~ママ向けブランド立ち上げのために奮闘! アラフォー姉妹によるチャレンジ②

新しい挑戦にワクワクが止まらない! 姉妹でタッグを組んで理想のワンピースづくりに突き進む

文●杉山幸恵

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信頼のおけるパタンナーの手により、2人のワンピースがさらに理想へと近づく

 ここで洋服づくりの流れについて簡単に説明しておこう。デザイナーがデザイン画を描き、パタンナーがデザイン画から洋服に立体化して型紙に落とし込み、型紙を使って縫製に入る。ざっくりとではあるが、一点もののオーダーメイドも量産品も、一般的にはこの工程でつくられていく。さらに細かい工程については小柳さんの漫画「アラフォー漫画家がファッションデザイナーを目指す話」が詳しいので、ぜひチェックしてもらいたい。アパレル業界において企業形態はさまざまあり、大きな企業になるほど分業が進んでいる一方で、一人でデザインから製図、縫製までを行う場合もある。

 「私が目指しているのは後者であり、自身で持続可能なモノづくりを実現できたらと考え、全工程に対応可能なスキルを学習してきました。ですが、服飾学校で学ぶパタンナースキルは最低限のもので、そこから、よりシルエットがきれいに見える線の引き方、サイズ感などは、実務の中で身に付ける必要があります。今回の新ブランドについては、デザイン画から立体化するパターン制作を一番大切な工程と位置付けており、品質を第一に考えた際に自分でやるよりも、経験豊富な信頼のおけるパタンナーさんに依頼したいと思ったんです」

 そこで、小柳さんは「Antique Carrie」の立ち上げ時にも依頼した株式会社コロンにパターン制作をお願いすることに。同社に対して小柳さんは「小さなブランドにも親身に相談に乗ってくれ、寄り添ってくれる」と絶対の信頼を寄せているそう。その期待を裏切ることなく、百戦錬磨のパタンナーからもさまざまな提案があり、デザインから立体にしていく段階で当初よりブラッシュアップされていった。

 「今回はサイズ展開を行わないことにしましたが、人の体型は千差万別。フリーサイズとして規定する時に、より多くの方にフィットする寸法、シルエットや仕様にしたいと考えました。一般的に人の体型は年齢を重ねるうちに変化していきます。今回はアラサー、アラフォー世代が着ることを想定して、ウエスト周りにゴムを入れてゆとりを持たせて体型変化に対応させたり、腕を動かしやすいようにバスト周りを大きめに取ったりと工夫。ウエスト位置も〝細見え〟するよう少しハイウエストになっています。ネックレスワンピースの方はカジュアルになりすぎないよう、フロントにはゴムを使わず上品さを残しました。それから家事をすることも想定して腕まくりしやすいように袖口はソフトなゴム仕様にしました」

 ネックレスワンピースは、ラウンドネックからVネックにした以外にも、スカートのタック分量を変更した。

 「すっきりしたフレアスカートなのですが、実際に着てみたら私にはお尻周りがきつかったため、タックを多めにしてゆとりを持たせました。私の体型は分類すると標準体型(Mサイズ)なのですが、やや中年太り、下半身が太めの洋梨体型・骨格ウェーブ型なのです。もともとのスタートが『着る物に困った漫画家が服を作る』だったため、まずは自分がきれいに着れる服を目指しました。自分が着られることで、洋梨体型・骨格ウェーブ型のお客様に安心して着てもらえることを担保するみたいな発想で。だから私が手がけるブランドには、わりとフィットアンドフレアのワンピースが多いんです。ちなみに妹はストレート型なので、今後のデザイン展開も変わってくるかもしれません」

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