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40歳を目前にオランダへ移住!長年の夢だった海外での生活をかなえるべくライフシフト

文●杉山幸恵

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日本での生活を手放したことで、つかまえることができたオランダでの新しい幸せ

 日本を離れて約2年、矢島さんにとってオランダに移住してよかったことはどんなことだろうか。

 「日本にいては知り合えなかった人たちと繋がれたことですね。夫と会えたことはもちろん、共同でビジネスをすることなった日本人エンジニアの方、小うるさいけど頼りになる仕事先のアルゼンチン人、日本オタクのオランダ人学生など…。先日は夫の知人で日本好きなオランダ人のORIGAMIワークショップに参加し、折り紙でくす玉の作り方を教わりました。また、日本人であることを誇りに思えるようになったのも新しい発見です。日本という国を外から俯瞰して見られたことで、日本が好きだという自分を再認識できました。特に食文化においては、日本人がいかに繊細な心遣いで料理を作り、提供されていたかが分かります。オランダ人はどこへ行ってもパンとハムとチーズで事足りるので、食に関してはこだわりがないようです(笑)。日本にいたら和食は特別ではありませんでしたが、今は毎日、『本当に和食って最高だな!日本人でよかった!』と実感しています。見るもの、感じるものすべてが新鮮で、3年目に突入した今でも、底抜けに広い空や絵画のような力強い雲、森や農場の緑の多さに全身で感動しています」

ワール川沿いの町、Gorinchemへ出かけた時の一枚。特別な観光地でない場所でも古い街並みや水路が整備されていて美しい

世界遺産に指定されているキンデルダイクには19基の風車が川沿いに立ち並び、遊歩道も完備されている

アムステルダムの北に位置する風車村のザーンセ・スカンスは、緑に塗られた風車や牧歌的な風景を楽しめる観光地

 もちろん、よかったことばかりではないはずで、オランダでの生活で苦労している点も気になるところだ。

 「物価がとにかく高いのがつらいところで、ランチが1人10~15ユーロ、ディナーは20~25ユーロ円が一般的。スターバックスのチャイラテが6ユーロ(960円)ほどするので、物価は単純に日本の1.5~2倍くらいする感覚です。スーパーマーケットには出来合いのものや総菜も売られていますが、種類が少なく高額なので、日本ほど気軽に買えません。必然的に自炊するしかなくなり、結果として料理の腕が上がりました(笑)。また、医療費も高く、日本のように『ちょっと風邪っぽいから』といって気軽に医者にかかることはできません。40代に入ると、環境の変化も相まって、今までにないような症状に悩まされることが増えましたが、基本的には自力で治しています。去年、口角炎にかかったときは、1か月間唇が腫れて痛みが続きましたが、ひたすら耐えて自然治癒を待ちました。オランダでも一般的な薬は買えますが、日本を出る前になじみの薬は買っておくことをおすすめします」

よくあるランチメニュー。左はチキンとピーナッツソースのサンドイッチ、右はツナ、スモークサーモン、クロケットと食パン。ミントティーとペプシも合わせて約30ユーロ

 また、ちょっとした困りごととして公園や公共の場所など街中にトイレがないことをあげてくれた。飲食店や商業施設にあっても有料の場合が多く、なにもかも無料が当たり前だった日本との違いを実感しているとか。そのように大変なことも多いが、やはりオランダでの生活には満足をしているようだ。

 「日本での生活は十分に味わったので、残りの人生は可能な限りオランダで過ごしたいです。私にとって日本は実家のようなもの。いつでもおいしいものが食べられて、いつでも帰れますが、ずっと過ごす場所ではないと思っています。もし結婚していなかったとしても、ビザの更新をして長期滞在をしていたんじゃないかなと。今後、オランダでやりたいこともいっぱいあって。もっと語学力を磨いて、町の小さな店やホテルなどで働いてみたいし、もちろん運営するWebサイトを収益化し、複数の収入の柱も作りたいです。また、観光都市にもなっていないような国内の小さな町に出かけたり、ヨーロッパ各国を気軽に訪れたり、義母や夫の同僚がクリエイティブな方々なので、この機会に洋裁やクロスステッチも習って、売りに出してみたいです」

 最後に、オランダに移住をしたいと考えている人に、七瀬さんからアドバイスをもらった。

 「繰り返しになりますが資金をしっかり貯めること、収入を得る手段を考えておくこと。そして日本の生活を手放す勇気を持つことが必要だと思います。英語力は頑張り次第で、現地でも身に付きます。たとえ今の仕事が嫌でも必要なお金が貯まるまでは辞めない、本業と同時にオランダでの起業を想定した副業を始める、身の回りのものを少しずつ売り払う…などをしておくと、お金も貯まるし断捨離にもなります。私は、日本で抱え込んでいたものを手放したことで両手が空き、新しい幸せが入り込むスペースが生まれたのだと感じています。『何か満たされない、足りない』と感じている人は、思い切って今の生活を手放してみるのがいいかもしれません。とにかく、目の前の小さなことから行動を始めてみてください」

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