Skydio、エンタープライズ向けの最新ドローン「Skydio X10」用のドローンポート「Dock for X10」を発売
Skydio合同会社
自律飛行の規模を最大化し、データ取得の未来を開拓
自律飛行技術におけるグローバルリーダーである、米国のドローンメーカーのSkydio(スカイディオ、本社:米国カリフォルニア州、日本代表:柿島英和)は、米国時間2024年9月25日、エンタープライズ向け最新ドローン機種「Skydio X10」専用のドローンポート「Dock for X10」(ドック・フォー・エックステン)を発表したことをお知らせいたします。Dock for X10を利用することで、Skydio X10を遠隔地に常設し、場所を問わず必要な時に飛行させることが可能となります。Dock for X10の出荷は、2025年夏以降より日本を含む全世界に向けて順次開始される予定です。
Dock for X10の開発背景
ドローンの導入を普及させるにあたり最大の課題の一つは、ドローン1台ごとに必ず操縦者一人が必要となるという点です。
そのような課題を解消すべく、Dock for X10は2年以上に亘りSkydioが蓄積してきた、400以上もの「Skydio X2」と「Skydio 2+」の導入実績から得た知見に加え、数千時間にもおよぶエンジニアリング業務を経て誕生しました。
このDock自体は、秒速約71.5メートル(時速160マイル)の耐風試験にも動じることなく、過酷な自然環境に耐えることができるように設計されています。また、HVAC(空調制御)システムが内蔵されているため、温度範囲が-20℃から50℃(-4℉~122℉)の極端な環境下でも、ドローンを安全な動作温度で保たせることが可能です。さらに、このDockからのフライト操作は暴風雨に対する耐久性にも優れており、豪雨や最大秒速約12.5メートル(時速28マイル)までの強風でも、昼夜を問わずドローン飛行を実行することができます。
Dock for X10の活用を通じて、ドローンは自律的にデータ収集できるようになるほか、操縦者も複数のドローンを操縦できるようになります。このように、Dock for X10は従来のドローンと操縦者間の制約を解消し、ドローン導入における潜在的な可能性を引き出すことで、ドローン飛行の規模や範囲を真の意味で拡大させることに貢献します。
期待できる活用事例
Dock for X10がインパクトをもたらすことができる領域は、重要産業やインフラ業界など、多岐にわたります。例えば、下記のような貢献が期待できます:
- 緊急事態が発生した際、公共安全や公共事業に関わる組織は、常設されたDock for X10のドローンポートから、数秒の速さでドローンを上空に飛ばし、現場を迅速に確認できるようになります。
- エネルギー事業者も、自然災害が発生した後に重要かつ価値の高い設備を継続的に点検するなど、迅速な対応が可能となります。
- さらに、建設業界では、建設現場に常設されたドローンを利用することで、日々の進捗状況を把握できるほか、大規模な施設では常設のドローンを用いてリアルタイムで安全情報を確認することができます。
その他の特長
Dock for X10は、信頼性と精度に優れています。Dock for X10の着陸面上には可視基準システムが搭載されているため、Skydio X10にある視覚ナビゲーション、同機体に搭載されているAIと自律飛行技術が連携して、正確な着陸を実現できます。
Dock for X10は、公共安全、エネルギー、交通・運送業界など多様な分野での導入を目的として、目視外飛行や厳しい気象条件下での運用を実現できるよう設計されています。ドローンの自律飛行において重要な要素である目視外飛行を実現するため、Dock for X10には気象センサー、ADS-B(放送型自動従属監視)受信機、レーダシステム用の入力端子が装備されています。これにより、遠隔操縦責任者(Remote Pilot in Command; RPIC)は空域と地上の状況に関する正確な情報を得ることができ、遠隔飛行に必要な要件をすべて満たすことが可能です。また、Dock for X10に内蔵されたカメラを使用することで、飛行前の点検や下見も遠隔から行うことができます。
Remote Opsが遠隔飛行の実現をサポート
ソフトウェア「Remote Ops」(リモートオペレーションズ)を使用することで、インターネットブラウザを介して場所を問わず、任意の遠隔地からドローン飛行をオンデマンドで実行できます。また、Skydio X10の遠隔飛行を可能にさせるソフトウェア「Skydio Remote Flight Deck」(スカイディオ・リモート・フライト・デック)は、直感的かつ強力なインターフェースを提供し、操縦者はキーボードまたはゲームコントローラーでドローンを操作することが可能です。さらに、操縦者はDock for X10に配備されたSkydio X10のドローンを20秒以内に起動し、飛行を開始させることができます。飛行中に取得した映像は、セキュリティが確保されたReadyLinkのURLを通じて、ログイン不要で簡単に関係者と共有できます。
Skydio Connect Access PointsとConnect Fusionにより、必要な場所にドローンを配置可能
ドローン飛行において、通信接続性は不可欠であり、特に高品質な映像を取得し配信する際には、信号の受信範囲が極めて重要な要素となります。「Skydio Connect Access Points」(スカイディオ・コネクト・アクセスポイント)は、Skydio X10用の外付けポイントツーポイント(2箇所を一対一で結ぶ接続方式)無線接続のモジュールで、飛行ミッションにおいて最適な通信範囲と帯域幅を確保できるよう、Dock for X10から離れた場所に設置できるよう設計されています。これにより、Skydio Connect Access Pointsは、Dock for X10に直接接続することも、インターネット接続を介して単独で展開することも可能です。セルラー回線がない場所でも、ドローンを必要な場所で遠隔操作できる環境を提供します。なお、Dock for X10には、標準付属品としてSkydio Connect Access Pointsの機器が同梱されています。
さらに、Skydio Connect 5Gによって、拡大し続けるセルラー回線をSkydio X10やDock for X10でも活用できるようになりました。しかし、ポイントツーポイント方式の無線接続には、目視範囲内での運用という制約があり、飛行および通信範囲が限られるという課題があります。そこで、Skydio Connect Fusion(スカイディオ・コネクト・フュージョン)を使用することで、接続方法を問わず、すべての通信オプションを統合し、シームレスに切り替えることが可能です。Skydio X10は通常、標準の接続方法であるConnect SLを使用して飛行しますが、飛行距離が延びて接続が弱くなった場合や、セルラー回線が利用可能なエリアに入ったりした際には、Skydio Connect Fusionが自動的にセルラー回線に切り替えます。これにより、飛行ミッションを中断なしで遂行することができるのです。
Skydioについて
Skydioは、米国最大のドローンメーカーで、自動飛行技術のグローバルリーダーです。AIを活用した自律飛行技術を搭載するドローンとそのソフトウェアを開発・製造しており、導入実績はエンタープライズや政府機関向けなど多岐にわたります。Skydioは「自律飛行により、世界をより生産的に、よりクリエイティブに、そしてより安全にする(Make the world more productive, creative, and safe with autonomous flights.)」ことをミッションとして掲げています。
日本では、国内におけるドローン飛行の安全性向上ならびにドローンを活用した業務全体の高度化・効率化の実現を目指し、エンタープライズ向けに事業展開しています。Skydioの製品・技術は国内でも、土木建設、電力、製造業、通信など多様多種の業界において活用されています。https://www.skydio.com/ja-jp/
〈同時配布先:国土交通記者会、国土交通省建設専門紙記者会、科学記者会〉