ソニーは10月2日、LinkBudsシリーズとしては初のBluetoothスピーカー「LinkBuds Speaker」を発表した。実売価格は3万円弱。発売は10月11日。
多くの時間・場所で音に触れる人に向けた製品。ミニマルデザインで確かな高音質、ヘッドホンと連携できる「Auto Switch」を特徴としている。LinkBudsシリーズのユーザーに対して、シームレスな音楽体験を提供することに加えて、小型で高音質なワイヤレススピーカーを探している人もターゲットにしている。
ソニーの調査では、スマホで音楽を聴く時間が10時間を超える人の割合は10代で30%、20代で25%程度と高い。一方、ワイヤレススピーカーを検討している人は、第1に重低音だが、それに続く形で音のバランスと音質、小型・軽量性などを上げる声も高いという。重低音については先日「ULT FIELD」という製品を提供しているが、LinkBuds Speakerについてはそれとは異なる、小型でありながらクリアなサウンドを特徴とする製品となっている。
小型なのに高音質化、多機能なスピーカー
製品としてのポイントをまとめる。まず、高さ約11cmの手のひらサイズながら、高域と中低域を異なるスピーカーで担当する2ウェイスピーカーを採用しているのが特徴。ツィーターは16mm、ウーファーは48×56mmのX-Balanced Unit。パッシブラジエーターは左右に2機搭載している。
他のソニー製ヘッドホンと連携できる「Auto Switch」機能に対応したのは注目ポイント。スマートフォン操作をせずに、イヤホンのケース出し入れするだけで、再生機器の切り替えができる。
対応機種は同時発表したLinkBudsシリーズのほか、「WH-1000XM5」「WF-1000XM5」など。使用するには、事前にアプリ「Sound Conect」で登録しておく必要がある。まず、Auto Switchを利用するLinkBuds Speakerの「オート接続」設定をオンにして、このスピーカーにヘッドホンをリンクさせる。仕組み的には、Bluetoothのマルチポイント接続を応用したもので、イヤホン/ヘッドホン側の再生が止まると自動的に次の機器に接続を引き継ぐ仕組みだそうだ。
音楽再生に使用するアプリは、一部動かないものもあるそうだが、SpotifyやApple Musicなど基本的に問わないようだ。
また、天面に「Quick Access」ボタンを装備しており、電源をオンするだけで音楽再生を始められる。また、タイマー機能も充実。「Auto Play」では、設定した時間からの音楽再生を始められるほか、再生開始と再生終了時間の設定もできる。朝の支度や寝る前のくつろぎ時間など、生活のルーチンになじむ仕組みだ。
スピーカーを再生しながら充電できるクレードルも用意している。連続再生は25時間、10分で70分の急速充電ができるロングバッテリー設計となっている。
テレワークなどで利用する機会が増えたオンライン通話ができるのもポイント。ハンズフリー通話とエコーキャンセル機能を最適化することで、ワイヤレススピーカーとしては最高の通話品質になっているという。
BluetoothコーデックはSBCとAACに対応。ステレオペア再生やBluetoothのマルチポイント接続にも対応する。
IPX4の防滴仕様で、背面には取り外し可能なストラップを装備。指にかけて簡単に持ち運べる。本体はファブリック素材を仕様、インテリアとの馴染みも配慮したデザインとなっている。カラーはライトグレーとブラックの2色展開だ。