位

    IoT

    フィジカルAI時代を見据え、NTTドコビジがNaaS基盤を強化 数万台のIoTデバイスをセキュアに管理

  10. 10位

    デジタル

    Zscaler Internet AccessのIKEv2接続例 ヤマハRTX1300でZIA経由の冗長IPsec VPNを構築する方法

集計期間:
2026年09月22日~2026年09月28日
  • 角川アスキー総合研究所