セブン-イレブンの「シュクメルリ」ごはんが進むおいしさ、スパイス感のあるアレンジに納得
2024年12月05日 18時00分更新
「稲田シェフ監修 シュクメルリ」
セブン-イレブン
12月3日発売
645円
https://www.sej.co.jp/products/a/item/040126/
シュクメルリには
「白い」イメージがあるかも……
シュクメルリは、鶏肉をガーリックソースで煮込んだ伝統的なジョージア料理です。牛乳やクリームソース、ナッツなどを加える例もあります。
日本で定着したきっかけといえば、松屋がジョージア料理をアレンジした「シュクメルリ鍋定食」でしょう。もともと2020年に東京五輪が予定されていたため、そこに向けて世界の料理を松屋で紹介していく……というスケジュールの一環として生まれたものだったとのこと。
松屋のシュクメルリといえば、Xで日頃からジョージア情報を発信しているティムラズ・レジャバ駐日ジョージア大使もチェックしていたのは有名な話。シュクメルリ鍋定食が話題になったきっかけの1つにもなりました。
ところが、セブン-イレブンのシュクメルリは、松屋で提供されて日本で広まった「白い」シュクメルリとはすこし異なるように見えますよね。ごはんも白米(ジャポニカ米)ではなく、バスマティライスです。
エリックサウス総料理長が監修
「スパイス料理」としてのシュクメルリ
セブン-イレブンのシュクメルリは、南インド料理店・エリックサウスの総料理長としても知られる稲田俊輔氏が監修しています。稲田俊輔氏がXでポストしているところによれば、伝統料理としてのシュクメルリは「ガーリックオイルまみれのチキングリル」的、レストラン料理のシュクメルリは「フレンチのフリカッセ」的なんだそうです。
稲田俊輔氏はその中間よりやや伝統よりの「スパイス料理という切り口」からの解釈を踏まえつつ、「コンビニ弁当」というカテゴリーにマッチさせたチューニングしたとのこと。
伝統料理としてのシュクメルリは、むしろアヒージョとかに近い「ガーリックオイルまみれのチキングリル」的な料理で、そこからの発展系として、乳製品が加わって白いものもあります。…
— イナダシュンスケ (@inadashunsuke) December 3, 2024
ちなみに、セブン-イレブンの広報画像だとシュクメルリ部分がかなり白っぽく見えるのですが、レンジで温めると油脂分が溶け出したせいか、オレンジ色っぽく見えてきます。
バスマティライスに合わせた味付け
インドカレーにも似たスパイス感
このセブン-イレブンのシュクメルリは、かなり強引に言えば、バターチキンカレーに似ているように思います。クリーミーではありますがドロッという感じではなく、オイリーでもあり、スパイス感もある。なので、シチューというよりはカレーに近い雰囲気。
たとえば、松屋のシュクメルリはどちらかというと「ニンニクの効いたクリームシチュー」であり、「ごはんに合うといえば合うけど、パンでもよいかなあ」という雰囲気もありました。松屋らしく濃い目の味付けではありましたが(隠し味にしょう油を入れるなどしていたそうです)。
一方、セブン-イレブンのこれは、バスマティライスとの相性が最高です。「シュクメルリなのに、インドのバスマティライス?」と思いましたが、シュクメルリ部分にスパイスの香りが効いていることもあり、違和感はありません。
そのため、シュクメルリを食べるというよりインドカレーを食べているような感覚がありました。このあたり、稲田氏が監修した成果がほんとうによく出ていると思います。スパイスを際立たせたアレンジというか……。そうなってくると、バスマティライスを選んだ理由も見えてきます。
シュクメルリらしくチキンも入っていますが、ニンニクの香りとオイリーな感じ、そしてスパイスの風味と一緒に食べるわけで、具材からも(我々の知る)インドカレーらしさを覚えるといいますか……。
とにかく、「バスマティライスと合わせてコンビニ弁当にする」ためにチューンされたシュクメルリだと思います。といっても、いたずらに“カレー化”したわけではないでしょう。伝統料理とレストラン料理とで違った顔を持つシュクメルリの現状を踏まえ、スパイスを使いながらまとめたわけで、これはこれで立派なシュクメルリだと感じました。
コンビニ弁当としてのクオリティーも高い
シュクメルリは「世界一ニンニクをおいしく食べるための料理」などと言われますが、このシュクメルリは「ごはんを進めること」に特化した味のチューンになっていると思います。それも白米ではなく、バスマティライスを引き立たせるためにスパイス感を使ったといいますか。
というわけで、いわゆる日本で流行った「牛乳感のあるシュクメルリ」を想像すると「おや?」となるかもしれませんが、インドカレー的な「スパイス感のあるソース(カレー)」としての完成度はかなり高い。さすがはセブン-イレブン、そして稲田氏が監修しただけのことはあります。
「へえ〜、こういうシュクメルリの考え方もあるんだ!」と感心した次第。納得のアレンジです。もちろんコンビニ弁当としてのクオリティーも高いので、かなりおすすめですね。
※価格は税込表記です。
モーダル小嶋
1986年生まれ。「アスキーグルメ」担当だが、それ以外も担当することがそれなりにある。編集部では若手ともベテランともいえない微妙な位置。よろしくお願いします。
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