「GALLERIA XA7R-R47S 9700X搭載」でゲーム・クリエイティブ向けのベンチマークをチェック
AAAタイトルでもWQHDは固い! Ryzen 7とRTX 4070 SUPERでゲームに強いBTOPC
2024年11月28日 11時00分更新
クリエイティブ系やAI用途にも高い適応性
次は、実際のアプリケーションやAIツールの動作を通じてパソコンのパフォーマンスを計測するベンチマークツール「UL Procyon」(2.8.1352)を使用する。
UL Procyonに含まれる「Photo Editing Benchmark」「Video Editing Benchmark」で画像処理や動画編集に関わるパフォーマンスを計測。「AI Computer Vision Benchmark」でAI処理能力に関わるパフォーマンスを計測している。
まずはPhoto Editing Benchmarkの結果から。このベンチマークでは「Adobe Photoshop」と「Adobe Lightroom Classic」を用いた、画像加工や連続画像処理のパフォーマンスをスコアー換算した結果を見ることができる。
結果は9844と高いスコアーを記録した。スコアーの内訳にある「Image Retouching score」が、Photoshopでの画像加工処理能力でCPU&GPUのパフォーマンスを示し、「Batch Processing score」がLightroom Classicを用いた連続画像処理能力でCPUのパフォーマンスを示している。
とくにImage Retouching scoreの12263はとても高いスコアーで、Zen5アーキテクチャのRyzen 7 9700Xだからこそのスコアーとなっている。一方でBatch Processing scoreはCPUコア数がモノをいうベンチマークのため、8コア/16スレッドのRyzen 7 9700Xには少々不利なベンチマークだ。ただそれでも十分高いスコアーと考えていいだろう。
次にVideo Editing Benchmarkの結果を見てみよう。「Adobe Premiere Pro」を用いて、編集を施したプロジェクトファイルの動画書き出しにかかる時間を計測してスコアー換算するベンチマークだ。CPUのみで処理する場合とGPUを利用した処理の2パターンを実施した。
両者の差は一目瞭然で、動画編集においてGPUの恩恵がいかに大きいか、RTX 4070 SUPERというアッパーミドルGPUの存在の大きさが感じられる結果となった。
最後はAI Computer Vision Benchmarkだ。様々なAIアルゴリズムを使用し、INT(整数)、FP16(16bit浮動小数点)、FP32(32bit浮動小数点)、それぞれの演算精度で1回の推論にかかる時間を計測しスコアー換算するベンチマークだ。
今回はGPU(NVIDIA TensorRT)での演算とCPU(Microsoft Windows ML)での演算、それぞれでINT、FP16、FP32の3パターン分計測を行なっている。
現在、AI処理をCPUで行なうことはほとんどないと思われるが、ベンチマーク結果を見るとCPUとGPUのAI処理能力の差に改めて驚く部分もあった。
傾向として、GPUのRTX 4070 SUPERはINTがずば抜けて処理能力が高く、FP16とFP32ではキッチリ2倍の関係を示している。一方CPUのRyzen 7 9700XもINTが最も高スコアーな点は変わらないが、FP32もなかなか検討しているという結果が面白い。FP16の結果が芳しくないのは気になるが、何度か計測しても同様の結果で原因はわからなかった。
ゲームにクリエイティブにとオールマイティに活躍できる1台
以上、今回は重ための処理を中心にXA7R-R47Sのパフォーマンスを探ってきた。検証結果からXA7R-R47Sは重量級ゲームタイトルもWQHD高画質設定でスムーズにプレイ可能なパフォーマンスを持つゲーミングパソコンということがわかった。
昨今の重量級ゲームタイトルは、フレーム生成技術対応が当たり前になりつつあるので、DLSS 3(DLSS FG)を持つRTX 40シリーズの強みをしっかり活かすことができるだろう。このパフォーマンスがあれば当面の間、新規リリースされるゲームタイトルも不足なく遊べるはずだ。
またディスプレー環境はWQHDがベストマッチではあるものの、少し画質設定を調整すれば4Kも十分守備範囲に入るパフォーマンスを見せたのも僥倖だった。大画面4Kテレビに接続して楽しみたいといった需要にも応えられるはずだ。
加えてクリエィティブ系アプリに関しては、最新のZen5アーキテクチャを採用するRyzen 7 9700XとPhotoshopとの相性が良いことが伺えた。もっと本格的にクリエイティブ処理へ振るのであれば、よりコア数の多い上位CPUが適しているといえるが、ゲームパフォーマンスやコストとの兼ね合いを考えると、様々な用途で快適に使えるアッパーミドルパソコンとして丁度良いバランスに仕上がっていると考える。
ゲームもクリエイティブもオールマイティに対応できるXA7R-R47Sは、一歩踏み込んだ領域でゲームやクリエイティブに触れてみたい方にオススメできる1台だ。