検査や工程間搬送の省人化を支援、バラ積みピッキング用ロボット「Thinker Model A」発売

　株式会社Thinkerは1月30日に、同社のロボットハンド「Think Hand F」を搭載したバラ積みピッキング用ロボット「Thinker Model A」の発売を発表した。ロボットマニュピレーションの課題とされてきたバラ積みピッキングを実用化することで工場などの自動化を推進し、省人化の実現に貢献するとしている。

　製造現場では、製品の検査や出荷準備の際に、バラ積みされた部品を人がひとつずつ手に取って作業する工程がある。こうした工程が改善・解消されない理由として、バラ積みされた物をロボットでつかむためには高価なシステムや装置・部品などを導入する必要があり、導入コストが高くなるという課題があるという。また、産業用ロボットでバラ積みピッキングを行うにあたってはカスタマイズを伴うことが多く、ロボットの選択やパーツの互換性、運用の制御などの面で専門知識が必要になるという問題もあるそうだ。

　こうした課題に対して「Thinker Model A」は、“まさぐって部品をつかむ”ことができるロボットハンドのセンシング技術「近接覚センサー」と簡易2Dカメラシステムを組み合わせることで、低コストでのバラ積みピッキングを実現。また、「近接覚センサー」の力を最大化する同社オリジナルのロボットハンド「Think Hand F」は、独自のエッジAIによって専門知識がなくても導入・運用できるようにしたという。

「Thinker Model A」によって透明素材や柔軟・脆弱な部品、たわむトレー上の部品など、従来のロボットでは対応が難しかった検査工程のほか、工程間の搬送なども素早いピッキングで自動化を促進する。これまで人力に頼らざるを得なかった少量多品種の現場の省人化に貢献するとしている。