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山根博士の海外モバイル通信 第726回

1700万円のシャオミ製スーパースポーツEV「SU7 Ultra」を広州モーターショーで見た

2024年11月28日 12時00分更新

文● 山根康宏 編集●ASCII

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Xiaomi SU7 Ultra

世界中のスーパーカーの衝撃を与える高性能!
シャオミのEVの進化が早すぎる!

 日本ではスマートフォンのみならず、IoT製品から日用雑貨まで様々なアイテムを投入しているシャオミですが、中国ではEV(電気自動車)の新車を10月に発表。11月15日から中国の広州市で開催された広州モーターショーにシャオミは出展し、その新車「SU7 Ultra」を披露しました。

広州モーターショーのシャオミブース

 SU7 Ultraは4ドアタイプのスポーツセダンで、最高のパフォーマンスを実現するための本体デザインを採用しました。すでに販売中のEV「SU7 Max」をベースに、エアロダイナミックキットを追加することでボディーサイズを大型化し、流線型のデザインに仕上げています。

 前面は大型のフロントスプリッターとエアダム、U字型エアカーテンを装備することでダウンフォースを高めたとのこと。さらにエア取入れ口を大型化し放熱面積も10%増やしているとのことです。

SU7 Ultraのフロント

 ボディーサイズは全長5115×全幅1970×全高1465mmで、ホイルベースは3000mmとなります。モーターはハイパーエンジンV8を搭載し、最高出力は1548馬力。0-100km/hまでの加速時間は1.98秒。最高速度は350km/hとなります。バッテリーは中国CATL社のQilin 2.0(93.7kWh)を採用しています。

高出力モーターを搭載

 車体後部にはカーボンファイバー製の固定式リアスポイラー(翼幅1560mm、弦長240mm)を装着しており、高速走行時のダウンフォースを高めます。これらの空気設計により、SU7 Ultraはスーパーカーに匹敵する最大285kgのダウンフォースを実現したとのこと。

リアスポイラーでダウンフォースを高めた

 今回の展示は車内には入れませんでしたが、内部はスポーティーなデザイン仕上げとなっており、黒とイエローのツートンカラーにまとめられています。インフォテイメントシステムはシャオミのHyperOSで動作するのは当然でしょう。コックピットのデザインも既存のSU7から一新され、スポーツカーにふさわしいものになっているそうです。さらにレース向けの「Racetrack Master」アプリを開発し、走行データをリアルタイムで表示できるとのこと。

内部もスポーツカー仕上げになっている

 リリースは2025年3月の予定。価格は81万4900元(約1736万円)で、現在予約を受け付け中。予約金として1万元(約21万円)の支払いが必要です。なお、中国以外での展開は現時点では予定されていません。

1000万円を超えるスポーツカーだ

 シャオミブースにはこのSU7 Ultraのベースとなった「SU7 Ultra Prototype」も展示されていました。こちらは8月に発表されたモデルで、SU7 Ultraのベースとなるべく新型モーターの搭載や本体デザインを設計したものです。

SU7 Ultra Prototypeは量産に向けての試作車

 広州モーターショー開幕に先駆け、10月28日にドイツのニュルブルクリンクサーキットの北コースでラップチャレンジを行ない、6分46秒874という記録を達成。4ドアカーの最速記録を7年ぶりに塗り替えたとのこと。ブースに展示してあるモデルはこのラップチャレンジで使われた実車で、車体に見える傷は苛酷なテストに耐えた証です。

実際にラップチャレンジを行なった実車だ

 スマートフォンメーカーはハイエンドモデルを開発することで、エントリーモデルを含む自社製品全体の性能やパフォーマンスを引き上げていくことができます。自動車の世界も同様で、2024年になって市場参入したシャオミにとっては、スポーツカーの開発が今後のEV製品の性能を高める結果につながっていくでしょう。

 いつの日か、シャオミのEVが日本の道路を走る日がやってくるかもしれません。同社のEVの展開にも注目しましょう!

シャオミのEVにも注目だ

筆者紹介───山根康宏


 香港在住の携帯電話研究家。海外(特に中国)のスマートフォンや通信事情に精通。IoT、スマートシティー、MaaS、インダストリアルデザインなど取材の幅は広い。最新機種のみならずジャンク品から100万円のラグジュアリーモデルまであらゆる携帯電話・スマートフォンを購入する収集家でもあり、その数はまもなく1800台に達する。

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