ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第811回
Panther Lakeを2025年後半、Nova Lakeを2026年に投入 インテル CPUロードマップ
2025年02月17日 12時00分更新
Nova Lakeはやはり2026年に投入
わかっていた話であるが、「次世代クライアントファミリーであるコードネーム”Nova Lake”」が2026年に導入されるとあるので、2025年中はArrow Lakeのままか、Arrow Lakeアップデートが投入される程度に留まるのがほぼ確定した。新製品をなにも出さないとホリデーシーズン向けの製品がなくなってしまうので、Arrow Lake Refreshを投入するだろう、というのは容易に想像できる。
問題はこの構成で、Ryzen 7 9800X3DやRyzen 9 9900X/9950Xにゲーム性能で負けている状況をなんとかしないと競争力に欠けるのは明白である。といっても劇的に性能を上げるのは難しいので、考えられるのは電力モリモリにして無理やり動作周波数を引き上げるあたりだろうか?
もっともCore Ultra 9 285KはすでにPL1が125W、PL2が250Wに達しており、これ以上引き上げできる余地がどの程度あるのかはわからないが。
Clearwater Forestは2026年送りに
クライアントに続いてDCAIについて「Granite Rapidsの立ち上がりは順調。来年上半期に発売予定の当社初のIntel 18Aサーバー製品であるClearwater Forestの開発も順調に進んでいる」と、さらっとClearwater Forestが最低でも半年遅れることを明示した。
もともとはPanther Lakeとあわせて2025年後半に発表予定だったはずだが、特に説明もないままこれが2026年にずれた格好だ。理由として考えられるのは、以下のあたり。
- 当初想定以上にバリデーションに時間がかかることが予想されるため
- D1ではClearwater Forestの量産が間に合わないため
- 性能あるいは機能の点で現状の試作品ではまだ社内基準を達成できず、改良のために時間がかかるから
もちろん正解がなにかはわからない。なんにせよ、インテルは2025年は現在のGranite RapidsとSierra ForestでAMDのTurinベースEPYCと戦わなければならないことが確定した。
Falcon Shoresが消える
続いてHolthaus氏は「先月私がFalcon Shoresへの期待値を引き下げたことを多くの方々が耳にされたと思う。業界からのフィードバックに基づき、Falcon Shoresは市場に投入することなく、社内テストチップとしてのみ活用する計画とした。AIデータセンターに対応するラックスケールのシステムレベルソリューションはJaguar Shoresで行なうことになる」とした。
この「先月私がFalcon Shoresへの期待値を引き下げた」というのは、暫定共同CEOに就任した直後の12月12日に参加したBarclays 22nd Annual Global Technology Conference(インテルのウェブサイトから視聴可能)において、Holthaus氏が述べた以下の発言を指す。
「ゼロからやり直すということは、学ぶべきことがなにもないことになる。なので、私はGaudiを第一段階のようなものと考えている。Gaudiには、特にソフトウェアやプラットフォームのレベルで学ぶべき素晴らしい点が多くある。一方Gaudiでは大量のデータを扱えない。世界中のシステムに簡単に導入できるGPUではない。」
「すでにGaudiを導入している企業について考えると、世界最大のハイパースケーラーからエッジで展開している小規模な顧客までさまざまなものがある。したがってGaudiからGPU(+CPU)の第1世代であるFalcon Shoresにどう移行して行くかを真剣に考えなければならない」
「率直に言って、これは素晴らしいものにはならないだろう。しかし、プラットフォームを完成させ、そこから学び、ソフトウェアがどのように機能し、エコシステムがどう反応するのかを理解するという意味では、良い第一歩となりえる。その後は迅速に改良(とそのフィードバック)を繰り返せる」
結果、Falcon ShoresはMerced、あるいはLarrabeeと同じような運命を辿ることになった。そしてMerdedの後継であるItanium、あるいはLarrabeeの後継であるXeon Phiの運命を鑑みると、Jaguar Shoresの行方は不確定である。「二度あることは三度ある」になるのか、「三度目の正直」になるのか。後者であってほしいものである。
あとやっぱりではあるが、Falcon ShoresはGaudiの流れをまるで汲まないものであることも、Barclays 22nd Annual Global Technology Conferenceでの発言から明確になったと言える。やっぱりGaudiはワンポイントリリーフ以上のものにはなり得なかったようだ。

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