このページの本文へ

大谷イビサのIT業界物見遊山 第100回

IOWN大注目 ユースケース先行で高まる期待

2025年01月31日 07時00分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

日本電信電話から社名変更も検討されているNTT。こちらはどの局舎でしょうか?

 NTTが総力を挙げて取り組む次世代通信基盤IOWNが、今年はいよいよ飛躍しそうだ。1970年代から光ファイバーの研究開発を進めてきたNTTは、電気から光へという通信のシフトに並々ならぬ意欲を注いできた。今回IOWNに関しては、大容量・低遅延という技術的な優位性をアピールするだけでなく、ひたすらユースケースを重ね、利用イメージを喚起し続けている。「今までのNTTとちょっと違う」と感じられる点だ。

 台湾とのリアルタイムな映像中継、レベル4の自動運転バスのインフラ構築といったビジネス利用はもちろん、遠隔地同士のデュエット、漫才、ラップバトルなど、コンシューマーにもIOWNの世界観をアピールしている。大容量が注目されがちだが、低遅延の方が技術的に拡がりがある。先日はレコ大での音声プロダクションをIOWNで支援したという事例を披露(関連記事:生放送でも違和感なし 「レコ大」で実はIOWN使っていた)。トラブルなく生放送を成功させた後、「実は使ってました!」と後出しじゃんけんするところがなかなか憎い。

 とはいえ、現時点では通信サービスIOWN APNが超高速・低遅延な専用線としてようやく離陸したに過ぎない。IOWNの本命は光での通信技術をコンピューティングにまで拡張すること。NTTが開発をリードする「光電融合デバイス」の最大の特徴は、消費電力の削減であり、生成AI時代の省エネトレンドにも合致する。多くのITベンダーが参加するIOWNグローバルフォーラムの動向も含め、2025年はIOWNに大注目。素直に日本の技術の底力に期待。「アイオン」という読み方もそろそろ覚えないと。

文:大谷イビサ

ASCII.jpのクラウド・IT担当で、TECH.ASCII.jpの編集長。「インターネットASCII」や「アスキーNT」「NETWORK magazine」などの編集を担当し、2011年から現職。「ITだってエンタテインメント」をキーワードに、楽しく、ユーザー目線に立った情報発信を心がけている。2017年からは「ASCII TeamLeaders」を立ち上げ、SaaSの活用と働き方の理想像を追い続けている。

カテゴリートップへ

この連載の記事

アクセスランキング

  1. 1位

    ITトピック

    “VMwareショック”余波、IaaSベンダー撤退も/本音は「拒否したい」時間外の業務連絡/IT部門のデータメンテ疲れの声、ほか

  2. 2位

    データセンター

    首都圏のデータセンター枯渇、電力コストの高騰、エンジニア不足 課題から考える最新データセンター選び

  3. 3位

    デジタル

    なぜ大企業でkintoneの導入が増えているのか? DX推進と「脱・属人化」を実現するエンプラパートナーに聞いた

  4. 4位

    TECH

    【提言】「VPNの安全性」が通用しない時代 ZTNAへの困難な移行を経営層はサポートせよ

  5. 5位

    TECH

    自律的に動けないメンバーを持つくらいなら、一人で全部やったほうが幸せに働ける「管理職の憂鬱」に関する調査

  6. 6位

    TECH

    IT人材の約半数が「静かな退職」 正当に評価されないし心身の健康を優先

  7. 7位

    デジタル

    地方テレビ局が生成AIで記事作成を爆速に でもその裏で“10倍増えた”業務とは?

  8. 8位

    ビジネス

    トヨタ自動車はBacklogのAIアシスタントをこう使っている “現場の知見”を貯めるAI用データベースに

  9. 9位

    ビジネス・開発

    “保守地獄”からSEを解放する 富士通がソフトウェア改修の全工程をマルチエージェントで自動化

  10. 10位

    ビジネス

    行政DXを超え、デジタルで市民の力を引き出す“地域社会DX”へ 兵庫県豊岡市の挑戦

集計期間:
2026年02月24日~2026年03月02日
  • 角川アスキー総合研究所