9月も半ばとなるもまだまだ残暑厳しい気候ですが、暦の上ではもう秋口。「食欲の秋」とはよく言いますが、食事とともにお酒がおいしい季節(筆者の感想)でもありますよね。
特にビールにおいては、秋を切り口とした期間限定の製品が各メーカーから続々と発売されています。筆者は季節限定のビールが大好きなので、見つけたらまずは飲むようにしているのですが、スーパーの棚で見かけて「おっ!」と思った限定品を紹介しましょう。
これまでと一新した限定醸造
今回紹介したいのは、「金麦」から限定醸造で9月10日に発売された「金麦〈帰り道の金木犀〉」。350ml缶、500ml缶がラインナップされています。
金麦はサントリーが展開する「発泡酒(2)」に分類されるビール類飲料で、冒頭でビールとは言いましたが日本の酒税法上はビールではなく、いわゆる「新ジャンル」「第三のビール」と言われるものになります。
日本における酒税法上のビールは「アルコール度数が20%未満であること」「麦芽、ホップ及び水を原料として発酵させたもの」「麦芽の重量が全体の50%以上であること」「使用する副原料は指定された品目から麦芽に対して5%未満まで」という決まりがあり、その基準では金麦はビールに分類されないということになります。
蛇足ですが、ここ数年ブームとなっているクラフトビールもさまざまな原料や副原料・製法で醸造されているため、厳密にはビールではないものもあります。ただしその中にも海外ではビールとされるものもあるので、あくまでも「日本では」ということになります。
話が逸れましたが、この金麦〈帰り道の金木犀〉を見てなぜ「おっ!」と思ったかというと、その商品名とパッケージです。
〈帰り道の金木犀〉……とてもオシャレですよね。筆者も金麦の限定品は必ず試していますが、これまでの限定缶とは大きくネーミングとデザインが変更されています。
これまでは味や液色、香りなど製品の内容を想像させるような「琥珀の秋」「香り爽やか」といったものが、今回は飲んだ際に連想するイメージがネーミングされている印象です。かなり大きな変化ですね。
では実際の味はどうなのか。“帰り道の金木犀”の風景が湧き上がるのか。さっそく飲んでみます。
まず注いでみると、液色は通常の金麦よりも濃い色味の琥珀色。本製品は上面発酵酵母が使用された「ほのかに香るアンバーエールタイプ」ということです。
アンバーエールの場合は10度前後が飲み頃とされているので、冷蔵庫から出してグラスに注いで、すこし時間が経つとよりおいしく飲める温度になります。
飲んでみると、アンバーエールらしく苦みと深いコクがありながら金麦らしい飲みやすさもあり、通常のアンバーエールが得意でない人にもおすすめしやすい1本だと感じました。
ちなみに〈帰り道の金木犀〉とあるように、「秋だな」と実感する余韻の残る後味。ふわっと香る甘い香りと相まって、なんとなく高校時代の部活帰りの風景を思い出すような……思い出さないような……とにかく、そんな記憶が蘇りました。
冬の限定品が早くも発表
本製品を購入した後に金麦公式サイト「金麦スタイル」を閲覧したところ、早くも冬の限定醸造品の情報が出ていました。その名も「金麦〈ぬくもりの窓灯り〉」。金麦は当面、この文学的な路線でいく模様です。
〈ぬくもりの窓灯(まどあか)り〉にも期待しつつ、まずは秋の深まりとともに〈帰り道の金木犀〉を楽しみたいと思います。