ENEOSとEco-Pork、養豚業初のプログラム型J-クレジット創出プロジェクトを開始
株式会社Eco-Pork
ENEOSホールディングス株式会社(社長:宮田 知秀、以下「ENEOS」)と株式会社 Eco-Pork(代表取締役:神林 隆、以下「Eco-Pork」)は、養豚事業における温室効果ガス(以下「GHG」)削減を目的としたJ-クレジット創出プロジェクト「豚へのアミノ酸バランス改善飼料の給餌プロジェクト」(以下「本プロジェクト」)が、J-クレジット認証委員会において承認され、養豚生産者とのJ-クレジット創出活動を開始したことをお知らせいたします。
畜産業は、世界のGHG排出量の約14%※1を占めており、排出量の削減努力が求められています。日本では、2021年に農林水産省が「みどりの食料システム戦略」を策定し、食料・農林水産業の生産力向上と持続性の両立をイノベーションで実現することを推奨しています。
このような背景から、オープンイノベーションによるサステナブルな養豚業の実現に貢献すべく、 ENEOSはENEOSイノベーションパートナーズ合同会社(社長:長沼 亨)を通じて Eco-Porkに出資しており※2、このたび両社はJ-クレジット制度を活用したプロジェクトを開始しました。さまざまな主体(全国の養豚生産者)のGHG削減活動を取りまとめて J-クレジットを創出する、プログラム型プロジェクトとして養豚業界初の取り組みとなります。
本プロジェクトでは、従来の飼料からアミノ酸バランス改善飼料に変更することで、飼料に含まれるアミノ酸を豚の体内で余すことなくタンパク質として吸収させます。これにより、排泄物中に含まれるアミノ酸(窒素化合物)を減少させることで、排泄物処理の過程で排出される一酸化二窒素(以下「N2O」)を削減します。N2Oは二酸化炭素の265倍の温室効果を持つGHGであり、排出量の削減には大きな意義があります。
◆「豚へのアミノ酸バランス改善飼料の給餌プロジェクト」のしくみ
ENEOSグループは、カーボンニュートラルの実現に向けて、これまで森林吸収など自然吸収系のクレジット創出を推進し、森林保全や地方創生といった社会課題の解決に取り組んできました。本件において、ENEOSグループは新たに畜産分野のクレジット創出への取り組みを開始し、養豚業の課題解決とGHG排出削減の実現を目指します。
Eco-Porkは、「次世代に食肉文化をつなぐこと」をビジョンとして掲げ、養豚の生産性向上と養豚にまつわる社会課題の解決に取り組んでいます。同日公開の自社の取り組みが社会に与えるインパクトを示したインパクトレポート※3には、「養豚の環境負荷低減」を重要な施策の一つとして記載しており、その実現に向けて、養豚DX技術を活用したソリューションの展開を目指しています。
本プロジェクトにおいて、Eco-Porkは運営・管理者として、全国の参加養豚生産者の GHG削減活動のモニタリングからクレジット化までの一連の対応、情報管理を担います。養豚生産者のGHG削減活動の記録には、Eco-Porkの養豚DX技術を活用します。これにより、個々の養豚生産者の作業負荷を最小限に抑えた、参加しやすく持続可能なプロジェクト運営を実現します。一方、ENEOSは、Eco-Porkが創出したクレジットを購入し、自社のカーボンオフセットに活用します。Eco-Porkは販売したクレジットの収益を原資として養豚生産者へ還元を行います。
今後は、全国の養豚生産者を対象に本プロジェクトへの参加者を募り、取り組みの拡大を図っていきます。ENEOSとEco-Porkは、両社の強みを掛け合わせることにより、2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会に向け、養豚業界を起点としたサステナブルな社会の実現に貢献してまいります。
※1 出典: 『Pathways towards lower emissions』(Food and Agricul ture Organization of the United Nations Rome, 2023)
※2 2024年1月18日公開「ENEOSとEco-PorkがICT・IoT・AIテクノロジーを活用した サステナブルな養豚業の実現に向けた共同検討を開始」
※3 Eco-porkインパクトレポート掲載ページ
◆ 参加養豚生産者紹介
Eco-Porkが提供する経営支援システム「Porker」のユーザである以下の養豚生産者の本プロジェクトへの参加が決定しています。今後も、全国の多くの養豚生産者にご参加いただけるよう、プロジェクトの拡大を図ってまいります。
<各社概要>
ENEOSホールディングス https://www.hd.eneos.co.jp/
“「今日のあたり前」を支え、「明日のあたり前」をリードする。”をグループ理念の実現に向けた決意とし、グループの長期ビジョンに掲げる『エネルギー・素材の安定供給』と『カーボンニュートラル社会の実現』の両立に向け挑戦を続けています。脱炭素・循環型社会という「明日のあたり前」の実現のために、新しいエネルギー・素材・サービスが求められる中、非連続な事業創造を行う組織として未来事業推進部とCVC(ENEOSイノベーションパートナーズ)を 2019年に発足させ、50社を超えるスタートアップに出資を行い、オープンイノベーションを推進しています。
Eco-Pork https://www.eco-pork.com/
”食肉文化を次世代につなぐ”を企業理念に掲げ、世界40兆円市場である養豚の、データによる持続可能化を目指しています。養豚の全てをデータで可視化する養豚経営管理ツール
「Porker」および、関連するIoT機器を開発・販売しています。「Porker」は 2024年6月現在、国内養豚生産者の約13%のシェアをもち、年間160万頭のデータを蓄積しています。東京都「令和2年度 第1回 革新的サービスの事業化支援事業」、経済産業省
「グローバル・スタートアップ・エコシステム強化事業(2021年度)」「J-Startup Impact(2023年度)」、農林水産省「令和2年度・令和3年度/令和4年度・令和 5年度 スマート農業実証プロジェクト」などにも選定・採択されています。
<本件に関するお問い合わせ先>
ENEOSホールディングス株式会社 広報部 メディアリレーショングループ
TEL:03-6257-7150
E―Mail:pr@eneos.com
株式会社Eco-Pork プロダクト部
TEL:080-8740-1129
E―Mail:jcredit_admin@eco-pork.com
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