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みやさとけいすけの工具探検隊 第60回

パーツの面や細部の仕上げに活躍!

え、金属ヤスリってどう選ぶの? ツボサンの「組ヤスリ」を試してみました

2024年10月21日 18時00分更新

文● 宮里圭介 編集●こーのス/ASCII

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●本数の違いはサイズの違い!

 組ヤスリの用途は、機械加工した後に細かい部分を手作業で仕上げる用、となっています。大きく削って形を作るというものではなく、傷を消すサイズの微調整バリ取り角を丸める、といった用途で使うのに適しています。

 こういった用途で使いやすいよう、サイズは小さ目。ツボサンの組ヤスリだと、全長が約170〜215mmとなっていました。片手で軽く持って作業できるサイズです。

一番大きなものでも、全長215mm程度と片手サイズです

 サイズは、組まれている本数によって変わります。5本組は215mm、8本組は200mm、10本組は185mm、12本組は170mmと、本数が多いほどサイズが小さくなります。

左から、5本組、8本組、10本組、12本組の長さの違いです

 本数が増えるとヤスリの形状も増加。5本の場合は、平面や内角削り向けの「平」「角」、パイプの内側や曲面用の「半丸」「丸」、V溝用の「三角」ですが、8本だとこれに加えて「シノギ」「先細」「楕円」、10本だと「刀刃」「腹丸」、12本だと「ハマグリ」「両甲」と種類が増えていきます。

 サイズが小さいほど種類が増えるのは、より細かな部分まで仕上げられるよう、形状を選べるようにするためでしょうか。

8本組の形状例。左から、「平」「半丸」「丸」「角」「三角」「シノギ」「先細」「楕円」

 目の粗さは、サンドペーパーのように数字の番手では決まっておらず、粗い方から「荒目」「中目」「細目」「油目」の4種類があります。

 大きく早く削りたいなら荒目や中目、傷が少なくキレイに仕上げたいなら細目や油目を選ぶというのがいいでしょう。

 少し戸惑うのは、この粗さは組本数によっても変わること。例えば、5本組の中目は1cmあたり17本目が刻まれていますが、これは、10本組の荒目と同じです。

 削れ方はそこまで大きく変わるわけではないですが、削り跡の違いは出たりするので、知っておいて損はないと思います。

目の粗さ表。ツボサンのカタログより引用

 ちなみに、目の粗さはエンドキャップの色で判断できます。赤は荒目、緑は中目、黄色は細目、黒は油目となっています。

●荒目、中目、細目の違いはどのくらい?

 目の粗さでどのくらい削りやすさが違うのか、また、仕上がりの質感が変わるのかが知りたかったので、荒目、中目、細目の3つで試してみました。

 なお、借りた組ヤスリの都合により、荒目と中目は10本組、細目は12本組で、使用したヤスリの形状は、「平」です。

 削る対象は、小さなL字のスチール金具。この側面を一方向に70〜80回ほど削ってみました。

試したのは荒目(10本組)、中目(10本組)、細目(12本組)です

100円ショップで手に入れた、L字のスチール金具を削ります

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