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Google Cloudが説明するコンピューティングにおけるCloud Runの位置付け

“非エンジニア”でも1000人が利用する分析基盤を内製、イオンリテールのCloud Run活用

2024年09月30日 16時00分更新

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

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 Google Cloudは、2024年9月25日、「Cloud Run」に関する説明会を開催した。

 Cloud Runは、サーバーレスのコンテナ実行環境であり、2024年8月にCloud Functionsを統合して、新たにGPUに対応したばかりだ(参考記事:Cloud Functions、Cloud Runとの統合を進めてリブランディング、その影響は?)

 説明会では、イオンリテールによるCloud Runを用いたデータ分析プラットフォームの内製事例が披露されると共に、Google CloudからCloud Runの特徴とアップデートについて語られた。

 イオンリテールのデータソリューショングループ マネージャーである今井賢一氏は、「我々のチームは非エンジニア人材であるが、Cloud Runを活用することで、スピーディーでより効果が高いプロダクト開発ができるようになった」と説明する。

イオンリテール デジタル戦略部 データソリューショングループ マネージャー 今井賢一氏

イオンリテール:非エンジニアのチームがデータ分析基盤をCloud Runで開発・運用

 イオンリテールは、デジタル戦略部内にて、クラウド設計やAI・機械学習の実装を担う「データソリューションチーム」を設けている。チームメンバーは、外部エンジニアを雇わずプロパー人材が中心であり、「社内のビジネスドメインを理解する人材がデジタルを身に着ける方が(エンジニアを採用するより)早い」(今井氏)という考えのもとで内製化に取り組む。

 同社は現在、データを価値に変換する「データマネジメントプロジェクト」を推進中であり、基幹システムやEC・アプリのデータを集約・分析することで、顧客のLTV(Life Time Value)を最大化することなどを目指している。

 このプロジェクトのファーストステップとして、顧客データの分析プラットフォームを構築する必要があった。各店舗のスタッフがデータに基づきアクションがとれるよう、Google CloudのBIツール(Looker Studio)からフルスクラッチのBIツール、ダウンローダーまで、ニーズに応じたデータ可視化環境が整ったプラットフォームを理想とした。

データマネジメントプロジェクトの構想

 非エンジニアからなるデータソリューションチームは、サーバー管理のスキルも不足する中で、多くの従業員が接続する分析基盤を構築・運用する必要があった。「サーバー管理に多くの時間を取られてしまうと、ユーザー(従業員)のニーズにスピーディーに応えるために内製化する意味合いが薄れてしまう」と今井氏。この課題を解決したのがCloud Runだ。

 Cloud Runはサーバーレスであるため、OSやミドルウェアのインストールやバージョン管理といったサーバー管理の煩雑な作業をなくすことができる。加えて、最大1000インスタンスまで高速で自動スケーリングでき、ゼロスケールアウトも可能でコスト効率も高い。

 サービス選定の際に、人時でシミュレーションをしたところ、VMでサーバーを立ててアプリ開発した場合とCloud Runを比較して、約3分の1に工数を圧縮できたという。コストシミュレーションにおいても、自動スケーリングにより、約5分の1に抑えられた。「サーバー管理が不要で、簡単にデプロイでき、オートスケーリングかつ低コストで稼働できるというCloud Runのメリットは大きい。1000名以上の従業員の利用するデータ分析プラットフォームの展開が我々でも可能になる」と今井氏。

Cloud Runの人時シミュレーション

コストシミュレーション

 こうしてCloud Runで構築したデータ分析プラットフォームは、アカウントごとに閲覧ページやフィルタリングを制御する仕組みをとっており、初期状態の対象を絞ることで、データ量を減らす工夫をしている。

データ分析プラットフォームのアーキテクチャー

 2024年度中には、1000名以上の従業員に対して本稼働を開始し、業務効率化や顧客理解の促進につなげていく予定だ。テスト段階では、販促(チラシ)の有効なエリアを分析したり、商品がターゲット世代に響いているか来店率を分析したりと、既に成果が表れているという。

 クイックに構築ができ、容易に改修・デプロイができるCloud Runであるが、「クラウドを使い始めた当初はハードルの高い領域」(今井氏)だったという。同チームでは、Tech Acceleration Program(TAP)というGoogle Cloudのワークショップ型の内製支援プログラムに参加しており、そこで自社のボトルネックに対するGoogle Cloudでの解決策を学べたことが、今回のCloud Runでの構築につながっている。

Tech Acceleration Program(TAP)

 今後は、生成AIを介したデータ抽出やグラフ表示機能によってデータ民主化を推進したり、従業員だけではなくメーカーに対してマーケティングデータを販売するプラットフォームの構築などを検討しているという。

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