好きを突き詰めたら人生にも変化が!〝タイ沼民の愛〟が詰まったポッドキャストから語学本が出版
タイや推しへの愛があふれ出る! 〝タイ沼民〟の気持ちを詰め込んだ一冊が完成
タイ語の学習学参考書を出したいという依頼が出版社から阿波加さんのもとに届いたのは、2023年6月のこと。タイエンタメのポッドキャスト番組を制作してはいるものの、阿波加さんも白蝶さんもタイ語はほぼわからない状態だったため、ただただ驚くばかりだったという。
「もう、無理無理無理無理って(笑)。Yuriがいたころならまだしも、今の私たちになにができるのかと。でも、正直うれしかったので、話だけでも聞いてみることにしたんです。そうしたら、タイ語の監修する方はほかにいて、私たちには日本語のフレーズを出してほしいという話で。それならできるかも!ということで、お引き受けしました」
タイ旅行はもちろん、ドラマの聖地巡礼、ファンミーティングといったイベント参戦などの推し活で使える表現から、タイドラマに出てくる表現まで、〝タイ沼民〟のためのタイ語フレーズを詰め込んだこの一冊。「ウェルタイ」が出版社から依頼されたのは、読者目線に立った〝タイ語を知りたい側〟の〝知りたい情報〟をリストアップすることだった。
「日本語フレーズを出す担当とは言え、私と白蝶、メイの3人だと視聴しているドラマも限られてくるし、内容が偏ってしまうのでないかと不安になり…。そこで『ウェルタイ沼の会』の会員さんを巻き込んでいいかと編集担当さんに聞いたらOKが出まして。その時点でまだ本の内容などは公表できなかったので、もちろんポッドキャストでは話さず、有料会員さんとの秘密のプロジェクトとして進行。何度もオンライン会議で説明し、質疑応答の場を設けたりして、みんなで一緒に案を出し合いました」
1か月という募集期間で有料会員から集まった日本語フレーズは170個。なかには重複しているものや、テーマからそれているものなどもあったため、3人で精査をして最終的に92個のフレーズを提出した。同書では92のフレーズに加え、その応用も含めると約360個の表現を掲載。挨拶などの基本的な表現のほか、「あなたの推しはだれですか?」「ファンサが神。」など、一般的な語学本には書かれていないが〝タイ沼民〟には、必ず役立つフレーズが満載だ。
「タイドラマが大好きなみんなが知りたいと思うであろうフレーズを抽出するに当たっては、『タイドラマファンの気持ちを代表して作るんだ』ということにこだわりました。フレーズのほかにも、タイドラマを見ていて気になったタイ語にまつわることも会員さんから募集。40個ほど集まったので編集の方に『〝タイ沼〟のみんなはこんなことも知りたいんです!』と提案したら、文末表現や人称の表現など、本の中でコラムとして採用してくれました。フレーズやコラム案が採用された会員の方は制作協力としてクレジットされているのですが、『まさか本に自分の名前が載るなんて!』と喜んでいらっしゃいます」
みんなの好きを詰め込んだポッドキャスト番組がきっかけで本を出すことになったことについて、阿波加さん自身はどう考えているのだろうか。
「夢があるなって思います。自分たちが好きなことを続けていたら、なんか想像してなかったことが起こったので。しかもそれを、同じものが好きな人たちと一緒に作れたっていうことが大きいです」
ラジオ制作会社から独立というライフシフトを経たことで、ポッドキャスト番組を立ち上げ、仲間と共に本を出版するという思いもよらなかったことが起きた阿波加さん。今回、語学本の制作に携わったことを機に、もっと本格的にタイ語習得にチャレンジしてきたいとか。そして、「ウェルタイ」のリスナーにも〝タイ沼〟にハマったことがきっかけでタイへの留学や移住というライフシフトをした人のほか、新しいチャレンジをしている人が多いと教えてくれた。
「リスナーさんは30~50代をはじめ、もっと上の人もいるのですが、SNSを始めたり、タイのサイトでグッズや配信番組を購入したり、海外送金したりと、それまで苦手だったデジタルを使いこなしている人が多いんです。〝オタク活動〟ってそうだと思うんですけど、楽しいことが増えて、新しい交流も増えて、結構みなさん、新たな青春してるというか(笑)。なかには70歳で推しの俳優さんを追いかけて、タイ俳優のカウントダウンライブで年越しをしたという方も。しかもスタンディングで! そんな風にタイエンタメにハマってから人生が変わったリスナーがいっぱいです」
そんな〝好き〟を同じくする多くの仲間の力で成り立っているという「ウェルタイ」だが、最後に今後の番組としての目標を聞いてみた。
「『ウェルタイ』はリスナーさんのお便りがないと成立しない番組です。企画テーマのお題に参加してくれたり、ファンミなどのイベントレポ、ドラマの感想など、誰かのお話しを私たちが代理で紹介して、誰かの耳に届く。そうすることで〝タイ沼〟の仲間の輪が広がっていきました。だから、『ウェルタイ』としては、今後もできる限り、この番組を続けていきたいと思っています。タイエンタメが魅力あるコンテンツを提供してくれる限り、番組のネタはつきないので、リスナーのみなさんとずっと一緒にワイワイしていけたらと!」
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