ハッカソンでの作品制作秘話や3D都市モデルを生かした新たな取り組みなどを11名が披露、PLATEAUの多様な世界を味わうLT
「PLATEAU LT 07」レポート
提供: PLATEAU/国土交通省
この記事は、国土交通省が進める「まちづくりのデジタルトランスフォーメーション」についてのウェブサイト「Project PLATEAU by MLIT」に掲載されている記事の転載です。
PLATEAUの3D都市モデルを活用するユーザーがさまざまなテーマで発表するライトニングトークイベント「PLATEAU LT 07」が、11月6日にオンラインとユニティ・テクノロジーズ・ジャパン株式会社の銀座オフィスとのハイブリッド形式で開催された。11人の出場者がそれぞれ5分のプレゼンを実施。技術、ノウハウ、ビジネス活用、災害対策活用から、2024年のPLATEAUハッカソンで注目された作品の制作秘話など、多様なLTが集まった。
「PLATEAU LT 07」は、作品のメイキングやアイデア、技術情報の共有など、PLATEAUに関することなら自由にネタとして発表できるライトニングトーク(短時間に集約して簡潔にプレゼンする形式)イベントだ。
司会・進行は、久田智之氏(株式会社アナザーブレイン 代表取締役/みんキャプ運営委員会 委員長)、河野円氏(imgee株式会社 代表取締役/サイバー南無南無 代表)、上田博嗣氏(株式会社大林組 設計ソリューション部・アドバンストデザイン課・副課長)が務めた。
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左から、河野円氏(imgee株式会社 代表取締役/サイバー南無南無 代表)、上田博嗣氏(株式会社大林組 設計ソリューション部・アドバンストデザイン課・副課長)、久田智之氏(株式会社アナザーブレイン 代表取締役/みんキャプ運営委員会 委員長)
最近参加したPLATEAUのハッカソンでのUnityの技術的な部分での紹介や考察(桑原遼介氏)
一級建築士の桑原遼介氏はこれまでPLATEAUハッカソンでも多くの作品を作り出してきた。今回、3D都市モデルをUnityで扱う際のトピックを2つ、まとめて紹介した。
まず1つが「UnityをベースにしたPLATEAUの属性情報の取得」方法。2024年9月のPLATEAU Hack Challenge in Tokyoで「whack a building」(オーディエンス賞を受賞)を作ったときに、独自に編み出したものだという。ちなみに、「whack a building」はPLATEAUのモデルをモグラ叩きゲームのように叩いて遊ぶゲームで、建物の動きにPLATEAUの属性情報(高さや面積、階数など)を使っている。
もう1つは「場所情報と方角の取得」。これは、2024年9月のPLATEAU×オープンデータで地域課題を解決するハッカソンで「Pinstory」(現地に行かないと得られない情報を提供するSNSアプリ)をチームで作った際のまとめとなる。
位置合わせといえば、有名どころではGoogle Geospatial APIがある。だが、Unityで扱うには座標系の問題や他のツール、アセットとの相性の問題がある。また、APIの利用制限とコストも課題になってくる。VPSが必要であれば別だが、開発のコストパフォーマンスが悪すぎる。そこで、桑原氏が最近使っているというのはUnityのInputクラスだ。50行ほどで一連の作業が実装できるという。
Unity+Plateauを利用した、まちづくりに資する3D都市モデルとAIを活用した進化型スマートシティシミュレーションのLT(倉林俊成氏)
倉林俊成氏が紹介したのは、3D都市モデルとAIを活用したスマートシティシミュレーション。まず、作業の効率化のため、ワールド内のオブジェクトや設定などをPrefab化した。災害などを敵ユニットと見立て、それを防衛するユニット(インフラなど)をどう配置するかを、さまざまな地図でシミュレーションできるようにするのが狙いだ。Prefabだけではなく、YAMLでイベントの管理を行っている。
RobloxでLOD4の都市モデルを歩いてみた。(くろにゃんこ氏)
くろにゃんこ氏が紹介したのは、LOD4の3D都市モデルをRobloxにインポートしてみた事例だ。Roblox上でLOD2やLOD3のデータを使ってゲームを制作してきたくろにゃんこ氏。以前にもLOD4のデータにチャレンジしたというが、今回ポートシティ竹芝のLOD4のデータのインポートに再チャレンジした。結果はうまくいかなかったのだが、その失敗談を共有した。
今回使用したのは、G空間情報センターの「東京都サンプルデータ(竹芝モデル)」。PLATEAU SDK for Unityを使って読み込むが、読み込むデータは必要最小限の範囲に絞ったほうがいいという。生成シミュレータで読み込みの設定をしていくが、Robloxではマテリアルを認識しないのでマテリアルは「なし」に設定し、建築物以外のデータは動作がフリーズしないように一回外しておく。また、テクスチャも外す。Robloxの場合、LOD3をテクスチャ付きで生成できるが、LOD4のデータを使用すると、同じ建物が3種類(外側と内側を持つ、内側のみ、外側のみ)のモデルが同位置に生成されてしまうという。そのため、高層ビルの外側はLOD3、内側とテラス部分はLOD4を使った。
ゲームで使用するため、出入り口を表す「開口部」、小部屋の概念を表す「内装壁」など、余分なデータをフィルタリングして落とす。そして、出力形式を「GLTF」としてエクスポートする。くろにゃんこ氏の経験ではLOD4のデータはFBXでは歪みやすいという。
このままRobloxに持っていくと問題のある箇所があるため、続いてBlenderで調整する。Blenderで調整するのは次の図の点だ。
(今回のデータだけかもしれないが)そのままインポートすると天井と床の厚みが十分ではなく、非表示となってしまう。そのため、床に厚みをつけて位置を調節したとのこと。
また、Blender上では問題なくてもRobloxで表示が崩れてしまったので法線の再計算を行ってからエクスポートする。
今回の学びとして、くろにゃんこ氏は次のようにまとめた。
ダウンロードしたデータは約40GB、そのデータから生成した3Dモデルが1GB以上、それだけ時間もかかる。また、CityGMLからの3D作成、Blenderでのインポート、Robloxでのインポートにも時間がかかるし、失敗することもある。時間に余裕を持つことが必要だ。また、データの中身がアップデートされることもあるので要チェックとのこと。
Mini Tokyo 3D × PLATEAU - 公共交通デジタルツインにリアルな風景を(草薙昭彦氏)
続いて、草薙昭彦氏が紹介したのはデジタルツイン「Mini Tokyo 3D」にPLATEAUの3D都市モデルを統合した事例だ。「Mini Tokyo 3D」は草薙氏が作成した東京の公共交通のリアルタイム3Dマップ作品。第3回東京公共交通オープンデータチャレンジ(2020年)最優秀賞ほか、さまざまな賞を受賞している。実際に動いている列車や発着している旅客機をリアルタイムで3Dマップ上に表現した「デジタルツイン」である。
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「Mini Tokyo 3D」には、公共交通の遅延や天候をマップ上に表示し、地下鉄駅の出口案内や独自の経路探索エンジンによる遅延を反映した乗換案内、路線沿いのライブカメラ映像の取得や花火イベントの案内などの機能がある
2022年に、この「Mini Tokyo 3D」に3D都市モデルを統合した。使用したのは建築物モデルの3D Tiles データ、航空写真オルソ画像タイルデータ。これらのタイルデータをレイヤーとして表示したが、きれいに表示できたものの動作の重さから一部の地域のデータしか読み込むことができなかったという。特に、LOD2のテクスチャデータを使うとGPUを大量に使用してフリーズしてしまった。
今回、PLATEAUのデータも内部が更新されているということで改造に取り組んだ。地図のビューポートに合わせて動的にタイルデータを読み込み、表示できる地域を大幅に拡大することに成功したという。
具体的には、カタログAPIで取得したデータからテクスチャ付きLOD2データを抜き出し、市区町村コードを使って行政区域データのGeoJSONを取得し、Shapelyライブラリを使って隣り合う区域をオーバーラップさせ、そのGeoJSONをMapboxに透明レイヤーとして追加している。そして、queryRenderedFeaturesで画面中央に存在するFeatureを効率的に取得するという形になっている。
またテクスチャメモリを削減することでメモリ使用を最適化しているとのこと。こちらは、deck.glのTile3DLayerのonTileLoadコールバック内で、テクスチャ画像の幅・高さを1/4にして置き換えることで実現している。その分、解像度は低くなるが「Mini Tokyo 3D」では見た目の問題は少ないという。
IT教育コミュニティの性質を活用したPlateau人材の輩出エコシステムの構築(種市隼兵氏)
株式会社Shinonomeの種市隼兵氏が紹介したのは、IT教育コミュニティの性質を活用し、PLATEAUに関わる人材を輩出しようというエコシステムの構築プロジェクトだ。Shinonomeは2016年設立の東京理科大学発のスタートアップで、教育エコシステムとITを軸に事業を展開している。
目指すのは「努力しようと思った時に、無料で学べ、切磋琢磨でき、それがキャリアにもつながる環境を作る」こと。全国の大学と連携し、学生の学びの場の1つとして「PlayGround」というコミュニティを運営している。学生は「PlayGround」を通じてITスキルを学びながら、それをキャリアに生かす支援を受けられる。現在、アクティブな学生は約500人、企業とも連携し実際にサービスとして展開しているプロジェクトも多い。
この「PlayGround」に2024年度からPLATEAUコースを設置し、第一期生13人がコースに参加しているという。まず、今年の目標に据えたのはPLATEAU AWARD本戦に出場する学生を輩出すること。そのために、学生がハンズオンで学べる環境を整えている。基礎学習カリキュラムは次の図のとおりだが、この基礎学習を終えた後、チームに分かれてプロジェクト開発に進む。
チームが制作中の作品として、次の3つが紹介された。
種市氏は「私たちと一緒にもっといい世界を作りませんか」と、企業、学生の参加を募集するメッセージで発表を終えた。
ゲーム×Plateauで新規事業開発も、マーケティングも、地方創生もうまくいく(ように一緒に頑張る)話(角田拓志氏)
FortniteやRobloxなどメタバースプラットフォーム×ゲームを柱に、さまざまなコンテンツを手掛ける株式会社モンドリアンの角田拓志氏が紹介したのは、社会実装フェーズにおけるPLATEAUの活用について。今回は、PLATEAU × Fortnite × 地方創生のプロジェクトの事例をもとに、その課題を共有した。
たとえば和歌山県では、和歌山城をメタバース空間に再現し、その中でeスポーツの大会を開いて人を集める施策を行った。中心になっているのは和歌山県でバスやタクシーの事業を展開する企業で、メタバースを新規産業として育成しようというプロジェクト。なお、モンドリアンはこの取り組みでは3D都市モデルのデータを参考にして和歌山城のモデルの実装を行った。
もう1つは大阪府にある万博会場につながる夢舞橋をFortniteに再現し、レースゲームの機能を組み合わせたもの。開発期間は1週間だったという。これはパラダイムシフトになるだろうと角田氏は指摘する。200人、300人が2年も3年かけて作るものだったゲームが、いまや短期間で動画やホームページを作るような感覚でできる。そうなってくると、ゲームの用途がはるかに広がるはずだ。
こうしたプロジェクトにおける課題として挙げられるのが、いわゆる「作って終わり」というケースだ。角田氏は成功に導くポイントは3つあると考えている。①大前提として「作ること」は手段であり、作った後の持続可能な活用方法を思い描くこと、②視聴者参加型配信イベントやSNSキャンペーンの併用など、立体的かつ奥行きのある取り組みを目指すこと、③地域のステークホルダーと共に盛り上げる取り組みとすること、を挙げた。
STYLYの都市テンプレートで誰でもARコンテンツを(せぎゅ氏)
XRプラットフォーム「STYLY」にてSTYLY Studioの開発、そしてARエンジニアを務めるせぎゅ氏が紹介したのは、STYLY Studioの都市テンプレートによるARコンテンツの実装テクニックだ。
せぎゅ氏の作品に「Goldfish circling Tower」がある。これは金魚が塔の周りを旋回する作品で、PLATEAUのモデルを使ってオクルージョン(物体による遮蔽)を表現している。
この作品を誰でも作れるように、せぎゅ氏はSTYLY Studioにテンプレートを用意した。今回はその使い方を実演した。STYLY Studioを開き、都市を選択すると3D都市モデルで再現した都市が展開される(ここでは渋谷を選択)。ここでUnityのアセットから金魚を配置し、渋谷109の周りを金魚が旋回するように設定していく。
クリックで選択していくのみで、旋回するアニメーションを実装できる。完成したらSTYLYに投稿することでAR用のQRコードが発行されるので、このQRコードからSTYLYを起動すればARシーンを再生できるという。用意されているロケーションは全国で11カ所。現在、増加中だという。
宮崎で津波避難シミュレーションVRの開発をしています(吉松大志氏)
VRコンテンツの開発に携わってきた株式会社モーゲンテックの吉松大志氏は、2024年8月8日に地元・宮崎を襲った震度6弱の地震をきっかけに、「メタバースで避難をシミュレーションできるのではないか」と考え、津波避難シミュレーションのVRコンテンツを制作し始めたという。
「VRで避難を練習していたから助かった」と言ってもらえるような、人を津波から助けることが目的のプロジェクトだ。プロトタイプとして紹介された動画は以下だ。
宮崎県延岡市を舞台にした津波避難シミュレーション(プロトタイプ)
PLATEAUの3D都市モデルから作成した宮崎県延岡市、そこに物理演算で生成した水が流れ込んでくる。自分がどこにいると危険で、どこにいけば安全なのかをシミュレーションできるものを目指しているという。
開発コンセプトとして、吉松氏が大事にしているのは「逃げる」ということ。従来の「防災×VR」のコンテンツは、360動画を見て「怖かった」という感想で終わりがちで、吉松氏は「避難につながるのかと疑問に感じていた」という。だからこそ、このプロジェクトでは「自分で判断して動く」ことのシミュレートを目指しているという。
2024年9月から開始し、現在はPLATEAUのデータをもとに制作を進めているところ。2025年2月頃からテスター体験を実施するとともに作り込みを行っていき、5月頃からは広報も行っていけたらという。一緒にやってくれる仲間、協力者等を募集中とのことだ。
リアルな体験化のための3D避難訓練(田中正宏氏)
株式会社ウフルの田中正宏氏は、PLATEAUを使った3D避難訓練を紹介した。地域のDX、スマートシティ推進を支援する事業を全国的に展開しているウフルは、メインのオフィスは東京だが、和歌山県白浜町にもオフィスを構えており、地域と連携した事業を行っている。
たとえば、白浜町が抱える観光と防災という2つの地域課題を解決するポータル地図サイト「しらはまこんぱす」を提供している。白浜町は年間約300万人の観光客が訪れる地域だが、南海トラフ地震の被害が予想されている場所でもある。そのため観光客に向けて観光情報とともに災害対策情報を届ける必要があり、そのために提供しているサービスだ。
こうした防災への意識の高い地域における取り組みの1つとして、PLATEAUを用いた実践型避難訓練を実施した。
この避難訓練では各避難者にGPSトラッカーを持たせ、その人が普段生活しているところをスタート地点とし、そこから避難してもらうという形で実施。各自のトラッキングデータとPLATEAUの3D都市モデル、津波浸水シミュレーションデータを掛け合わせ、避難の成功・失敗を検証した。
結果として、本震の揺れが収まる「発災3分後」に逃げないと危険ということが明確になった。たとえば発災7分後に逃げた場合のシミュレーションでは避難者の約半数が津波から逃げ切れず、10分後ではほぼ全員が逃げ切れないという結果に。南海トラフ地震では本震の揺れが収まったら、すぐに逃げないと危険だということが明らかになった。
田中氏は、PLATEAUを用いたことによる利点を次のようにまとめた。
1. 経路周辺含めた地形の高低差を視覚的に確認でき理解度が圧倒的に向上
2. 振り返り時に地図を読めない人でも理解が進む
3. 公開検証時の視覚的エンターテインメント性が興味関心を高める
今後の展開として日常的なトレーニングとしての活用を考えているそうだ。たとえば、「あの角まで何分で行かないといけない」といった目標設定に生かす。また、地図が読めなくても見た目で理解しやすいという特徴を生かし、観光や防災に関する情報をマップ上に視覚的に表示するという展開も検討しているという。
声で都市情報を可視化してみた(もふるね氏)
もふるね氏が紹介したのは、「PLATEAU XR & デジタルツインハッカソン2024」で発表した「Echolocation-PLATEAU」というQuest2用のVR作品。ハッカソンに一人チームとして参加し、単独で作り上げた作品だ。
「Echolocation-PLATEAU」
この作品制作のモチベーションは「都市情報を多く活用したい」というところにあった。以前にもハッカソン(Hack Challenge 2024 in TOKYO)に参加したが、その際には都市情報をあまり活用できなかったとの思いが残ったという。また、そのときチームで制作した作品は「体」を動かすVR/ARゲームだったので、今回は「声」を主体にしたいと考え、「声で都市情報を可視化する人間拡張VRアプリ」というコンセプトに行き着いたということだ。
デモ動画でもわかるように、声によって見える「都市」のイメージが変化する。母音と声の高さの組み合わせでさまざまな属性情報を可視化する仕組みになっている。
制作してみた感想として、ほとんどの建物の建築年が不明だったため建築年での表示が思うようにはできなかったこと、音声については母音の「I」「U」の判別がしにくい、判定しやすい声の高さが275〜400Hzに限定されるといった課題も残った、と語った。それでも、「Echolocation-PLATEAU」は「PLATEAU XR & デジタルツインハッカソン2024」で賞を2つ受賞でき、もふるね氏にとって今後の制作意欲につながる経験になったとのことだ。
PLATEAUとRealtime APIで何かやりたい! しゃべる建物「TALKING BUILDING」をハッカソンで作ってみた話(ながみね氏)
ながみね氏が紹介したのは、同じく「PLATEAU XR & デジタルツインハッカソン2024」で発表した「TALKING BUILDING」の制作秘話だ。「ChatGPTとRealtime APIを組み合わせたら何かおもしろいことができるのでは?」という発想からハッカソン当日に4名でチームを組み、アイデアを詰めていった。
RealtimeAPIはWebSocketを介してGPT-4oモデルとの接続を確立し、音声やテキストの入出力をサポートする。要は「低遅延で自然な音声対話を可能にするAPI」だ。これにより、アプリケーションにリアルタイムの音声入出力を組み込み、ユーザーとの会話が提供できるというもの。また、Function Calling機能も備え、音声を通じて特定の関数を実行することが可能。「フワッとした会話でも成立する何か」→「キャラクターを出すにしても必然性が難しい」→「建物がしゃべったらいいのでは!?」という流れで「TALKING BUILDING」のコンセプトが固まっていったという。
フローとシーン構成は次の図のとおり。実装ではサンプルとして用意されているAR用テンプレートをベースに各地点ごとにセットアップし、地物オブジェクトにコライダーを付与、オクルージョン用のマテリアルを貼っている。タップで建物を選択すると、その位置からPLATEAUCityObjectGroupの属性情報を取得。今回は属性情報の中から建物の「高さ」「使用用途」「建築年数」を抽出し、そこからChatGPTに投げるプロンプトを構築している。
ハッカソンでは「タップして建物を選択」して「建物が自分のことをしゃべる」ところまでしか実装できなかったが、本来はここからユーザーとの会話ができるところまで作りたいと考えてるとのこと。また、データがあるところならどこでも体験できるようにしたいが、現状、属性情報を取得するために各地点ごとにシーンを作成する必要があるため、何かもうひと工夫したいという。
以上、11組から、多様な領域での3D都市モデル活用に関するLTがなされた。3D都市モデルユーザーのすそ野の広がりを感じるとともに、様々な技術やプラットフォームとの融合、属性情報の活用など、PLATEAUコミュニティの成熟も感じられるものとなった。これからのハッカソンイベントやPLATEAU AWARDなど、3D都市モデルのまだ見ぬ価値が生み出される瞬間が楽しみだ。