2024年、デジタル一眼フラッグシップ機界最大のトピックが、キヤノンの「EOS R1」である。ガチのプロ機で、でかくて重くて高くて頑丈で高性能というカメラであるから、気軽に猫と出会って猫と遊んで猫を撮ろう、的なこの連載には贅沢すぎるカメラではあるけれども、やっぱ、スゴいカメラで猫を撮ってみたいよね。
ってことで、いち早く使わせてもらえたEOS R1で猫撮影である。
まずはあいさつ代わりに、某神社猫のタビさん。お世話してくれるおじさんに撫でられて幸せそう。
ちなみに彼はフォトグラファーで、首から提げているのはニコンの「Z 8」です。狙って撮ったわけじゃないのだけど。
ここにはもう1匹、きなこさんがいる。ちょっとこっちを警戒しながら伸び中。
この日は、なかなか近寄らせてくれなかった。
ここに来る人がみなカメラやスマホを向けるから、最近は撮られてると思うとぷいっとしちゃうんだよ、という。カメラ嫌いになってしまったか。でもまあ、そういうものだよね。
と、夕刻の神社でのほほんとカメラを向けていたわけだが、いやせっかくのEOS R1なのだから、動きがある瞬間を撮りたい。
というわけで、猫たちのお昼寝タイムが終わった「保護猫シェルター QUEUE」へおじゃま。そして撮った動きのある写真が……高性能の無駄遣いって感はあるけど、カメラを向けてたら突然あくびをしてくれたので。
ピシッと猫の目にフォーカスが来てるし、レスポンスもいいので一番いい瞬間を撮れた。
では、連写に挑戦。EOS R1の連写は最高で秒40コマ。さすがである。
なので、動きのある写真を撮ろうと、やたらアクティブなキジシロハチワレにターゲットを絞り、じーっと動く瞬間を待つ。
お客さんがひとり、猫おもちゃを持って猫を誘っており、姿勢を低くして今にも飛びかかろうとしていたのだ。こういうときは、シャッタースピードを上げ、猫の進行方向を開けて待つべし。
こちらも息を止めて、飛びつく瞬間を待つ。そして、ダダッ。シャッタースピードは1/1250秒。夕刻の暗い室内でISO感度はISO4万まで上がったけど、このクオリティ。
いやあ、良いですな。
次は、猫瞳AF+連写テストの定番、おもちゃを左手に持って猫を誘い、右手でカメラを持って撮影である。前足で瞳が片方隠れても、ピシッと追ってくれました。
そして、何度も遊びながら撮って、一番きれいに顔のアップを撮れたのが冒頭写真である。
EOS R1で撮影してて、わかったことがふたつ。
ひとつは、ムチャな撮影でもピシッと撮ってくれる、さすがのフラッグシップ機感。電子シャッターで撮ってもほとんど歪みは気にならないし、ファインダーも見やすいし、信頼感があるし、画質も階調が滑らかでいい。
もうひとつは、フラッグシップ機の重たいカメラを片手で構えて、もう片方の手で猫を誘うなんて撮り方を何度もしてると右手手首を痛めそう、ということ。軟弱な手首ですみません。
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筆者紹介─荻窪 圭
老舗のデジタル系フリーライター兼猫カメラマン。今はカメラやスマホ関連が中心で毎月何かしらのデジカメをレビューするかたわら、趣味が高じて自転車の記事や古地図を使った街歩きのガイド、歴史散歩本の執筆も手がける。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『古地図と地形図で楽しむ東京の神社』(光文社 知恵の森文庫)、『東京「多叉路」散歩』(淡交社)、『古地図と地形図で発見! 鎌倉街道伝承を歩く』(山川出版社)など多数。Instagramのアカウントは ogikubokeiで、主にiPhoneで撮った猫写真を上げている。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/
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