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世界最大テックイベント「CES 2025」現地レポート 第8回

AMD、CES 2025にて「Ryzen 9 9950X3D」「Radeon RX 9000シリーズ」の概要を発表

2025年01月07日 05時30分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集●北村/ASCII

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ノートPC用に3D V-Cacheを統合したゲーマー&クリエイター向けCPU「Ryzen 9 9955HX3D」
(2025年第1四半期発売)

 ここから先はモバイル方面の新製品となる。1つめはノートPC用のRyzen 9000HXシリーズにも3D V-Cache搭載モデルが来るという話。開発コード“Fire Range”と呼ばれるこのCPUは、Zen 5コアを最大16基備えたパフォーマンス志向のモバイル向けRyzenである。

 そのフラッグシップがRyzen 9 9955HX3Dであり、3D V-Cacheを搭載するZen 5コア8基とノーアルZen 5コア8基、合計16コアを最大5.4GHzで駆動する“究極のゲーミングノート向けCPU”だ。モバイル向け製品ゆえにTDPが54Wとかなり絞られているものの、ゲーミングパフォーマンスは相当に期待できるだろう。

パフォーマンス志向のモバイル向けRyzen“Fire Range”はRyzen 9 9950X3Dや9950XをノートPCで使いたいと考えるゲーマー&クリエイター向けの製品である

Ryzen 9 9955HX3Dのレンダリングイメージ。右側に縦に並んでいるのがCCDで、おそらく上側のCCDの下に3D V-Cacheが隠れていると思われる。構造的にはRyzen 9 9950X3Dと同じだがモバイル向けだけあってフットプリントが小さくなっていると思われる

Fire Rangeのスペック。コア数は12コアないし16コアで、最上位のRyzen 9 9955HX3Dのみが3D V-Cacheを搭載する。中位と下位モデルはRyzen 9 9950Xと9900Xをモバイル版にしたものだ。ただし内蔵GPUはデスクトップ版Ryzenよりも強化されていると思われる

ハンドヘルドゲーミングPC向けCPU「Ryzen Z2 Extreme」
(2025年第1四半期発売)

 ハンドヘルドゲーミングPCは今やゲーミングPCのいち形態として市場に確固たる地位を築いている。そしてこの市場を支えているのがAMD製のCPUであることに疑いの余地はない。特にASUS「ROG Ally」に搭載されたRyzen Z1シリーズは2023年に登場した製品だが、今回はその後継モデルである「Ryzen Z2」が発表された。発売は2025年第1四半期である。

 前世代のフラッグシップであるRyzen Z1 ExtremeはRDNA 3のCU(Compute Unit)が12基だったのに対し、Z2 Extremeは16基に増量、cTDP(Configurable TDP)の上限も+5Wされた35Wに変更されている。またRyzen Z2はZ1 Extremeとほぼ同スペックとなっている。

 最下位のRyzen Z2 Goも含めcTDPの加減は15W~に引き上げられているため消費電力が心配だが、CPU側に新たな省電力機能や改善が含まれているとは発表されていない。

よりパワフルなグラフィック性能とバッテリー持続時間の向上を追求したのがRyzen Z2シリーズである

Ryzen Z2シリーズのレンダリングイメージ

Ryzen Z2シリーズは合計3モデル。最高性能が欲しいならZ2 Extreme一択。最下位のZ2 Goは次世代Steam Deckに搭載されるのだろうか?

Ryzen Z2シリーズの文脈の中にもSteam Deckのビジュアルが登場。AMDはSteam DeckにRyzen Z2シリーズが採用されるとは一言も言っていないが、このようなビジュアルを出されてしまうと否が応でも期待が高まる

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