このページの本文へ

NTT Comらが実証実験 スムーズな住民避難につなげる

浸水被害の4割を占める“内水氾濫” AIで用水路の水位変動予測に成功

2025年04月16日 07時00分更新

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 水路の排水能力を超える局地的な大雨によって、浸水被害が引き起こされる「内水氾濫(ないすいはんらん)」。国内で2008年から2017年に発生した浸水被害のうち、内水氾濫による被害額は41%、浸水棟数は68%に上り(国土交通省の水害統計調査より)、喫緊の対策が求められている。

 そのような中、NTTコムウェアとNTTコミュニケーションズ(NTT Com)は、2025年4月9日、内水氾濫対策の一環として、農業用水路などの小規模水路を対象としたAIによる水位予測の実証実験に成功したと発表した。茨城県取手市の双葉地区で実施された

 小規模水路の水位は、排水機の性能のような人為的要因、水田の湛水状況(たんすい、どの程度水をたたえているか)などの環境要因の影響を受けやすく、予測が難しいとされてきた。茨城県取手市双葉地区で実施された今回の実証実験では、過去に取得した水位データや人為的要因、環境要因などを学習させた「小規模水路の水位予測に特化したAIモデル」を構築、その実用性を検証している。

 なお、小規模水路は水位が急激に上昇する点や、避難計画策定の意思決定に活用できるよう、実験では5分間隔で3時間先までの水位を予測した。AIモデル自体は、避難指示発令のリードタイムを確保する観点から、6時間先までを予測できるよう開発されている。

 実験の結果、AIモデルが予測した水位は、現実の水位変動(実績水位)の動向を概ね捉えており、AIモデルの予測が有効であることが確認できたという。また、排水機を稼働させて人為的要因を加えた実験でも、同様に実績水位の変動傾向を捉えている。

実証実験における予測水位(破線)と実績水位(実線)

 両社は今回の実証結果も踏まえて、水位予測を行うソリューションの提供について検討を開始するとしている。

■関連サイト

カテゴリートップへ

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

アクセスランキング

  1. 1位

    デジタル

    「そんなことも知らんで、介護やってるんですか?」 救急隊員の一言からkintone×AIの組織変革が始まった

  2. 2位

    TECH

    Claude CodeのPlan modeをやめてみる ~grill-meスキルで一歩ずつ設計を固め、アプリを作る~

  3. 3位

    ネットワーク

    「手のひらネットワーク機器」第4弾が登場、テーマは“ShowNetを手のひらに”! こだわりの両面マウントや高密度ポートも 6月11日発売

  4. 4位

    TECH

    Obsidianで構築したエンジニアの「第二の脳」― 個人ナレッジベース構築のすべて

  5. 5位

    TECH

    出自で決まる「SASE」の最適解 主要外資ベンダー5社のコンセプトと強み

  6. 6位

    TECH

    FortiGateの圧倒的シェアをサプライチェーン防御に生かす フォーティネット 2026年度事業戦略

  7. 7位

    デジタル

    ブラックスケルトンモデルも登場!ヤマハ初のWi-Fi 7対応AP「WLX333」「WLX232」投入

  8. 8位

    ITトピック

    AIによるソフト開発加速の裏で「未テストの本番投入」も増加/「AIで日常生活が変わった」まだ45%/企業のコンサルへの不満、ほか

  9. 9位

    ビジネス・開発

    「デザインの仕事は半減するかもしれない」 MIXIデザイン本部が挑む「AIネイティブなものづくり」への転換

  10. 10位

    ビジネス・開発

    急増するトークン消費にマルチモデル化 AI活用は“見える化”してから広げる時代に

集計期間:
2026年06月02日~2026年06月08日
  • 角川アスキー総合研究所