このページの本文へ

NTT、TBSらが地上波の音楽番組で“音声リモートプロダクション”に成功

生放送でも違和感なし 「レコ大」で実はIOWN使っていた

2025年01月07日 17時00分更新

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 NTT、NTT東日本およびTBSは、2025年1月6日、2024年末にTBSが放送した音楽番組「輝く!日本レコード大賞」において、「IOWN APN」ネットワークを用いた地上波生放送の音声リモートプロダクションに成功したことを発表した。

 リモートプロダクションとは、撮影現場と制作拠点をネットワークで接続し、映像や音声のデータをリアルタイムに制作拠点へ伝送することで、遠隔地間で番組制作を行う制作手法。これまで多くの機器やスタッフを現地に送る必要があった番組制作をリモート化することで、コスト削減と高品質な制作環境の確保を推進できる。

 今回のプロジェクトでは、生放送の音楽番組を実施している新国立劇場(東京都新宿区)とTBSの赤坂スタジオサブ(東京都港区)にある制作拠点を、大容量・低遅延・ゆらぎなしの特徴を持つIOWN APNで接続。現地で収録した生演奏の音声素材の一部をリアルタイムに制作拠点へ伝送し、音声の調整・制作を行った後に現地の中継車に送り返し、映像と組み合わせて最終プログラムを制作する流れで、音声のリモートプロダクションを実現した。

IOWN APNを活用した音声リモートプロダクションのイメージ

 生放送の音楽番組で要求される安定的な拠点装置間の時刻同期(PTPロック維持)を、遅延ゆらぎなく成功させており、遅延も往復5ミリ秒未満という成果が得られたという。

 3社では今後、IOWN APNの技術を他の放送局や制作拠点にも展開して、“番組制作DX”の発展を目指していく予定だとしている。

■関連サイト

カテゴリートップへ

  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード