意外な名物から興味を引く観光スポットまで、東日本にはまだ知られていない魅力がたくさん。実際につなぐ旅編集部が東日本の市町村を訪れて、「ワクワクする」シーンを体験レポートします。今回は秋田県秋田市を旅しました!
旅のお楽しみといえばグルメ。秋田は米どころということもあって、日本酒もおいしいだろうと期待に胸を膨らませていたところ、すてきな出会いがありました。そんなグルメ編をお届けします。
楽しくお酒を飲みながら、なまはげ様に会える居酒屋
お酒好きな私としては、秋田の地酒をいただきたいところ。でもせっかくだからなまはげ様にも会いたい…。そんなわがままを両方叶えてくれるすてきなお店が「秋田長屋酒場」です。なんと毎日お店になまはげ様が登場するのだとか!
「秋田長屋酒場」では、地元の郷土料理や地場の野菜を使った一品、火鉢で焼く干物などが楽しめます。なまはげ様の登場までまだ時間があるので、まずは乾杯しようと「いぶりがっこ炙りチーズ」(780円 ※税込)とビールをオーダー。
自身もお酒が好きだという店長の櫻井孝柔さんにおすすめの日本酒を尋ねたところ「ゆきの美人」が出てきました。ちょっぴり発酵の香りがする、すっきり辛口のお酒で、お通しの八幡平ポークによく合います。
櫻井さんに「秋田っぽさがあるけれどちょっとめずらしいメニュー」を尋ねると、比内地鶏をくわ型の鉄板に乗せて焼いた「くわ焼き」と、酒の肴として「焼味噌」がおすすめとのこと。これに、テーブルで炊くあきたこまちも一緒に注文!
比内地鶏はしっかり噛み応えがあり、しょっぱめの味付けでお酒も進みます。秋田味噌にミョウガやゴマなどを混ぜて焼いた焼味噌も最高のアテ! 白神山地の水で炊くあきたこまちに少しずつ乗せて食べても美味しい。
なんだか店内が騒がしくなってきたぞ…
お酒と料理を楽しんでいると「まもなくなまはげ様がいらっしゃいます」とアナウンスが流れました。来る…!
「泣く子はいねがー」という言葉で知られるなまはげ様は、男鹿半島周辺の文化で年の節目にやってくる来訪神といわれています。怖い見た目をしていますが、怠け心を戒め、無病息災や田畑の実り、山・海の幸をもたらしてくれるのだそう。ユネスコの無形文化遺産にも登録されています。
隣の席にすわった男性たちは仕事で名古屋方面からやってきたとのことで、なまはげ様初対面。その迫力に驚きつつも、「おめだはどごがら来だ(あなたたちはどこから来たんですか)」というなまはげ様の問いに「もうちょっとゆっくり話してほしい」と笑いながら対応していました。
なまはげ様が家に来た際、身に着けているワラを落としていくことがあるそうで、それを拾うと幸せになると言われています。残念ながら私はワラを見つけられませんでしたが、握手してもらえたので無病息災のご利益があるかも!
秋田長屋酒場
住所:秋田県秋田市中通4丁目16-17
HP:https://marutomisuisan.jpn.com/nagaya-akita/
米がうまいから餅も煎餅もうまい!
私には秋田に行ったら食べてみたいものがありました。それが「バター餅」です。
餅にバターや卵黄、砂糖などを混ぜたもので、10年以上前にネットで見かけて以来ずっと気になっていたんですよね。「秋田犬ふれあい処 in 千秋公園」を運営している秋田コンベンション協会の相澤萌さんも「バター餅は家で作るものなのであまり買わないのですが、川口屋さんのバター餅は美味しいですよ」とおすすめしてくれていました。
ひと口食べてみると、とてもやわらかい! そして口中にミルキーなバターの風味が広がって、贅沢な味わい。本来、餅は時間がたつと硬くなりますが、バター餅はバターのおかげでやわらかさが保たれ、冬の保存食として食べられていたそうです。
川口屋
販売先:秋田駅トピコ2階 あきたくらす 他
HP:https://kawaguchi-ya.jp/
相澤さんがもう一つおすすめしてくれたのがおせんべい。「秋田は米が美味しいから、おせんべいも美味しいんですよね」と言って「しとぎ豆がき」を教えてくれました。
黒豆の入った餅を焼き上げた「しとぎ豆がき」は、香ばしい風味とちょうどいい具合に効かせた塩が最高。黒豆も食感と風味のアクセントになっていて、これはつい何個も手が伸びてしまうやつだ…。
一乃穂
販売先:一乃穂本店、秋田駅トピコ2階 他
HP:http://www.shitogi.jp/
食べて飲んで知る、米どころの底力
「米が美味しいからおせんべいも美味しい」と聞いて「確かにそれはあるかも!」とお土産探しを決行。その結果、おせんべいどころか餅、そして夜に飲んだ日本酒も美味しいということが分かりました。いえ、分かってはいたのですが、改めて感じました。なまはげ様も美味しい米がたくさん収穫できるように祈ってくれているのかもしれません。近年はコメ離れなどとも言われていますが、そんなのもったいない! 私は今後も積極的に米を消費していきたいと思います!
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