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クラウド活用の真の狙いは“ラグビーの発展”を見据えたメディア戦略

ラグビーのビデオ判定を遠隔地から、「クラウドTMO」日本ラグビー協会がデモ披露

2024年09月06日 15時30分更新

文● 末岡洋子 編集● 福澤/TECH.ASCII.jp

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 台風一過、夕方になっても暑さの残る静岡・エコパスタジアムで、ラグビー女子日本代表が女子米国代表と対戦した。ただし、その試合を見守るレフリー(審判員)は、現地の静岡だけでなく、東京にもいた――。

太陽生命 JAPAN RUGBY CHALLENGE SERIES 2024 2試合目の模様(JRFU公式写真より)

 2024年8月17日に開催された、女子日本代表と米国代表のテストマッチでは、ラグビーのビデオ判定システムである「TMO(Television Match Official)」のクラウド化に向けた重要なデモテストが実施された。

 日本ラグビーフットボール協会(JRFU)では、このTMOだけではなく、選手が脳振とうを起こしていないかを確認するシステム、映像アーカイブサービスなどのクラウド化を進めている。その目的は、運営の効率化、選手の安全性確保、ファン層の拡大など多岐にわたる。

 JRFUにおけるクラウド活用の取り組みと、その一番の目的であるメディア戦略について、担当者に話を聞いた。

静岡での試合の判定を東京から、クラウド経由でリモートTMOを実施

 記事冒頭で触れた試合は、「太陽生命 JAPAN RUGBY CHALLENGE SERIES 2024」の第二戦目だ。日本は世界ランキング11位、対する米国は9位。8月11日に北九州で行われた初戦が引き分けだったこともあり、日本の勝利への期待は高まる。結果は、日本が前半をリードしながらも、後半に逆転され8-11の惜敗だった。「ラグビーは、格下のチームが格上のチームに勝つことがあまり起きないスポーツ」(ジャパンラグビーマーケティング デジタルサービスグループ リーダー、経営企画グループ リーダーの末広健一氏)という言葉通りとなった。

 試合結果はJRFUにとって残念なものだったが、大きな収穫もあった。昨今のラグビー試合では審判判定補助システム「TMO(Television Match Official)」が導入されているが、今回は現地に加えて、東京・青山のJRFUオフィスにもレフリーが2人おり、リモートでのTMO体制を整えていたのだ。

JRFU青山オフィスに設置されたリモートTMOシステム

 このシステムは、言うなれば”クラウドTMO”だ。静岡・エコパスタジアムに設置した4台のカメラ映像をクラウドへアップロードして遠隔地にリアルタイムに配信し、その画面をレフリーが見てTMOを行う仕組みだ。

 青山のJRFUのオフィスに設置されたデモ環境では、Amazon Web Services(AWS)クラウドとBolt6製TMOシステムが使われた。Bolt6のモニターに4台のカメラからの映像が映し出される。「タックル」「トライ」などのタグをつけることで、瞬時に映像を戻すことも可能だ。現場のレフリーともトランシーバーを介して連携がとれる。

クラウドTMOの仕組み

 開始当初には小さな技術トラブルがあったものの、静岡からの試合の映像は大きな遅延を感じさせることなく、遠く離れた東京でもプレイの詳細が把握ができた。待機していた2人のレフリーも、問題を感じていない様子だった。

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