日本ロボット学会「優秀講演賞」をThinker取締役 小山佳祐が受賞

株式会社Thinker
“指先で考えるロボットハンド”で製造現場の革新に取り組む株式会社Thinker（読み：シンカー、本社：大阪府大阪市、代表取締役兼CEO：藤本弘道、以下Thinker）の取締役であり、大阪大学基礎工学研究科助教である小山佳祐が、日本ロボット学会(※1)2024年度表彰において、「優秀講演賞」を受賞しました。日本ロボット学会の「優秀講演賞」は、ロボット分野の発展への貢献奨励を目的としたもので、前年度の学術講演会で発表された講演の中から特に優れた講演発表が選ばれ、その講演者に贈呈されます。


日本ロボット学会 2024年度「優秀講演賞」を受賞


受賞対象となったのは、第42回学術講演会で発表した「反力と厚み調整が可能な触覚センサモジュールの開発」という講演です。この中で小山は、Thinkerが開発・提供する近接覚センサー※2の赤外線モジュールを用いた「密着度計測デバイス」について詳説しました。1.5mm～20.0mmの範囲であれば0.1mmの分解能で計測できるという近接覚センサーの特長により、ヒトの肌とウェアラブルデバイスの密着度合いを計測する方法を提案。ウェアラブルデバイスの締め付け過ぎを予防できれば、より心地よい装着感を実現できること、かつ呼吸深さなどの生体情報の定量化が可能になることを発表しました。



締め付け度合いを計測するモジュールがベルトで固定された様子



モジュールが搭載された深呼吸を計測するウェアのイメージ


小山はこれまでにも近接覚センサーの研究発表により、日本ロボット学会から3度の表彰を受けています。

2016年度「論文賞」
（ロボット分野の発展への貢献を奨励することを目的とし、一年間に機関誌に発表された全論文のうち、特に優秀なものを選び、その著者に贈呈される論文賞）

2018年度「研究奨励賞」
（若手の研究者、技術者を積極的に育成することを目的として、優れた業績をあげた新進の研究者または技術者に贈呈される研究奨励賞）

2022年度「優秀研究・技術賞」
（有用性、独創性、新規性、完成度に加え、登録講演者の講演技術（発表の工夫、質疑応答、発表時間など）を踏まえて総合的に審査され、特に優れたものに対して贈られる賞）



このたびの評価を日本のロボット界からの期待と受けとめ、今後もThinkerでは近接覚センサーがさまざまな課題解決のキーデバイスとなるよう、社会への導入・活用に取り組んでまいります。



※1　日本ロボット学会
学問領域の進展を目指し、研究発表と技術交流の場を専門家に提供することを目的に1983年1月28日に創立。2019年12月現在、正会員、学生会員の数は約4,000名、賛助会員数は96団体。専門誌の発行、講演会やシンポジウムの主催、セミナーなどの企画・開催や各種賞の授賞を行っている。
（ロボット学会サイト：https://www.rsj.or.jp/）


優秀講演賞　受賞者一覧　　
https://www.rsj.or.jp/info/awards/category/yke/


※2　Thinkerの近接覚センサー












カメラを用いることなく、赤外線とAIを組み合わせた独自の高速・高分解能なセンシングによりモノの位置と形を非接触かつ高速に把握できるセンサーです。これにより、従来の産業用ロボットでは難しいとされていた鏡面・透明物質の取り扱いや、現場環境に応じた臨機応変なピックアップが可能となり、ロボットハンドによるピッキングの可能性を飛躍的に広げることができます。また、ティーチング（ロボットに作業を教え込む工程）の時間や労力を大幅に軽減できることから、これまでとは異なる領域でのロボットハンドの活用も期待されています。2023年8月の量産サンプル提供開始以来、実に800社を超える引き合いをいただいております。現在は60社を超えるパートナー企業とともに実証評価に取り組んでいるほか、すでに量産工程における試験導入も始まっているなど、実装への準備が進んでいます。










○近接覚センサーTK-01の紹介動画（YouTube）：
https://youtu.be/9ngE1IxFgHw　

〇動く対象物をセンシングすることで把持部が追従する動画（YouTube）：