アグロデザイン・スタジオ、核酸の構造解析サービスの提供を開始
農薬設計スタートアップの株式会社アグロデザイン・スタジオは1月1日に、構造解析サービス「AgroBox」において、DNAやRNAを含む核酸の構造解析サービスの提供開始を発表した。これまでタンパク質のみを対象としていた「AgroBox」のサービスを拡充して立体構造の予測が難しい核酸分子の構造決定を行うことで、核酸医薬や核酸標的薬等の研究開発を支援する。
「AgroBox」は、結晶構造解析に必要な「結晶化条件のスクリーニング」から「立体構造モデルの構築」までを行うサービス。X線回折測定は、同社が所有するマシンタイムを利用し、国内放射光施設(SPring-8、高エネルギー加速器研究機構 Photon Factory、AichiSR)、海外放射光施設(Swiss Light Source、アップグレード期間中はEuropean Synchrotron Radiation Facility)から適切な施設を同社の研究者が選択して実施するとしている。
アグロデザイン・スタジオは新しい農薬原体(有効成分の化合物)の研究開発を行うことを目的に、2018年3月に創業。自社創農薬事業と構造解析受託サービス「AgroBox」部門の事業を展開する。自社創農薬では防除対象生物(害虫・雑草・病原菌など)が持つ「ヒトには無いタンパク質」を薬剤標的とすることで、分子標的農薬というコンセプトの毒性リスクが低い農薬の開発に取り組む。2023年には、自社創農薬で培った技術を受託サービス「AgroBox」として社外への提供を開始。今回提供を開始する核酸分子の立体構造解析受託サービスを通じて、創薬研究支援を推進するとしている。