長野県の八十二銀行と長野銀行は10月16日、業務提携先のアコムからの出向者により、個人情報漏洩(誤送信)事案が発生したことを公表した。誤送信の件数は2行あわせて10万件を超える。
誤ってアコムへ個人情報を送信
漏えいしたとされる情報は以下のとおり。
●八十二銀行
対象:
・預金取引のある一部個人顧客(10万4523件)
漏えい内容:
・氏名、電話番号等
●長野銀行
対象:
・2024年3月31日時点で、長野銀行でカードローン(リベロ、アットローン、アットローン A)を契約していた一部個人顧客(1828件)
漏えい内容:
・契約者氏名、住所、年齢、生年月日、電話番号、勤務先名、借入残高等
八十二銀行ではアコムと業務提携し、同社と「はちにのかん太くんカード」の契約者情報を共有していた。しかし、アコムから同行への出向者が業務提携の内容を誤って解釈。本来送信してはならない、非契約者の個人情報もアコム側と共有していたという。
長野銀行については、2026年1月に予定される八十二銀行との合併に備え、長野銀行のカードローンを八十二銀行のカードローンへと移行する手続き中に個人情報の漏えいが発生。前述のアコムからの出向者が、両行とアコムの3社間で結ばれた機密保持契約の解釈を誤り、顧客の同意を得る前に長野銀行側のローン契約者情報をアコムへ送信していたという。
両行によると、送信された情報のアコム社内での利用や同社外へ流出はなく、データは八十二銀行職員立ち会いの下、破棄されたことを確認済み。被害拡大のおそれはないとしている。
また、両行は本件を受け、内部管理や情報管理体制だけでなく、出向者や業務提携先の管理も強化。再発防止と信頼回復に努める方針だ。