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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第899回

フラッグシップ機も入門機も! 今年登場のミラーレス一眼で撮った猫写真で2024年を振り返る

2024年12月18日 12時00分更新

文● 荻窪 圭/猫写真家 編集●ASCII

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「ダダッ」と擬音をつけたくなるような瞬間。顔が精悍ですばらしい。2024年6月 ニコン Z6III

 いよいよ2024年も終わりが近づいてまいりました。ってことで、2024年をデジタル一眼(というかもう全部ミラーレス一眼)で振り返る回。今年はフラッグシップ機から入門機、VLOGCAMまで幅広く登場して、カメラ好きにはたまらない1年でありましたことですよ。

 新年早々はソニー。とうとうグローバルシャッターを搭載した……つまり、動きものに強い「α9 III」の登場から。α9 IIIで撮った猫写真は春先にさんざん載せたので、ここでは未掲載だった木の上の猫を。

 撮影場所は、広島県の鞆の浦。地元の人しか知らない猫スポットを目指して斜面をえっちらおっちら上ったら、木の上に猫がいたのでありました。約100万円コースのカメラなので、そうそう買えるものではないけれども、新時代を予感させる1台なのだ。

猫が木に飛び乗ったと思ったら、太い枝を上手に伝っていたのだった。ちょっと離れたところから望遠で。2024年1月 ソニー α9 III

 約100万円コースのフラッグシップ機といえば、忘れてはならないのがキヤノン。秋になり、とうとうキヤノンからフラッグシップ機が出たのである。「EOS R1」だ。

 もうこの辺になると、買うべき人は買うし、そこまでの高性能は求めないという人は買わないしで、特に言うことはない。

神社の長毛猫タビさん。このクラスのカメラになると大きくて重いけど、信頼感はハンパない。しゃがんでファインダーを覗いて撮影。2024年10月 キヤノン EOS R1

 フラッグシップ機と呼ばれる最高峰モデルのちょっと下に位置するのが、ハイエンド機。この辺の呼称は特に定義されたものではないけど、最新技術が詰まった、ちょいお高めの高性能モデルと思えばいい。

 注目は、キヤノンの「EOS R5 Mark II」。EOS R1と同時に発表され、ひと足先に登場したハイエンド機だ。

 いやもう何というか、とっても暑かった……どころじゃない夏だったので、猫もへちゃっとつぶれておりました。ハイエンド機じゃなくても撮れる写真じゃないかと言われそうだけど、夏の外猫はこんなだったのです。これは、とあるお寺の猫。

ハイエンド機じゃなくても撮れる写真だけど、夏の猫は何で撮ってもこんななのでしょうがない。暑かったよね。2024年8月 キヤノン EOS R5 Mark II

 次は、最近ではミドルハイなんて言い方もする、ミドルクラスの中で上のほうの機種。概ね、価格と性能を見て言ってるのだけど、そこに投入されたのがニコンの「Z6III」。

 賢くて速いAFと高速連写の組み合わせがトレンドなのだけど、ちょうどそれに合致する猫写真があったので、冒頭に持ってきた。とある神社の猫がダダッと駆け出す瞬間だ。これ以外は、ほぼグデーッとつぶれてる猫写真ばかりなのだった。まあ、今年の夏は長くて暑かったというのを思い出してください。

グデーッとつぶれてるハチワレ。夏の猫は何で撮ってもこんななのでしょうがない(以下同文)。2024年6月 ニコン Z6III

 そんな高性能モデルがどんどん出てくる中、フルサイズセンサー機で、ひたすら小さくて軽くて低価格なカメラが注目を浴びた。パナソニックの「LUMIX S9」だ。ユーザーが自分で好きなテイストの画風で撮影できるリアルタイムLUTが話題となった。

 パナソニックがいいのは、小さなS9に似合う小型・軽量ズームレンズに強いこと。これはありがたい。

超小型カメラに超小型高倍率ズームを付けて、とあるお寺の猫を。好みの色を楽しむカメラという新機軸。2024年6月 パナソニック LUMIX S9

 比較的廉価で手を出しやすい領域のカメラとなると、APS-Cサイズセンサーとなる。このジャンルの注目は富士フイルムの「X-T50」。クラシカルな操作感とフィルムシミュレーションダイヤルが売り。撮影を楽しむ趣味のカメラとして非常にいい。

気持ちよさそうに昼寝してるチャトラがいたので、望遠でそっと撮ってみた。表情がたまらない。2024年5月 富士フイルム X-T50

 さらに廉価な入門機となると、秋に登場したニコンの「Z50II」。入門機というと性能面で劣るようなイメージがあるかもしれないけど、上位機と違うのは、頑丈さとか、連写枚数とか、より暗い場所でもピントが合うかとか、ファインダーの見やすさとか、拡張性とかそういうところで、日常的な撮影なら十分。むしろ軽くて持ち歩きやすいぶん、気軽に撮れる。

アパートのドアの前でじっと待ってるチャシロ。実は、この部屋に住んでる爺さまが出てくる(あるいは玄関が開いて中に入れてもらう)のを待っているのだ。2024年11月 ニコン Z50II

 最後は、マイクロフォーサーズ機。OMデジタルソリューションズから「OM-1 Mark II」、パナソニックから「LUMIX GH7」が出たけれども、ここではOM-1 Mark IIで撮った猫を。毛繕いしてる黒猫がいたので望遠レンズで連写し、舌が一番かわいく出てるカットを選んでみた。

望遠レンズで顔のドアップを狙ってみた。真冬なので、暖かい草むらの中で暖かい日差しを浴びながら毛繕いしてたのだった。2024年2月 OMデジタルソリューションズ OM SYSTEM OM-1 Mark II

 ここで取り上げなかった機種もまだあるけど、主なものってことでこの辺で。

 個人的にはハイエンド機のみならず、小型・軽量で比較的低価格なカメラも出始めたのがうれしいところ。みんながみんな超高性能機を求めてるわけじゃないからね。

 少なくとも私は、日常的に持ち歩けるコンパクトさで、猫AFが優秀なカメラが好きです。

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筆者紹介─荻窪 圭

 
著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系フリーライター兼猫カメラマン。今はカメラやスマホ関連が中心で毎月何かしらのデジカメをレビューするかたわら、趣味が高じて自転車の記事や古地図を使った街歩きのガイド、歴史散歩本の執筆も手がける。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『古地図と地形図で楽しむ東京の神社』(光文社 知恵の森文庫)、『東京「多叉路」散歩』(淡交社)、『古地図と地形図で発見! 鎌倉街道伝承を歩く』(山川出版社)など多数。Instagramのアカウントは ogikubokeiで、主にiPhoneで撮った猫写真を上げている。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/

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