第486回 SORACOM公式ブログ

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SORACOMをもっと便利に!無料機能フル活用&SIMの選び方

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 本記事はソラコムが提供する「SORACOM公式ブログ」に掲載された「SORACOMをもっと便利に!無料機能フル活用&SIMの選び方」を再編集したものです。

こんにちは!ソラコムの Sales Manager の岡崎(ニックネーム:okamomo)と Customer Reliability Engineer の加納(ニックネーム:kanu)です。

2024年11月21日、「知らなきゃ損する無料機能フル活用」と「SIMの選び方」をテーマにしたオンラインセミナーを開催しました。SORACOM を活用する上で役立つ機能や、用途に合わせた最適な SIM の選び方をご紹介し、多くの反響をいただきました。本記事では、セミナー資料の一部をご紹介しながら、SORACOM の活用方法をお届けします。

「SIMの選び方」用途に合わせた最適なSIMの特徴解説

まずはじめに用途に合わせたSIMの選び方を解説しました。こちらは岡崎が当日の内容を紹介します。以下が SIM 選択の際に考慮するポイントです。

1. カバレッジエリアの選択

利用する国や地域に合わせ、適切なカバレッジタイプを選びます。日本国内のみで利用する場合は「plan-D」などの特定地域向け IoT SIM、(日本を含む) グローバルでの利用を想定する場合は「plan01s」などの SORACOM IoT SIM が適しています。

2. データ通信量の選択

通信量に応じて、バンドルタイプ(定額)または完全従量制を選びます。たとえば、小容量用途(数MB)は「planX3」、中容量用途(数百MB〜数GB)は「plan-D」、大容量用途(数GB〜)には「plan-DU」が推奨されます。

3. バンドルタイプまたは完全従量課金の選択

SORACOMでは、データ通信料金を以下の2タイプから選べます:

バンドルタイプ

一定量の通信が基本料金に含まれるプランです。予測可能なコスト管理が可能で、小容量・中容量・大容量に対応する様々なプランが提供されています。(例: plan-D D-300MB, plan-DU)

完全従量課金

使用したデータ量に応じて料金が発生するプランです。利用頻度が少ない場合や月々の通信量の変動が大きい場合に適しています。(例: plan-K, plan-KM1)

4. 通信規格の選択

用途に応じて、通信規格(LTE-M、NB-IoT、5Gなど)を選びます。例えば、低消費電力の用途にはLTE-M が適しています。

5. SIMの形状とサイズ

デバイスに合わせて、カード型SIM、eSIM(チップ型)、または通信モジュールと SIM が統合されている iSIM を選択します。

6. 在庫時の費用管理

在庫中などデバイスが通信をしない期間の SIM ステータスを「利用開始待ち」や「利用中断中」に設定することで、基本料金を低減する方法もあります。

このように SIM の選び方には様々なポイントがあります。SORACOM ユーザー様向けの相談会も随時開催しておりますので、もし SIM 選択に迷うことがあれば以下よりお申し込みください。

<お打ち合わせスケジュールカレンダー>

無料で使えるけど、便利な知っておきたい機能 8 選

ここからは加納からご説明致します。オンラインセミナーの中で、IoT の運用に役立つ SORACOM の無料機能を 8 つピックアップしてご紹介しました。

1. ルートユーザーとSAMユーザー

SORACOM にはルートユーザーと SAM ユーザーという 2 種類のユーザーがあります。ルートユーザーは全ての権限を持つ管理者です。SAM ユーザーは役割に応じて権限を設定できるユーザーです。開発担当や経理担当など、必要な権限だけを付与できるため、安全かつ効率的な運用が可能です。

機能の詳細:アクセス管理 (SORACOM Access Management: SAM)

2. リカバリメールアドレス

プライマリメールアドレスに送信されたメールを受信できない状況になった場合に必要となるメールアドレスです。例えば、以下のようなケースで利用されます。

  • プライマリメールアドレスを管理している担当者が退職した
  • プライマリメールアドレスやパスワードが分からなくなった

ユースケースやプロジェクトフェイズなどに関係なく、全ての SORACOM ユーザーに設定いただきたい機能です。

機能の詳細:リカバリメールアドレス

3. MFA(多要素認証)

SORACOM では時間ベースのワンタイムパスワードを使用した多要素認証をサポートしています。こちらについても、先にご紹介したリカバリメールアドレスとあわせて、全ての SORACOM ユーザーに設定いただきたいです。

機能の詳細:多要素認証 (MFA)

4. イベントハンドラー

監視対象がルールを満たした (ある状態になった) ことをトリガーにアクションを実行する機能です。以下のような設定ができます。

  • IoT SIM のデータ通信量が月に 1GiB を超えたら、メールで通知する。
  • IoT SIM のデータ通信量が 1 日に 10MiB を超えたら、IoT SIM のステータスを「休止中」に変更してデータ通信ができない状態にする。

機能の詳細:イベントハンドラー

5. ご利用料金アラート

ご利用料金が設定金額を超えたときにプライマリメールアドレスにメールで通知する機能です。SORACOM のサービスは従量課金をベースとしているものが多いため、想定より多くの課金が発生する可能性をご心配される方もいらっしゃると思います。この機能を設定いただくことでそのようなリスクを軽減して、より安心してご利用いただけます。

機能の詳細:利用料金が設定金額を超えたときにプライマリメールアドレスにメールを送信する (ご利用料金アラート)

6. 監査ログ

ユーザーごとのログインや API 呼び出し履歴を記録し照会できます。

標準では SORACOM API の認証に関する API (Auth API) が参照可能です。過去 24 時間で「いつ」「どの IP アドレスから」「どのユーザーで」サインインがあったのかの記録・照会ができるので、直近に意図しないログインなどなかったかを確認することができます。

更に、エンタープライズオプション (※こちらは有料です) を有効化すると全ての SORACOM API の実行履歴 (過去 366 日間分) が参照できるようになります。例えば、過去 366 日間で SORACOM Harvest Data に関する操作をしたユーザーの確認などが可能となります。IoT プロジェクトの安定運用において必要となる内部統制の強化にお役立ていただける機能です。

機能の詳細:監査ログ

7. 診断機能

後述する IoT SIMのトラブルシューティング手順を自動化した機能で、ユーザーの問題発生時の原因切り分けを支援します。

機能の詳細:診断機能

8. SORACOM Support Bot

SORACOM ユーザーコンソールから生成 AI へ質問できる機能です。

ソラコムではサービスの仕様や利用手順について記載しているユーザードキュメントやよくある質問をまとめた FAQ の他、以下のようなページがあります。

このように充実したコンテンツから、目的の情報を素早く見つけたいというご要望にお応えした機能です。ぜひご利用ください!

機能の詳細:SORACOM Support Bot に問い合わせる (Public beta)

トラブル時の問題切り分け方法のポイント

本セミナーでは、通信トラブル発生時の問題解決方法のポイントについてもご紹介しました。想定通り通信ができないトラブルが発生した際には以下の手順で確認します。なお、以下の手順を自動化した機能が先にご紹介した診断機能です。

また、特にお問い合わせいただくことが多いセッションがオンラインにならない (上記の 2 が確認できない) 場合について、より詳しく原因切り分け方法をご紹介しました。セッションが確立できない場合は以下のフローチャートに沿って切り分けを試みていただければと思います。切り分けの結果「IoT SIM の不具合」である可能性が高い場合は、切り分け結果を添えて SORACOM サポートまで SIM 交換をご依頼ください。

今回のセミナーでご紹介した SORACOM の無料機能やトラブルシューティングのポイントをぜひ活用いただけますと嬉しく思います。皆様の IoT 運用がよりスムーズになるはずです!

【Q&A編】セミナーで頂いたご質問

セミナー当日は時間の関係上、全てのご質問に回答する時間を取れませんでした。また今回ご質問いただいた内容は他のユーザー様にとっても有益かと思いますので、セミナー中に回答したご質問も含めて本ブログでお答えいたします!(質問文は要約や統合されていることがあります)

質問 1:SIM 詳細画面のセッション履歴にはエリアコードとセル ID が表示されていますが、これは何を意味していますか?また、セッション詳細に表示される (SIM が接続する) 基地局の位置情報はどのように取得していますか?

回答 1:エリアコードとセル ID は基地局を一意に特定する情報の一部です。これらに MCC(Mobile Country Code、モバイル国コード)、MNC(Mobile Network Code、モバイルネットワークコード)を加えたものを基地局 の ID としてオープンソースの基地局データベースに照会することで基地局の位置情報を得ることができます。別のブログ 「基地局の位置情報を取得できる API を公開しました!」にこの辺りの詳細が記載されていますので是非そちらも参照ください。

質問 2:通信速度は SIM のプランで変わりますか? その場合、一番速いプランではどのくらいの通信速度になりますか?また、通信速度は通信モジュールなどにも依存しますか?

回答 2:SORACOM では「速度クラス」という設定項目があり、SORACOM プラットフォームを通過するトラフィックの通信速度 (上限値) やデータ通信料金が異なります。plan-DU というプランの u1.standard は上り (※) の通信速度の上限を設定していない速度クラスとなります。

※ 下り方向は 4 Mbps が上限となります。

なお、通信速度は通信モジュールを含むデバイス側の仕様にも依存しますし、電波状況や通信方式 (3G,LTE,LTE-M,5G など) 、通信キャリアの設備上の混雑度合いなど SORACOM プラットフォーム以外にも様々なポイントがボトルネックになり得ます。

質問 3:SIM を利用する地域によって、「つながりにくい」などの挙動になることはありますか?

回答 3:(ここでは「つながりにくい」状況はセルラー通信のセッションが作成できない、またはセッションを作成しても短時間で削除されてしまうような状況を想定しています。) はい、例えば山間部などでは電波が届かないことでつながりにくい状態になることがあります。また、都市部でも基地局とデバイスとの間に (電波を通しにくい) 遮蔽物が存在する場合はつながりやすさに影響を与える場合があります。

質問 4:デバイスの移動以外でセッション履歴に modified と表示されることはありますか?

回答 4:はい、セッション履歴で modified が出力される要因は様々あります。例えば、電波強度やカバレッジの問題などで 3G と LTE 間の移行があった場合でも modified が出力されます。また、デバイスの通信内容によっては modified が出力されることもあります。(理由は分かりませんが、私は以前通信速度を計測するツールを利用した際に modified が出力されたことがありました。)

― ソラコム 岡崎(okamomo) & 加納 (kanu)

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