環境保護のために、俺たちに何ができる? 「TOKYO GX ACTION BEGINNING~知るから始まる脱炭素~」レポート

昔はiPhoneを買うために14時間くらい並んだなあ、銀座に来て思い出したよ

文●モーダル小嶋 編集●ASCII

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iPhoneが欲しくて
長時間並んだんですよ

 取材で有楽町を訪れたときに、Apple 銀座のことを思い出しました。正確には、iPhoneを買うために行列したことですが。

 今では、iPhoneの“争奪戦”は、予約の開始とともにオンライン上で動き出す話でしょう。しかし、昔は店舗の前で、iPhoneを求める人たちによる長〜い行列ができていたのです。時には、14時間くらい並ぶこともありました(参考:iPhone 5s購入反省会 14時間待ったかいはあった?)。

iPhone 6発売時のアップルストア銀座

 転機になったのは、2015年のiPhone 6sシリーズの発売でしょうか。前年のiPhone 6シリーズの発売時、転売が目的と思しき人たちの行列や横入りなどが問題となったため、アップルは予約を徹底化。

 基本的に、当日に購入できるのは事前に予約したユーザーである……という流れになったため、長〜い行列を見ることはなくなりました。

 それ以降、予約購入をした人たちが開店前に並んだり、「当日に店頭在庫を用意する」とアップルが発表したためにどうしても当日に欲しい人が並んだりということはあっても、“長時間にわたる長蛇の列”は過去のものになりつつあります。

 もっとも、世の中は広く、“聖地に並ぶ”ことそのものをスピリットとして燃やしている方もいます。それもまた、iPhoneの力によるものでしょうか。世界的ですもんね。

ワクワクしていたし、
やっぱり疲れたし

 筆者も、かつて、iPhoneを購入するためにApple 銀座(アップルストア銀座店)に並んだのです。iPhone 4Sの発売時(2011年)だったかな。

 行列に並んでいたときのワクワク感、すごかったです。(発表内容が頭に入っていても、それでもなお)どんな技術があの端末に詰まっているのだろう、それをとにかく早く手に入れたいと胸を踊らせつつ、歩行者や付近の住人の邪魔にならないように可能な限り配慮していたことを思い出します。基本は立っていたので、めちゃくちゃ疲れたんですが……。

 そんなことが頭をよぎったのは、10月13〜14日の2日間、有楽町の国際フォーラムで開催されている「TOKYO GX ACTION BEGINNING〜知るから始まる脱炭素〜」の取材に訪れたからです。有楽町で開催されたので、帰り道に銀座を通った際に、ふとiPhoneのことを思い出したという次第。

会場が国際フォーラムなので、有楽町は近い

アップルにとっても
環境問題への取り組みは重要

 「TOKYO GX ACTION」が訴えている“脱炭素”と、iPhoneという端末(そのものも、それが生産されるプロセスも)、まったく関係がないわけではありません。

 アップルといえば、環境問題、気候変動問題に関して、長年にわたって取り組んできた企業。iPhoneやMacなど、新製品に関する発表や性能紹介の際、環境に配慮していることについて触れるのは定番です。

アップルのアースデイ

こちらは2021年、「アースデイ」に向けてApple Storeのロゴの葉の色が変わったときの様子

 大きな取り組みとしても、2020年には、2030年までに販売するすべてのデバイス製造において、温室効果ガスの排出をみなし上ゼロにする「カーボンニュートラル」計画を発表していました。

 また、2021年には温室効果ガス削減に関する取り組みとしては初の「Restore Fund(再生基金)」を発表しています。Restore Fundとは、大気中から二酸化炭素を削減することを目指す森林プロジェクトに直接投資をすることで、投資家が金銭的なリターンを得る仕組みのこと(参考:アップル、温室効果ガス削減を目指す2億ドル規模の「Restore Fund(再生基金)」を発表)。

 環境問題について真摯に向き合ってきたアップルの製品に対する思い出を、脱炭素を考えるイベントで振り返るのは、自然な流れではないでしょうか。いや、まあ、イベントの会場が有楽町だったからかもしれませんが……。

変わりゆく街の景色の中に
残したいものもあるはず

 それにしても、街の景色は変わっていくものです。Apple 銀座は現在改装中で、2022年から仮店舗で営業中。2025年後半までに元の場所に戻り、再オープンするようです。

Apple 銀座

Apple 銀座が入っていたサヱグサビル本館は建て替え中です

 場所は銀座から離れますが、ASCII編集部で働く筆者が「うわ! なくなるんだ」と強く思ったのは、秋葉原中央通りで長年にわたり営業を続けてきた「ミスタードーナツ 秋葉原ショップ」です(参考:秋葉原のミスドが閉店……人気店だけに驚きの声も)。

 筆者が東京で暮らし始めた頃、秋葉原で時間をつぶしたいときに何度も訪れた、思い出深い場所。また、ベテランの秋葉原担当の編集部員にとっても、打ち合わせでよく利用したなじみ深い店舗だったとのこと。やはり、寂しいものがあります。

 もちろん、今の景色がずっとそのまま残っていくはずがありませんし、新しくなることで良くなっていくものもあるでしょう。いたずらに「変わってほしくない」と言い続けるだけではよろしくありません。

 その一方で、“持続可能な〜”という言葉の通り、環境問題について気を配り、小さなことからでも実現していけば、未来に残したい現在の風景をより長く存続させられるケースもきっとあるはずです。

2024年の銀座。この景色はいつまで残るのでしょうか

 それにしても、最近では取材に行くたびに、「そういえば、ここで記事を書いたっけ」「そのときはカメラを忘れてひどい目にあったっけ」などと物思いに耽ってばかりです。「この風景、変わってほしくないな……」と思うことも、たまーに。

 それは、まがりなりにも、自分もベテランになってきたという証でしょうか。それとも、ただ年を取っただけでしょうか……。

TOKYO GX ACTION BEGINNING〜知るから始まる脱炭素〜

DAY1:2024年10月13日(日)11:00〜19:00
DAY2:2024年10月14日(月・祝)10:00〜17:00
開催場所:東京国際フォーラム ホールE
入場料:無料

URLhttps://tokyo-gx-action.jp

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